今回の記事も会社設立業務について記事を書いていきます。今回の記事を読んでいただくことで、行政書士を目指し受験されている方はもちろんのこと、行政書士の実務を学びたいと思っている方、開業準備をしている方、会社設立業務に興味がある方の知識が増えてもらえればと思います。今回もNPO法人についての記事を書いていきます。NPO法人の中でも認定NPO法人があることをご存じでしょうか。今回は認定NPO法人について説明します。
認定NPO法人とは
NPO法人のうち、所轄庁から一定の要件を満たしていると「認定」された団体が「認定NPO法人」となります。認定特定非営利活動法人制度(認定NPO法人制度)は、NPO法人への寄附を促すことにより、NPO法人の活動を支援するために税制上の優遇措置として設けられた制度です。
基本NPO法人では法人が寄付した際の限られた枠でしか税制優遇は受けられませんが、認定NPO法人は個人の所得税・住民税が控除の対象となることに加え、法人に認められる枠も大きくなります。
認定NPO法人になるための要件
認定NPO法人になるための要件は以下の通りです。
- パブリック・サポート・テスト (PST) に適合すること
- 事業活動において、共益的な活動の占める割合が、50%未満であること
- 運営組織及び経理が適切であること
- 事業活動の内容が適切であること
- 情報公開を適切に行っていること
- 事業報告書等を所轄庁に提出していること
- 法令違反、不正の行為、公益に反する事実がないこと
- 設立の日から1年を超える期間が経過していること(申請書を提出した日を含む事業年度の初日において、その設立の日以後1年を超える期間が経過)
- 欠格事由に該当していないこと
認定NPO法人の税制優遇
認定NPO法人に対する寄付には、以下のような税制優遇があります。
個人の寄付
認定NPO法人に対して個人が寄付を行うと、所得税と住民税で寄付金控除を受けられます。
法人の寄付
法人が認定NPO法人に寄付を行うと、一般寄附金の損金算入限度額に加え、別枠の損金算入限度額が設けられており、その合計額の範囲内で損金算入が認められます。
相続人の寄付
相続(遺贈)により財産を取得した者が、その取得した財産を相続税の申告期限までに認定NPO法人に対し、その認定NPO法人が行う特定非営利活動に係る事業に関連する寄附をした場合には、その寄附をした財産の価額は相続又は遺贈に係る相続税の課税価格の計算の基礎に算入されません。
認定NPO法人のメリット
認定NPO法人になることで得られるメリットはいくつかあります。
税制優遇
認定NPO法人に対する寄付に対して税制優遇が受けられます。これにより、寄付金が集めやすくなります。
社内体制の整備
認定NPO法人を目指すことで、法令などを順守することが必要となります。また、適正な組織運営を行っていることも重要なポイントになります。
社会的信頼性の向上
認定NPO法人として認められることで、社会的な信頼性が高まります。
信頼性の向上
認定NPO法人として認められることで、その組織の信頼性が向上します。認定NPO法人はその厳しい基準を満たしており、一定水準の信頼性が確保されていることを示します。これは、認定NPO法人に対する寄付者や支援者の信頼を高め、組織の運営体制を強化することにつながります。また、認定NPO法人は情報開示の義務があるため、その透明性も信頼性の向上に寄与します。
申請方法
認定申請の手続きと注意点は以下の通りです。
- 申請書類の提出から「認定」までおよそ6ヶ月かかることが多いです。
- 申請前には、まず所轄庁となっている各都道府県又は指定都市の担当窓口に相談に行くことが推奨されています。
- 認定又は特例認定を受けるためには、申請書を提出した日を含む事業年度の初日において、その設立の日以後1年を超える期間が経過していることが基準とされています。
- 所轄庁の認定等の審査に当たって提出する書類は原則、認定特定非営利活動法人としての認定を受けるための申請書(認定申請書)、認定申請時の添付書類一覧表兼チェック表、認定要件チェック表などがあります。
- 認定の有効期間は、所轄庁による認定の日から起算して5年となっています。認定の有効期間の満了後、引き続き認定NPO法人として活動を行おうとする認定NPO法人は、有効期間の満了の日の6か月前から3か月前までの間に、所轄庁の条例で定めるところにより、有効期間の更新の申請書を提出し、有効期間の更新を受けることができます。
まとめ
今回は認定NPO法人についてご紹介しました。基準が厳しくなる分、受けれるメリットは大きくなっています。
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