【市民法務:債権回収の内容証明】~行政書士試験合格者が解説~

市民法務関係

今回の記事も行政書士の市民法務業務について書いていきたいと思います。行政書士の業務には、権利義務に関する書類の作成とその代理・相談というものがあります。その権利義務に関する書類の中で、契約書の作成と内容証明書についての記事を書いていきます。行政書士を目指し受験されている方はもちろんのこと、行政書士の実務を学びたいと思っている方、開業準備をしている方、市民法務分野に興味がある方に向けて記事を書いていきます。今回は内容証明郵便の中でも売買契約について活用する場合を紹介したいと思います。この記事を読むことで、内容証明書の活用方法について知ることが出来ます。

債権回収で内容証明書の活用

未回収の債権を回収したいけど、法的手段に訴えるのはハードルが高いと感じる方は多いでしょう。そこで債権回収の手段の一つとして、内容証明郵便の送達があります。
内容証明郵便で、債権者の意思を公的に示すことができますが内容証明郵便自体には、債務者に対して法的拘束力はありません。

債権回収を内容証明する場合

弁済を促す

一般の郵便と比べて内容証明郵便を介して催告書を送る方が、債務者へより大きく精神的なプレッシャーを与えることができます。

裁判における証拠品として残せる

内容証明郵便で郵送した催告書は、裁判まで発展した場合に証拠して残すことができます。催告書を送った事実は、債権者がしかるべき手順を踏んだことの証明です。

公的に日付を証明できる

内容証明郵便により、相手に通知をした日付を公的に証明することができます。これを確定日付といい、通知内容によってはこの確定日付が重要になるものもありますので、内容証明便はこういった意味でも高い効果を発揮します。

債権の消滅時効の中断

債権には時効が設けられていますが、時効を迎えた債権に対して債務者が時効の援用手続きを行った場合、その債権の効力を発揮することはできません。内容証明郵便を利用する効果は、債権の時効を中断することができるところにもありますが、内容証明郵便で時効を延長できる期間は6ヶ月です。

期限が設けられていない債権を債務不履行にできる

契約書によっては、債権における弁済期日を設けていない場合がありますが、弁済期日が設けられていなければいつまで経っても債務不履行にはなりません。内容証明郵便を介して催告書を債務者へ通知することで、弁済期日を設けることができ、通知が届いた日が弁済期日になります。

内容証明書に記載する内容

催告書の内容

債権回収をする上で、債務者から弁済を促すためにも催告書の内容は重要です。

債権の特定

債権は同種のものが複数成立することがあります。そのため発生年月日や契約の種類などを示し特定できるようにします。商品の引き渡しなど債務履行が重要となるものについては履行した日も記載しておきます。

弁済の期限を設ける

まず債務者との契約において弁済期日を設けていない場合は、「平成○年○月○日までに支払え」など催告書に弁済期日を設けましょう。もし、既に期限が設けられているのであれば、「本状、送達後、早急に支払え」など早急に支払いを促す文面を含めるのが一般的です。

法的手段への対応

また、催告書の内容には、催告書に記した弁済方法に従わなかった場合の措置として法的手段に訴える旨を加えてください。

法的手段とは

内容証明の中に記載した「法的手段」について具体的に説明します。

民事調停

裁判所を利用した話し合いによる解決を目指す手続きです。裁判官と民間人である調停委員に同席してもらってお互いの言い分を伝え合意を目指すものです。

支払督促

簡易裁判所の書記官に債務者に対し支払い命令を出してもらう手続きです。書面審理のみで利用することができます。債務者から異議が出されない限り判決と同様の効果が生じ、債務者の財産に強制執行することができます。

訴訟

話し合いによる解決が難しい場合に利用します。勝訴判決を得ると相手の財産に強制執行することができるようになります。他の方法と比べると解決までに時間がかかりますが途中で和解することも多いです。60万円以下のケースであれば1日の審理で判決まで出してもらうことのできる少額訴訟という簡易な手続きもあります。

強制執行

相手の財産を差し押さえて強制的に債権回収をする方法を強制執行といいます。強制執行するには執行してもいいですよという公文書が必要であり、これを債務名義といいます。債務名義は確定判決書や仮執行宣言付支払督促、調停調書などがあります。

つまり法的手段による債権回収は、1.債務名義を取得し、2.強制執行という流れとなります。もっとも、必ず強制執行するわけではなく執行する前に素直に支払ってもらえることもあります。差押えできる財産は預金債権や不動産、商品、給料など経済的価値のあるもの全般です。

まとめ

今回は債権回収時に活用する内容証明書についてご紹介しました。内容証明書にすることで債権回収率が上がるかもしれませんね。

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