【電子定款とは】~行政書士試験合格者が解説~

会社設立業務

今回の記事も会社設立業務について記事を書いていきます。今回の記事を読んでいただくことで、行政書士を目指し受験されている方はもちろんのこと、行政書士の実務を学びたいと思っている方、開業準備をしている方、会社設立業務に興味がある方の知識が増えてもらえればと思います。今回は会社設立時に必要な定款の作成の仕方として電子定款ついて説明していきたいと思います。

電子定款とは

会社を設立する際には、必ず「定款」を作成しなければならないという規則があります。以前は書面による定款のみ認められていましたが、平成19年からはPDF化された電子定款が認められるようになりました。電子定款は、紙の定款作成時に必要な印紙がかからないため経費節約になるという大きなメリットがあります。

電子定款を作る時に必要なもの

電子定款を作る際には何が必要なのかについて、確認していきましょう。

①電子証明書(マイナンバーカード)を取得していること
②PDF作成ソフトがあること、
③法務省オンラインシステムを利用できること
④電子証明書(マイナンバーカード)を読み込むためのICカードリーダライタがあることなどが必要です。有料のものもあれば無料で準備できるものもあります。

電子定款作成の流れ

電子定款の作成の流れを確認していきましょう。

1.定款を作成

この作業は電子定款も書面での定款もほぼ同じような工程で内容を簡単に作成します。

2.電子定款に変換(PDFファイルに変換)

電子定款に変換する前に、気をつけたいのは、作成した内容が法律的に問題ないかどうかについてです。 定款の内容は、事前に公証役場や法務局で確認してもらう必要があり、ここで間違っていると修正しなければならないため、非常に面倒です。提出後に書き直しということにならないように、必ず定款内容をチェックしておきましょう。
定款の内容に問題ないことが確認できたら、wordやgoogleドキュメントなどで作成されたデータをPDFデータに変換します。電子定款にするためには、清書した定款を電子署名することが可能なPDF作成ソフトを使ってPDFに変換しなくてはなりません。
adobe社が開発した『adobe acrobat』なら、電子定款も作成することが可能ですが、無料で使うことは出来ないため注意が必要です。

3.個人番号カードの取得

電子署名を付けるために必要なのが電子証明書の認証であるため、電子証明書付きのマイナンバーカードが必要不可欠です。 以前までは『住民基本台帳カードが』電子証明書の申請に必要でした。しかし『住民基本台帳カード』はマイナンバー制度の開始に伴い、新規の発行が終了しています。新規に発行する場合はマイナンバーカードの発行が必要となりますので、必ず事前に用意しておくようにしましょう。

4.ICカードリーダライタで電子証明書を読み込む

電子証明書は取得後に、マイナンバーカードのチップに保管されています。 電子証明書を利用するためには、カードのチップを読み込む必要があります。読み込みに必要なのがICカードリーダライタという機器で、マイナンバーカードの読み取りが可能なものと不可能なものが存在します。公的個人認証サービスのポータルサイトに記載があるためチェックしておきましょう。

5.電子署名プラグインソフトで定款(PDF)に署名

書き出した内容を、PDFデータに付け加えるために必要なソフトが法務省のページから無料でダウンロードできます。このソフトを使って電子定款のPDFデータに付け加え、ようやく電子定款が完了します。電子定款の作成には、使わない可能性の高いソフトや機器を購入する費用が発生するため、注意が必要です。

6.電子定款の認証手続き

最後に電子定款の認証手続きを行って全ての作業が完了します。作成した電子定款が正しいということを公的機関で証明する必要があるため、法務省オンライン申請システムで承認作業を行います。
サイトを利用するためには、まずは利用者情報の登録が必要であるため、サイトへの登録をあらかじめ済ませておくといいでしょう。申請後にはサイトから申請用のソフトをダウンロードしておきます。ソフトによって電子定款を送信することもできます。

7.公証役場に行き定款を受け取り設立登記

電子定款の提出が完了したら、直接公証役場まで行って定款のデータを受け取りに行かなければなりません。 この時に公証役場に行く際には電話で予約が必要になってしまう点にも注意しておきましょう。なお、定款を受け取る際には以下の6つの持ち物が必要となるため、あらかじめ準備しておきましょう。

  • USBメモリ
  • 定款をプリントアウトしたもの
  • 発起人の印鑑証明書
  • 電子署名した発起人以外の委任状
  • 認証手数料など(約5万円)
  • 印鑑

まとめ

今回は電子定款の作成の流れについて解説しました。定款の記載事項などは別の記事で紹介しているため是非ご覧ください。

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