【NPO法人:定款作成】~行政書士試験合格者が解説~

会社設立業務

今回の記事も会社設立業務について記事を書いていきます。今回の記事を読んでいただくことで、行政書士を目指し受験されている方はもちろんのこと、行政書士の実務を学びたいと思っている方、開業準備をしている方、会社設立業務に興味がある方の知識が増えてもらえればと思います。今回もNPO法人についての記事を書いていきます。NPO法人の設立する流れの中で必要となる定款について説明していきます。

定款の作成方法について

NPO法人の目的・事業・会員・役員・総会・理事会などの項目を自分たちの法人に合わせて作成します。

定款に記載する事項

定款には必ず記載しなくてはならない絶対的記載事項、記載しなくてはならない事項や定款に記載することによって法が定める要件を変更することができる事項である相対的記載事項、団体の運営にとって必要な規定を法令に違反しない限り、自由に書き込むことができる任意的記載事項があります。

絶対的記載事項

定款には必ず記載しなくてはならない事項は次の通りです。

1.目的
主要な事業、活動で利益を受ける人、活動の最終目的を記載して、特定非営利活動を行う法人であることを明確にします
2.名称
NPO法人の名前を記載してください(法律で制限されている文言は使用できません)
3.特定非営利活動の種類及び特定非営利活動に係る事業の種類
活動の種類について詳細に記載します。将来的に活動する予定があれば記載しておけますが、事業報告で活動内容を報告するので、ある程度、将来的に行うことが決まっている事を記載してください。
4.主たる事務所及びその他の事務所の所在地
主たる事務所とその他の事務所を記載します。株式会社では、最小行政区画まで記載しますがNPO法人では、住所をすべて記載することも多いです。
5.社員の資格の得喪に関する事項
社員の資格の名称は法人で決めた名称で大丈夫ですが、正会員は、入会に制限を付けられませんので注意してください。
6.役員に関する事項
理事、監事の選任方法、任期、報酬について記載します。
7.会議に関する事項
社員総会を実施する場合について記載します。通常総会は最低でも年1回以上開催すると記載してください。
8.資産に関する事項
資産の構成などを決めてください。
9.会計に関する事項
会計の原則と区分などを決めます
10.事業年度
事業年度を記載します。事業年度が終わると事業報告書を所轄庁に提出するため、設立する時から、縦覧期間、審査機関を逆算して、事業年度を決めたほうが良いかと思います。
11.「その他の事業」を行う場合には、その種類及び当該「その他の事業」に関する事項
特定非営利活動以外の事業を行うときは記載してください。
12.解散に関する事項
解散するときの、残余財産の扱いについて記載してください。社員で分配することはできません。
13.定款の変更に関する事項
所轄庁の認証を必要とする定款の変更についてを記載してください。NPO法人では定款を変更すると所轄庁の認証が必要になるものもあり、登記事項に変更があれば登記も変更しなくてはなりません。
14.公告の方法
公告とは、官報などに記載して、不特定多数の人間が見れるようにするものです。
15.設立当初の役員

相対的記載事項

定款に記載することによって法が定める要件を変更することができる事項です。

1.理事の職務
理事は、一人ひとりが法人を代表できますが、定款で定めることでその代表権を制限できます。
2.臨時総会開催の請求に必要な社員数
法律では、社員総数の1/5以上とされていますが、定款で定めることで増減できます。
3.定款の変更に関する社員総会の議決
法律では、社員総数の1/2以上の出席と、その出席者の3/4の多数をもって議決しますが、定款で定めることで増減できます。
4.解散の決議に関する社員総会の議決
法律では、社員総数の3/4以上とされていますが、定款で定めることで増減できます。
5.合併の決議に関する社員総会の議決
法律では、社員総数の3/4以上とされていますが、定款で定めることで増減できます。
6.総会における議決事項
事前に通知されるものとされていますが、定款で定めることで例外規定をおくことができます。
7.総会に関しての書面表決権及び代理人出席
法では、書面又は代理人出席による表決が認められているほか、定款で定めることにより、電子メールなどの電磁的方法で表決することもできます。
8.解散の事由
社員総会の決議、特定非営利活動に係る事業の成功の不能、社員の欠亡、合併、破産手続開始の決定、所轄庁による認証の取消し以外にも定款で定めることで、解散の事由を規定することができます。
9.残余財産の帰属先
定款に、特定非営利活動法人、公益社団法人などを帰属先として定めることができます。定款に定めのない場合は、所轄庁の認証を得て、国又は地方公共団体に譲渡できます。それでも処分されない財産は国庫に帰属します。

任意的記載事項

定款は、私的な自治のた定款は、私的な自治のための文章でもありますから、団体の運営にとって必要な規定を法令に違反しない限り、自由に書き込むことができます。

定款はいつまでに作成しなくてはならないのか

設立についての意思決定を行います。設立総会は必ず開かなければなりません。
設立総会を開くまでには作成する必要があり、設立総会で役員の選任、定款、事業計画、予算などの重要事項について議決します。

まとめ

今回はNPO法人設立をイメージした定款についてご紹介しました。参考になれば幸いです。

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