【地域活動支援センターとは】~行政書士試験合格者が解説~

福祉業務

今回の記事も現在業務で行っている福祉関係の知識と、行政書士としての知識を組み合わせ、福祉についての知識を記事にしていきたいと思います。福祉業務を専門としている行政書士は数がまだ少ないと聞いています。理由としては、福祉知識の難しさが挙げられています。今回からの記事を読んでいただくことで、行政書士を目指し受験されている方はもちろんのこと、行政書士の実務を学びたいと思っている方、開業準備をしている方、市民法務分野に興味がある方の知識が増えてもらえればと思います。今回は地域活動支援センターについて詳しく解説していこうと思います。一般的な福祉事業とは違い、指定をとることは中々難しいので、今回はこんな事業があるんだ程度に見ていただければと思います。

地域生活支援センターとは

「地域活動支援センター」とは、障害者等を通わせ、創作的活動又は生産活動の機会の提供、社会との交流の促進その他の厚生労働省令で定める便宜を供与する施設をいいます。

活動内容

地域活動支援センターでは、障がいのある方が地域社会で自立して生活するために、さまざまな支援を提供しています。
具体的には、日中の活動の場を提供し、社会参加や生活能力の向上を目指す取り組みが行われています。ここでは、その活動内容について基礎的事業と機能強化事業に分かれます。

基礎的事業

基礎的事業では、創作活動や生産活動の機会の提供をおこなっています。具体的には、手芸品や工芸品を製作したり、習字をしたり、絵を描いたりします。また、完成した作品をバザーなどのイベントで販売することもあります。

能強化事業

機能強化事業は基礎的事業に加えて、より専門的な支援と手厚い人員を配置し、センターの機能強化を図る事業です。この事業にはⅠ型・Ⅱ型・Ⅲ型の3つがあり、それぞれのニーズに応じたサービスが提供されます。

Ⅰ型

Ⅰ型の活動内容は、医療・福祉や地域社会との連携を強化したり、地域ボランティアを育成したり、障がいの普及・啓発活動を行ったりします
具体的には、困りごとへの相談対応や、地域の医療機関や支援機関と連携し、障がいのある方のサポートをします。業務に対応するため、Ⅰ型は、精神保健福祉士や社会福祉士などの専門スタッフを3名以配置しなければなりません。

Ⅱ型

Ⅱ型は、障がいによって雇用・就職が難しい方に対し、機能訓練や社会適応訓練、入浴サービスなどを提供しています。機能訓練では、身体機能の維持・改善をめざし、社会適応訓練では、就職に向けてさまざまなトレーニングを行います。

Ⅲ型

Ⅲ型とは、小規模作業所としての実績が5年以上あるセンターです。
地域活動支援センターは、2006年に障害者自立支援法(現・障害者総合支援法)が施行される前は「小規模作業所」として運営されていました。小規模作業所のサービス内容は現在のⅡ型や就労継続支援に近く、企業の下請け作業や機能訓練などです。障がいによって就職が難しい方を対象者とし、働く場や交流の場を提供していました。
実績があり、5年以上安定した経営ができていた事業所が、地域活動支援センターのⅢ型として、現在も運営されています。

対象者

地域活動支援センターの対象者は、主にセンターの所在地にお住まいの障がいのある方です。
具体的には、以下の障がいのある方を対象者としています。

  • 身体障害
  • 知的障害
  • 精神障害
  • 発達障害
  • 難病

基本的には、どの障がいでも利用対象者として認められますが、一部のセンターでは、特定の障がいがある方のみを対象者とする場合もあります。

利用の仕方

地域活動支援センターの利用の仕方について紹介します。(各自治体によって若干異なります。)

①相談支援事業所・自治体の障害福祉課へ相談

地域活動支援センターを利用するには、登録手続きが必要です。なかには登録・予約なしで好きなタイミングに活動に参加できるセンターもありますが、事前に手続きをするのが一般的です。
まずはお住まいの市区町村の障害福祉課や相談支援事業所にご相談ください。

②施設見学

地域活動支援センターを利用する前に、実際に施設に行き、見学をしましょう。
見学を通じて、施設の雰囲気やスタッフの対応、プログラムの内容などを直接確認できるからです。

③市区町村にて申請手続き

施設を見学し、利用を決めた場合は市区町村の窓口で申請手続きをします。センターによっては、地域生活支援事業の受給者証や障害福祉サービス受給者証が必要とされます。
窓口で申請手続きをするまえに必要な書類を確認し、準備を整えておくと、スムーズに手続きができるでしょう。

④利用施設での申請手続き

サービスの支給量が決まったら、利用する地域活動支援センターでの申請手続きをしましょう。
手続きの際に、具体的なサービス内容や利用日数、時間などを決め、施設との間で詳細をつめていきます。見学や体験利用の際に気になったプログラムがあれば、この時点で職員に「興味がある」「参加してみたい」と伝えるとよいでしょう。

➄契約・利用開始

最後に、地域活動支援センターと契約を結んで利用を開始します。
契約内容には、サービスの内容や利用条件、費用に関する事項が含まれるため、不明点があればこの時点で確認しておきましょう。

まとめ

今回は障害者総合支援法に位置付けられている「地域活動支援センター」についてご紹介しました。障害のある方が安心して生活でき、社会参加ができるような施設がたくさん存在しています。今回ご紹介した施設も一部ですので、お住まいの地域にはどんな施設やサービスがあるのかを確認してみてくださいね。

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