皆さんお金を借りる時はどのような手段を思い浮かびますか??銀行にお金を借りる人もいれば、消費者金融を思い浮かぶ方もいると思います。また、家族や友人に一時的にお金を借りれる経験をした方もいると思います。公的貸付という制度といえば学生時代に借りた奨学金を思い浮かべる方もいるでしょう。今回ご紹介する社会福祉協議会での貸付制度は条件はありますが低金利または無利子で借りれる制度であるため、どうしても収入が少なく預貯金が無くなった時には一度検討してみるといいでしょう。
今回の記事を読むことで社会福祉協議会の行う貸付の要件や金額が分かります。そこでご自身の状況を踏まえどのような保障が受けれるのか確認しましょう。
社会福祉協議会が行う貸付制度の種類
社会福祉協議会が行う金銭貸付制度は5種類あります。
①総合支援資金
②福祉資金
③緊急小口資金
④教育支援資金
⑤不動産担保型生活資金
これからそれぞれの対象者や金額についてご紹介します。
総合支援資金
失業や減収により生計の維持が困難になり、生活再建のため継続的な相談支援を必要とし、貸付を行うことにより自立が見込まれる世帯に対し、資金を貸付けることにより、世帯の自立を支援する制度。
総合支援資金の貸付の種類には③つあります。
①生活支援費…生活再建までの間に必要な生活費用
②住宅入居費…敷金、礼金等住宅の賃貸契約を結ぶために必要な費用
③一時生活支援費…家財道具の購入費、滞納している家賃や公共料金、債務整理に伴う費用
貸付限度額
①生活支援費…単身世帯15万円以内/月・複数世帯20万円以内/月 貸付期間終了後6カ月間の据置期間経過後10年以内
②住宅入居費…40万円以内 据置期間6カ月経過後10年以内
③一時生活支援費…60万円以内 据置期間6カ月経過後10年以内
貸付利子
連帯保証人あり…無利子、連帯保証人なし…年1.5%
その他条件
・対象は65歳未満
・離職の日から2年を超えていないこと
・多額の債権はないこと
・破産手続きなど債務整理中ではないこと
福祉資金
低所得者、障がい者または高齢者の世帯に対し、資金の貸付と必要な相談支援を行うことにより、その経済的自立および生活意欲の助長促進並びに在宅福祉および社会参加の促進を図り、安定した生活を送れるようにする制度。福祉費と呼ばれます。主な貸付の目的は。。。
①生業を営むために必要な経費
②技能習得に必要な経費およびその期間生計を維持する為にひつような経費
③住宅の増改築、補修等及び公営住宅の譲り受けに必要な経費
④福祉用具等に必要な経費
⑤障害者用の自動車の購入に必要な経費
⑥中国残留邦人等にかかる国民年金保険料の追納に必要な経費
⑦負傷または疾病の療養に必要な経費およびその療養期間中の生計を維持するために必要となる経費
⑧介護サービス、障害サービス等を受けるのに必要な経費およびそのサービスを受ける期間中の生計を維持するために必要な経費
⑨災害を受けたとこにより臨時に必要となる経費
⓾冠婚葬祭に必要な経費
⑪住居の移転等、給排水設備等の設置に必要な経費
⑫就職、技術習得等の支度に必要な経費
⑬その他の日常生活上一時的に必要な経費…「対象となるもの:エアコン、冷蔵庫、給湯器、洗濯機、炊飯器、電子レンジ、コンロ、エアコン等」「対象とならないもの:布団、衣類、テレビ、家具類等」
貸付限度額
⓵460万円 据置期間6カ月経過後、20年以内
②130万円(6か月以内)220万円(1年以内)400万円(2年以内)580万円(3年以内)習得後据置期間6カ月経過後、8年以内
③250万円 据置期間6カ月経過後、7年以内
④170万円 据置期間6カ月経過後、8年以内
⑤250万円 据置期間6カ月経過後、8年以内
⑥513.6万円 据置期間6カ月経過後、10年以内
⑦170万円 据置期間6カ月経過後、5年以内
⑧170万円 据置期間6カ月経過後、5年以内
⑨150万円 据置期間6カ月経過後、7年以内
⑩50万円 据置期間6カ月経過後、3年以内
⑪50万円 据置期間6カ月経過後、3年以内
⑫50万円 据置期間6カ月経過後、3年以内
⑬50万円 据置期間6カ月経過後、3年以内
貸付利子
連帯保証人あり…無利子、連帯保証人なし…年1.5%
その他の条件
・低所得者・高齢者世帯・障がい者世帯が対象
