【サービスを提供するときの決まり事】~行政書士試験合格者が解説~

福祉業務

今回の記事も現在業務で行っている福祉関係の知識と、行政書士としての知識を組み合わせ、福祉についての知識を記事にしていきたいと思います。福祉業務を専門としている行政書士は数がまだ少ないと聞いています。理由としては、福祉知識の難しさが挙げられています。今回からの記事を読んでいただくことで、行政書士を目指し受験されている方はもちろんのこと、行政書士の実務を学びたいと思っている方、開業準備をしている方、市民法務分野に興味がある方の知識が増えてもらえればと思います。福祉事業のサービス提供する際に必要となることをまとめておきます。この記事を読むことで福祉事業のサービス提供に必要なことを知ることが出来ます。

サービス提供時の決め事

福祉事業はさまざまな形態がありますが、各事業に共通して事前に決めておくと良い内容をまとめました。以下内容を確認していきましょう。

勤務体制を確保する

「障がい福祉サービスを提供するときには、各サービスの種類とその定 (常勤要件や常勤換算での配置数を含めた人員) 員ごとに決められた人員を配置する必要があります。
利用者がいないからといって、従業員を休ませて、決められた人員配 置を割りこんだ勤務体制にすることはできません。
月末には月ごとの勤務予定表(シフト表など)を作成して、 翌月の人員配置がしっかりできているかを確認し、実際に勤務した勤務表(勤務時間、常勤・非常勤の別、兼務関係、常勤換算などを明確にし たもの)を作成する必要もあります。

利用者へ金銭の支払いを求める範囲

利用者に対して金銭の支払いを求めることは可能ですが、金銭の使途が直接、利用者の有益性を向上させるもので、利用者に支払いを求めることが適当であるものに限られます(利用者負担額などのことではありません)。また、金銭の支払いを求める場合、書面(金銭の使途や金額、支払いを求める理由などを記載)にしたうえでの説明と同意を得ることが必要です。費用の額の支払いを受けた場合は、領収証などを交付する必要もあります。

【例】グループホームなどのサービス・・・食材料費、家賃、水道光熱費、 日用品費など

代理受領するときは

法定代理受領により、市町村から給付費の支給を受けている場合は、 利用者(または保護者)に対して、事業所に支払われる給付費の額を書面(たとえば「代理受領のお知らせ」など)で通知する必要があります。

賃金、工賃の支払い

就労継続支援A型のサービスでは、雇用している利用者に対して「賃金」を支払います。また、就労継続支援B型や生活介護、指定就労移行支援のサービスで生産活動をしている場合は、事業の収入から生産活動に関する事業に必要な経費を控除した額に相当する金額を「工賃」として支払う必要があります。その際は、工賃規程の準備も必要です。

苦情に対する措置

利用者やその家族から苦情が寄せられた場合に、迅速かつ適切に対応 するためには、苦情を受け付けるための窓口を設置する必要があります。 窓口では、苦情相談マニュアルなどにのっとって処理していきます。 この場合、苦情を受け付けたときは、その苦情の内容等を苦情対応記表などに記録することが重要です。

事故発生時の対応

利用者に対するサービスの提供により事故が発生した場合は、事故防マニュアルなどに従って、必要な行動を取り、指定権者や家族等に連絡を行ないます。この際、事故の状況および事故に際して行なった処置などについては、 故報告書を作成して記録しておきます。

非常災害への対策

火災や地震などの非常災害が発生したときに備えるためには、非常災害に関する対策の具体的な計画を立てて、定期的に避難、救出その他必 な訓練を行なってください。飲料水や食料の備蓄を行なったり、災害の発生に備えてあらかじめ避難場所の確認をしておくことも重要です。

衛生管理等の対策

感染症または食中毒が発生した場合には、まん延しないように必要な措置を行なう必要があります。感染症予防マニュアルなどを作成して、 イザというときのために備えておきましょう。また、ビニール手袋などの備品も用意してください。令和3年(2021年)度の報酬改定で、感染症の発生・まん延防止等の 取組みが義務化され、委員会の開催や指針の整備、研修の実施、訓練の実施が義務づけられました。ただし、3年間(令和6年 3月31日まで)の経過措置(準備期間)があります。

緊急時等への対応

利用者の傷病が発生するなど緊急時の対応を素早く行なうためにも緊急時対応マニュアルなどを作成し、そのマニュアルに沿って、必要場合はすぐに医療機関などへの連絡を行なうことが必要です。

身体拘束等の適正化

利用者や他の利用者への生命または身体を保護するために緊急やむを得ない場合を除き、身体的拘束その他利用者を制限する行為(身体拘束) を行なうことは禁止されています。身体拘束は、虐待案件となり得る場合があるので注意が必要です。

令和5年4月から、次のいずれか1つでも実施がない場合は、1日につき5単位の減算となります。

①身体拘束を行なう場合、詳細な記録(利用者の態様、拘束時間、心身 の状況、緊急やむを得ない理由など)の事項を記録すること
②身体拘束等の適正化を検討するための委員会を年1回以上開催し、その結果について、従業者に周知徹底を図ること
③身体拘束等の適正化のための指針を整備すること
④従業者に対し、身体拘束等の適正化のための研修を年1回以上実施すること

会計の区分

障がい福祉事業では、サービスごとに、その他の事業と区分して経理・ 会計の処理を行なう必要があります。

事業継続計画(BCP)策定や研修・訓練実施の義務化

令和3年(2021年) 度の報酬改定で、感染症や災害が発生した場合で も、サービスを継続的に提供できる体制を構築する必要から、事業継続 計画(BCP)策定や研修の実施、訓練の実施等が義務づけられました。 ただし、3年間(令和6年3月31日まで)の経過措置(準備期間)があります。

まとめ

災害時の対応や、日頃の業務について様々なことを決めておかなければなりません。しかし、しっかっりと体制を作ることで万が一の際などに被害を最小限に抑えることが出来ますので、必ず決めておく方が良いと思います。

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