【福祉事業所の許可が出た後に行う届出】~行政書士試験合格者が解説~

福祉業務

今回の記事も現在業務で行っている福祉関係の知識と、行政書士としての知識を組み合わせ、福祉についての知識を記事にしていきたいと思います。福祉業務を専門としている行政書士は数がまだ少ないと聞いています。理由としては、福祉知識の難しさが挙げられています。今回からの記事を読んでいただくことで、行政書士を目指し受験されている方はもちろんのこと、行政書士の実務を学びたいと思っている方、開業準備をしている方、市民法務分野に興味がある方の知識が増えてもらえればと思います。今回は事業開始の許可が出た後に行うべき手続きについてまとめました。この記事を読むことで福祉事業解説のイメージがつくと思います。

開業の許可後の届出

会社を行う上で、必要になる届出をしなければなりません。今回は主に税務関係と労働基準関係について説明します。

税務関係の届出

法人設立後には、税務申告に備えて、事業所を管轄する税務署に、法人設立の届出(設立後2か月以内)と青色申告に関する届出(設立後3か月以内)を行なう必要があります。また、法人事業税(地方税)等の届出も管轄の市区役所などに行なう必要があります。さらに、管轄の税務署には、給与支払事務所等の開設届の提出も必要です。
事業所を運営しながら、税務に関することも事業主が行なうのは非常に大変な作業であると予想されるため、法人設立時から、税理士と税務顧問契約を締結して、税務事務を税理士に依頼することも必要になるかもしれません。
その際、注意してほしいのは、税理士選びです。障がい福祉事業は、 他の事業と違って特殊な部分があるので、顧問先に障がい福祉事業がある税理士か障がい福祉専門の税理士に依頼するほうが無難です。特に、複数のサービスを行なう場合は、収支(損益)計算書や賃借対照表等の会計書類について、それぞれのサービスに応じて明確に区分する必要(各サービスごとの内訳書を作成するなど)があるので注意が必要です。

法人設立の届出
会社を設立したら、税務署(国)や地方自治体に税金を納めることになります。 そのため、会社を設立したこと及び会社の概要を税務署に知らせることを目的として、「法人設立届出書」を提出します。 「法人設立届出書」は、株式会社はもちろん、合同会社や一般社団法人など、どんな会社であっても必ず提出しなければなりません。法人設立届出書の提出は、会社の設立をした後に納税地の税務署で行わなければなりません。書類については、税務署に提出する分と会社に控えとして残しておく分と、2部作成します。作成した2部の法人設立届出書を税務署に持って行くと、控えにも受領印を押してもらえます。なお、提出は郵送でも可能です。

法人事業税(地方税)等の届出
法人事業税とは、法人が行う事業に対して課税される税金です。株式会社や合同会社など、事業を行っている法人に、事務所等が所在する都道府県が課税する地方税です。
法人事業税の税率は、法人の種類や資本金の金額、所得額などによって変動します。資本金1億円以下の普通法人等の場合は、所得に応じて法人事業税の税額が決まるため、赤字であれば納付の必要はありません。一方、資本金1億円超の普通法人は、たとえ赤字であっても付加価値額や資本金等の額に応じた課税が発生します。
法人事業税と法人税の大きな違いは、税金の納付先です。法人事業税は都道府県に対して納付する地方税ですが、法人税は国に納める国税です。また、法人事業税が法人の事業に課せられる税金であるのに対して、法人税は、法人の事業活動で得た所得にかかる税金です。どちらも法人の所得をもとに税額の計算を行いますが、性質が違います。

労務関係の届出

従業員を雇う場合は、原則として労働保険(労災保険と雇用保険)の成立届を管轄する労働基準監督署に提出する必要があります。また、週20時間以上の労働を行なう従業員がいる場合は、雇用保険に 加入して被保険者となる義務があるので、雇用保険の被保険者資格取得届を管轄するハローワークに提出する必要があります。
なお、この被保険者資格取得届は、雇い入れた日の翌月10日までに行なわなければならないので、場合によっては、指定を受ける前に行なうこともあり得ます。
健康保険や厚生年金保険などの社会保険についても、法人には加入義務があるので、管轄の年金事務所へ健康保険・厚生年金保険新規適用届を提出してください。社会保険に関する手続きや毎月の社会保険事務(社会保険料の徴収など)などについては、社会保険労務士に依頼すること も検討しましょう。

労働保険(労災保険と雇用保険)の成立届
事業所が労働保険の適用を受ける場合に、提出しなければならない書類です。労働保険とは、労災保険と雇用保険のことをいい、原則として従業員を1人でも雇ったら、その事業所は労働保険の適用事業所となります。
労働保険(労災保険と雇用保険)の成立届に必要な書類は①法人の場合は法人登記簿謄本(コピー可)です。移転した場合など、事業所の所在地が法人登記簿謄本と異なる場合には、その事業所の賃貸借契約書のコピー等が必要になります。②「労働保険概算保険料申告書」も併せて提出し、最寄りの金融機関等で、労働保険の概算保険料を納付します。保険関係成立届の提出期限は保険関係が成立した日から10日以内ですが、概算保険料の申告・納付は保険関係が成立した日から50日以内です。

まとめ

事業を開始に必要となる届出をご紹介しました。開業運営にはさまざまな業務が必要となります。税務に関しては税理士、雇用保険等の労務に関しては社労士など専門家に相談依頼するのもいいかもしれません。


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