・自己破産手続き中または免責決定後5年経過していないこと
・借金の返済または建て替え資金に充てる目的は貸付対象外
種類が多く細かな要件があるため、問合せして確認してみましょう。
緊急小口資金
生活困窮世帯が緊急かつ一時的に生計の維持が困難になった場合に、その必要な費用について少額の貸付を行い、生活困窮者自立支援事業等との連携により、当面の課題の解決と世帯の自立を支援する制度です。
新型コロナウイルス感染感染拡大時には貸付上限を増やし対応を行っていました。また、新型コロナウイルス感染拡大時の貸付には返済免除もありました。(令和4年9月30日に終了し通常の制度運用に戻っています。)
貸付限度額
10万円以内
貸付利子
無利子 据置期間2ヵ月経過後12カ月以内
その他の条件
・一時的な生活困窮状態であること
・貸付により生活の改善・世帯の経済的自立が見込めること
教育支援資金
生活保護世帯、府市町村民税が非課税などの低所得世帯を対象に学校教育法に規定する高校、短大、大学、高等専門学校に就学するのに必要な費用を貸し付ける制度です。奨学金などを借りれる場合は、そちらが優先になります。
⓵教育支援費…低所得世帯に属する者が高等学校、大学または高等専門学校に就学するのに必要な経費
②就学支度費…低所得世帯に属する者が高等学校、大学または高等専門学校への入学に際し必要な経費
貸付限度額
⓵教育支援費(例:授業料、通学費、学用品、施設整備費、学生寮費など)
高校:3.5万円以内/月
高等専門学校:6万円以内/月
短大:6万円以内/月
大学:6.5万円以内/月
②就学支度費 一律50万円以内(入学金、入会金、制服や靴、かばん、教科書代)
貸付利子
無利子 卒業後6カ月以内経過後、修業年額の3倍以内(例えば3年制の場合は9年以内です。)
その他の条件
・育英会、日本学生支援機構の貸付を申請していること
・入学先が確定している
・自己破産していないこと(免責決定していれば可能)
その他の教育資金貸付
⓵国の教育ローン
国の教育ローンである教育一般貸付と、銀行などの金融機関が提供する民間ローンがありますが、今回は教育一般貸付の特徴をご紹介します。
融資先:日本政策金融公庫 対象校:高等学校、大学または高等専門学校(中学校以下は対象外)
融資限度:350万円以内 返済期間:18年以内(在学中は利息のみ返済可能)
金利:固定金利 資金使途:入学金、授業料、受験費用、家賃、通学費、国民年金保険料など
②奨学金制度
1貸与型…大学や自治体などに様々な奨学金制度があります。その中で日本学生支援機構が奨学金の代表です。返済義務のある第一種奨学金と第二種奨学金があります。
第一種奨学金 利息:無利息 返済期間:卒業後最長20年 対象者は学力基準や家計基準があり選考基準が厳しい
第二種奨学金 利息:有利息 返済期間:卒業後最長20年 対象者は第一種奨学金より緩やかな基準
2給付型 返済義務のない給付型の奨学金制度もあります。日本学生支援機構の制度を例にすると、その採用基準は「学力基準」「家計基準」「資産基準」の3つがあります。なお返済型の奨学金と併用可能です。
特別支援学校で利用できる制度
特別支援教育就学奨励費は、障害のある子どもの教育にかかわる費用を国及び地方自治体が補助する制度です。家庭の経済状況に応じて、保護者に対し補助金が支給されます。
対象者
障害を持つ子どもの保護者が対象です。特別支援学校や特別支援学級に通う子どもだけでなく、通級制度を利用して通常の学級で学ぶ子どもも対象となっています。
対象費用
鞄や制服、通学費、給食費、教科書費、学用品費、修学旅行費、寄宿舎日用品費、寝具費、寄宿舎からの帰省費などがあります。各費目の支給額は、限度額が決まっているものや実費をもとに計算されるものがあります。年度や自治体により変わるので、学校や自治体に確認してみましょう。
不動産担保型生活資金
自宅を担保に生活資金を貸付し、自らの持ち家に継続して住み続け、借入人が死亡したときに担保となっていた不動産を処分し、貸付金を返済する仕組みです。高齢者が対象の貸付制度です。不動産が処分されるため管理者のいない空き家問題の対策にもなります。また、不動産に対する相続問題も防ぐことになります。
貸付限度額
30万円以内/月
貸付利子
