【市民法務:契約書の作成/トラブル時の解約条項】~行政書士試験合格者が解説~

市民法務関係

今回の記事も行政書士の市民法務業務について書いていきたいと思います。行政書士の業務には、権利義務に関する書類の作成とその代理・相談というものがあります。その権利義務に関する書類の中で、契約書の作成と内容証明書についての記事を書いていきます。行政書士を目指し受験されている方はもちろんのこと、行政書士の実務を学びたいと思っている方、開業準備をしている方、市民法務分野に興味がある方に向けて記事を書いていきます。今回は前回に引き続き、契約の中身でトラブル時の解約条項について記事を書きたいと思います。前回はトラブルに備えて条項を設けることが重要であると説明しました。今回はそのトラブル時の解約条項について説明します。この記事を読むことで契約書の作成にトラブルを想定し事前に備えることが出来ます。

契約期間に解除項目を設ける

契約書では、契約期間(契約の有効期間)を規定する条項を定めることがあります。基本的に、契約はその契約で規定した契約期間中はずっと有効であり、契約当事者全員が途中契約を終了することに合意しない限り、契約期間満了まで効力を失いません。そのため、契約期間に関する規定は、契約で定めた権利や義務が、いつからいつまで存続するのかを定める重要です。特に、長期にわたる契約を締結しようとする場合には注意が必要となります。なぜなら契約期間中は、契約で定めた義務を負担し続けることになります。契約を締結した後で契約を終了させたいと思っても、当事者全員が同意しない限り終了させることができません。すると契約上の義務を負い続けなければならないことになってしまいま す。そのため、長期間にわたって、契約を存続させたい場合には短期の契約とし自動更新条項を定めることや中途解約条項を設けることを検討すると良いでしょう。

中途解約

契約は期間を通じて有効に存続し、契約期間の途中では契約当事者全員で契約を解約する合意をしたり、相手方の責めに帰すべき事由などにより解除権が発生したり、契約を存続し難い客観的な事情がない限り終了させることはできません。しかし、当事者の都合で契約を途中で終了させたい場合を想定して、何ら相手方の責に帰すべき事由がなく、契約を存続し難い客観的な事情がない場合でも、当事者の一方的な意思表示によって将来に向かって終了させることができるようにするため、中途解約条項が設けられることがあります。
中途解約はメリットもありますが、契約期間が早期に終了してしまうために期待していた利益が得られなくなってしまうといった不都合が生じる場合があるため注意が必要です。

例:中途解約
1本契約の契約期間は、本契約締結日から5年とする。
2前項に関わらず、甲又は乙は6ヵ月前に予告すること、又は○○円の解約金を相手に支払うことにより、本契約を解約することができる。

契約の解除

中途解約時にも言いましたが、契約は期間に合意している場合には契約期間が終了するまで存続することになります。しかし、相手方による義務の履行が期待できない場合には、契約を存続させる意味がありません。そのため一定の場合には、解除権を行使し契約を途中で終することになります。
民法では、一般に契約で約束した義務を相手方が履行しない場合には、 相手方に義務を履行するよう催告し、その上で契約を解除できると定められています。 また、義務の全部の履行が不能である場合などには、催告をせずに解除をすることができると定められています。
契約を解除すると、基本的に契約が締結時に遡って締結されなかったと扱われることになると考えられていますが、継続する契約の場合は、将来に向かって効力が生じる場合もあります。
契約書では、民法の解除の規定とは異なる規定を置き解除権の内容をより拡充あるいは制限することがあります。例えば、民法では相手方が契約で定めた義務を履行しない場合、催告をしなければ解除できませんが、契約書に催告することなく契約解除を可能にする条項を置くことによって手間を省くことができます。また、民法では解除が可能とされていない事由についても、契約の解除を可能にする規定を置くことも可能です。

例:(解除)
甲又は乙は、相手方の次の各号の一に該当する事由が生じたときは、催告なしに本契約を直ちに解除することができる。
①本契約条項に違反した時              …義務違反があった場合の無催告解除
②破産手続きの開始                       …信用不安の場合の解除
③支払い不能若しくは支払い停止又は手形若しくは小切手が不渡りとなったとき
④仮差押え、仮処分、強制執行又は競売の申立てがあったとき
➄公租公課の滞納処分を受けた場合

まとめ

今回はトラブル対策に重要な解除についてご紹介しました。中途解約や民法の解除権をさらに拡大解釈した解除条項を設けることによって、何かあった際の対策をすることができます。手元に契約書があれば、どのように解除権が書かれてあるのかを見てみましょう。

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