【共同生活援助:グループホームの運営基準】〜行政書士試験合格者が解説〜

福祉業務

今回の記事も現在業務で行っている福祉関係の知識と、行政書士としての知識を組み合わせ、福祉についての知識を記事にしていきたいと思います。福祉業務を専門としている行政書士は数がまだ少ないと聞いています。理由としては、福祉知識の難しさが挙げられています。今回からの記事を読んでいただくことで、行政書士を目指し受験されている方はもちろんのこと、行政書士の実務を学びたいと思っている方、開業準備をしている方、市民法務分野に興味がある方の知識が増えてもらえればと思います。今回も前回に引き続き、福祉事業の共同生活援助であるグループホームについて詳しく解説していこうと思います。この記事を読むことで福祉事業のグループホームの事業運営に必要なことを知ることが出来ます。

共同生活援助サービスの運営には、どんな人が必要か

共同生活援助(グループホーム) サービスを運営するためには、管理者、サービス管理責任者、生活支援員、世話人が必要ですが、その職務内容は下表のとおりです。

管理者:職員の管理、共同生活援助の利用の申込みの調整、業務の実 施状況の把握、その他の管理を一元的に行ないます。また、 法令等の規定を事業所の職員に対し、遵守させるために必要 な指揮命令を行ないます。

サービス管理責任者:アセスメントを行ない、利用者が自立した日常生活を営む ことができるように支援するうえでの適切な支援内容の検 討を行ない、個別支援計画を作成しモニタリングなどを行 ないます。

生活支援員:利用者の心身の状況、環境等に照らし、利用者が自立した 日常生活を営むことができるよう定期的に検討するとともに、 自立した日常生活を営むことができると認められる利用者に対し必要な支援を行ないます。個別支援計画にもとづき、食事の提供、生活上の相談、入浴 介助等について世話人と協同して、支援を行ないます。

世話人:食事づくりや体調管理などを行ない、生活支援員と協同して、 支援を行ないます。

共同生活援助サービスの人員配置基準

共同生活援助(グループホーム) サービスの人員配置基準を紹介します。(介護サービス包括型・日中サービス支援型の場合)。

管理者

常勤1人、業務に差し支えない範囲で他の業務との兼務可能。

サービス管理責任者

サービス管理責任者として届け出るためには、実務経験の要件を満たし、サービス管理責任者になるための研修を修了している必要があります。

  • 利用者数30人以下:1
  • 利用者数31人以上:30人を超えるごとにさらに1人

グループホームでのサービス管理責任者は、常勤・専従でなくても可能ですが、入居定員が20人以上の場合は、できる限り専従の者を配置しましょう。

世話人

食事の提供、健康管理・金銭管理の援助等、日常生活に必要な相談・援助を行います。

  • 常勤換算で、「利用者数」を4で除した数以上(世話人配置4:1)
  • 常勤加算で、「利用者数」を5で除した数以上(世話人配置5:1)
  • 常勤換算で、「利用者数」を6で除した数以上(世話人配置6:1)

生活支援員

食事や入浴、排せつ又は食事の介護その他直接的な介護を行います。

常勤換算で、(1)~(4)の合計数以上
(1)障害支援区分3の「利用者数」を9で除した数
(2)障害支援区分4の「利用者数」を6で除した数
(3)障害支援区分5の「利用者数」を4で除した数
(4)障害支援区分6の「利用者数」を2.5で除した数

夜間支援従事者

夜間及び深夜の時間帯(利用者の生活サイクルに応じ1日の活動終了時刻から開始時間まで(午後10時~午前5時は最低限含む))に支援を行います。必ずしも配置は必要ありませんが、夜間支援従事者として、夜勤者や宿直者を配置した場合には加算報酬があります。

共同生活援助サービスの設備基準

共同生活援助(グループホーム) サービスは生活施設で行なうので、 就労系などの通所サービスとは異なり、 以下にあげるようなさまざまな制限があります(「要確認」は指定権者に確認のこと)。

・住宅地または住宅地と同程度に利用者の家族や地域住民との交流の機 会が確保される地域にあり、かつ、入所施設または病院の敷地外にあ ること
・指定事業所は、1以上の共同生活住居を有すること
・一戸建て、マンションなどで、自己所有・賃貸とも可能 ●一戸建ては用途変更なしでも200㎡未満で可能(要確認)
・マンション・アパートは100㎡未満 (要確認)
・住宅街は建築協定があるか(要確認) など そして、設備要件は下表のようになっています。

・居宅:一つの居室が、7.43㎡以上 (収納スペースを 除く)、単にカーテンやパーテーションなどで 一部屋を二部屋にしたものは認められない(ふ すまで区切られた場合は不可という指定権者が多い)
・食堂:居間と食堂を一つの場所とすることは可能(不可能とする指定権者もある)、テーブルや冷蔵 庫、台所棚など必要
・居間:居間と食堂を一つの場所とすることは可能(不可能とする指定権者もある)
・浴室:トイレの手洗いと洗面所の兼用は不可
・洗面所・トイレ

まとめ

前回に引き続き、共同生活援助(グループホーム)について紹介しました。前回はグループホームの種類等を説明し、今回が運営基準についての説明となります。今回は、グループホームの包括型を中心に説明となりますので、その他の種類の要件は再度指定権者に確認してくださいね。

タイトルとURLをコピーしました