年3%、又は長期プライムレートのいずれか低い利率
その他の条件
・借入申込者及び配偶者が65歳以上の低所得者であること
・概ね1,000円以上の資産価値(土地建物合わせて)あること
・居住用不動産に賃借権、抵当権が設定されていないこと
・同居人は配偶者及び本人又は配偶者の両親に限られる。
・推定相続人の中から連帯保証人が必要
注意点
・不動産価格は下がる可能性があります。天災事変による建物の倒壊・損傷や地盤のゆるみ、周辺環境の変化による価格の下落など予期せぬ下落も考えられます。必要と判断した場合に不動産の再評価をします。
・貸付元本・利子が貸付限度額を超える借り入れはできません。貸付元利金が貸付限度額に達した後、借受人が死亡した場合であって、配偶者が死亡するまでの間は、配偶者の申請に基づき貸付元利金の償還を猶予されます。
・借受者の死亡を前提にしたのがリバースモーゲージですが、その訪れは突然起こる場合もあります。引き続き、承継者として配偶者の方が貸付を希望される場合は、改めての審査を受けることになります。
リースバックとは?
リースバックとは、民間の銀行・不動産業者等に自宅を売却することで、まとまった資金を手に入れられるサービスです。リースバックでは、不動産売却と同時に賃貸借契約を締結するため、売却後も同じ家にそのまま住み続けることができます。お金の使用用途は自由ですが、所有権が移り賃借人になるため、家賃の不払い等何かあった時に退去命令等が発生することがあり注意が必要です。
日常生活自立支援事業
「日常生活自立支援事業」とは、高齢や障害などによって、一人では日常生活に不安のある方が、地域で安心して自立した生活が送れるよう、利用者との契約に基づき、福祉サービスの利用援助などを行うものです。
サービスの種類
⓵福祉サービスの利用援助…福祉サービスについての提供・助言、福祉サービスを利用する時または辞める時の手続き、福祉サービスの利用料の支払い手続き
②日常の金銭管理サービス…年金や手当の受領手続き、病院への医療費の支払い、税金や保険料・家賃などの支払い手続き、預貯金の引き出し解約預け入れなどの手続き
③通帳・証書等の預かりサービス…預貯金通帳、年金や生命保険証書、実印、銀行員の預かり
契約の流れ
対象者は、軽い認知症や知的障害、精神障害などによって判断能力が不十分な方で、日常生活を営むのに必要なサービスを利用するための情報の入手や理解、判断、意思表示に関して、本人のみでは適切に行うことが難しい方です。ここには、認知症の診断を受けていない方や障害者手帳を取得していない方も含まれます。ただ、判断能力が不十分といっても、この事業の契約内容を理解できる程度の能力は必要とされています。
⓵相談受付(社会福祉協議会に連絡する)⇒②調査・調整(職員が自宅へ訪問)⇒③支援計画の作成⇒④契約といった流れです。
利用料金は社会福祉協議会によって違うため、お問い合わせください。
成年後見人との違いは?
援助の内容
日常生活自立支援事業が、福祉サービスの利用援助や日常的な金銭等の管理に限定しているのに対して、成年後見制度は、日常的な金銭に留まらないすべての財産管理や身上監護(福祉施設の入退所など生活全般の支援等)に関する契約等の法律行為を援助できます。また、日用品の購入や婚姻以外は取消権があります。
利用の意思
日常生活自立支援事業の場合、本人の意思でサービスを終了できるのに対し、成年後見制度(法定後見)の場合、判断能力が回復しない限り、利用者が亡くなるまで任意にやめることは原則できません。
費用
費用費用も、日常生活自立支援事業は社会福祉協議会によって利用料が決まっています。
しかし、成年後見人制度では、本人の財産、後見人の業務内容によって家庭裁判所が後見人の報酬を決定します。
日常生活支援事業を利用しても判断能力が低下すると成年後見人に変更することがあります。
一部の社会福祉協議会では成年後見制度に関する相談、制度の仕組みや利用するための手続きに関する相談、申立に関するアドバイスなどを行っていることもあるそうです。
まとめ
低所得で本当にお金に困った時に知っていると助かる制度ばかりですね。
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