今回の記事も会社設立業務について記事を書いていきます。今回の記事を読んでいただくことで、行政書士を目指し受験されている方はもちろんのこと、行政書士の実務を学びたいと思っている方、開業準備をしている方、会社設立業務に興味がある方の知識が増えてもらえればと思います。今回もNPO法人についての記事を書いていきます。NPO法人の設立する流れを整理していきます。
NPO法人設立の流れ
NPO法人を立ち上げる際の流れを確認していきましょう。
「設立発起人会」を開催する
まず、法人の設立メンバー(=発起人)が集まり、設立の趣旨、 NPO法人の活動目的、そして役員や会費など、どのような法人に するのかを協議し、「設立趣旨書」「定款」「事業計画」「収支計画」 などの原案を作成します。
具体的に協議する内容は、以下のとおりです。
●社員(正会員)を10名以上集める
●役員(理事・監事)のメドをつけておく
●設立代表者を決定する
●法人名を決定する
●法人設立の目的をまとめておく
●事業内容・活動内容を決定する
●主たる事務所(従たる事務所)の場所を決定する
●会員の種類を考え、入会金・会費の額を決定する
●事業年度を決定する
●法人の運営方法を決定しておく
●活動を行なうためにどれぐらいの資金が必要か計算する
「設立総会」を開催する
発起人会でどのような法人にするかが決まったら、設立当初の社員全員で設立総会を開催して法人設立の意思決定を行ない、発起人会で作成した定款等について決議します。任意団体からNPO法人化する場合には、任意団体の財産等を新法人に承継することも確認しておきます。
申請書類を作成する
設立総会の決議が終わったら、役員の就任承諾書や宣誓書など、 申請に必要な正式書類を作成します。必要な書類については後述し ます。
設立認証の申請を行なう
必要書類を作成したら、所轄庁へ設立認証申請書類を提出します。 「認証」とは、ある行為が法令に適合しているのかどうかということを審査し確認をして、その判断結果を表示する行為のことをいいます。
複数の都道府県に事務所を置く法人の所轄庁は、従来は内閣府でしたが、改正後は主たる事務所のある都道府県(または政令指定都市)に変わりました。
提出書類に不備があるときは、その不備が所轄庁の条例で定める 軽微なもの、たとえば客観的に明白な誤字・脱字等である場合に限 り、補正をすることができます(ただし、申請書を受理した日から 1か月に満たない場合に限ります)。
もし、認証されず不認証になってしまった場合でも、不認証通知には不認証の理由が記載されているので、その部分を直せば、再申請は可能です。しかし、再申請する場合には、最初から審査のやり直しになるの で、初めに申請したときと同じくらいの日数がかかってしまいます。 認証申請に必要な書類は、以下のとおりです。
①設立認証申請書
②定款
③役員名簿(役員の氏名・住所または居所・各役員についての 報酬の有無を記載した名簿)
④各役員の就任承諾および誓約書の謄本
⑤各役員の住所または居所を証する書面(住民票の写し、外国 人登録原票記載事項証明書など)
⑥社員のうち10人以上の者の名簿
⑦確認書(宗教・政治・選挙活動を目的とする団体、暴力団等 の統制下にある団体でないことの確認書)
⑧設立趣旨書
⑨設立についての意思の決定を証する議事録
⑩設立当初の事業年度および翌事業年度の事業計画書
⑪設立当初の事業年度および翌事業年度の活動予算書
公告・縦覧と所轄庁による審査を受ける
申請書類のうち一部(前述書類の②③8⑩⑪)は、2か月間、一 般に縦覧(提出された書類を一般に公開すること)されます。 そして縦覧後、2か月以内に、所轄庁による審査が行なわれ、認証・不認証が決定されます。
登記の申請を行なう
NPO法人は、登記して初めて法人として成立します。認証書が到達した日から2週間以内に、事務所の所在地を管轄する法務局に行って、登記手続きを行ないます。なお、株式会社や一般社団法人等と同様に、登記を申請した日が NPO法人の設立日になります。
各種の届出書を提出する
主たる事務所の所在地で設立登記が完了したら、遅滞なく所轄庁に「設立登記完了届」を提出しなければなりません。なお、従たる事務所がある場合は、主たる事務所での登記日後2 週間以内に、従たる事務所の所在地での設立登記を完了させる必要があります。
まとめ
今回はNPO法人を設立する流れを説明しました。大まかな流れをイメージしてもらえたらと思います。
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