今回の記事も会社設立業務について記事を書いていきます。今回の記事を読んでいただくことで、行政書士を目指し受験されている方はもちろんのこと、行政書士の実務を学びたいと思っている方、開業準備をしている方、会社設立業務に興味がある方の知識が増えてもらえればと思います。今回もNPO法人についての記事を書いていきます。NPO法人の設立する流れの中で必要所轄庁への認証申請について説明していきます。なお、前回の記事の続きとなります。この記事を読むことでNPO法人設立手続きのイメージをしてもらえればと思います。
所轄庁へ手続き
NPO法人設立のために所轄庁へ手続きが必要になります。
申請する所轄庁の確認
申請先は、原則、NPO法人の主たる事務所を管轄する都道府県庁となります。ただし、1つの政令指定都市のみに事務所を置く場合には、政令指定都市が所轄庁となります。また、地域によってNPO法施行事務の一部を、一部の市町に権限移譲している場合があります。その場合は、それぞれの市役所(役場)が窓口となります。
必要な書類
NPO法人を設立する際の認証申請に必要となる書類の必要部数を確認しましょう。
前回の記事内容
①設立認証申請書:1部
②定款:2部
③役員名簿及び役員のうち報酬を受ける者の名簿:2部
④各役員の就任承諾書及び宣誓書の写し:1部
⑤役員の住所及び居所を証する書面(住民票):1部
⑥社員のうち10名以上の者の名簿:1部
⑦確認書:1部
今回の記事内容
⑧設立趣旨書:2部
⑨設立認証申請書についての意思決定を証する議事録の写し:1部
⑩設立当初の事業年度および翌事業年度の事業計画書:2部
⑪設立当初の事業年度および翌事業年度の活動予算書:2部
※申請する所轄庁により異なることがあります。
⑧設立趣旨書
「設立趣旨書」には、法人を設立しようとするに至った経緯、設立目的、事業内容、法人格が必要な理由などについて具体的に記載します。所轄庁によって書式は異なるので、設立趣旨書作成の際には必ず所轄庁から「申請の手引き」を取り寄せて確認しながら作成しましょう。
設立趣旨書を作成するときは、「なぜ法人化しなければならないのか」「なぜNPO法人でなくてはいけないのか」をはっきりと伝えられることが重要です。例えば、現代社会の現状・背景、問題・原因やそれに対する社会的使命、そのためにどういった活動をしていくのか、 これまでの活動状況(活動実績がある場合)、NPO法人格が必要となった理由、今後の活動への意思表明などを記載します。
⑨設立についての意思の決定を証する議事録の写し
「設立についての意思の決定を証する議事録の写し」 とは、NP0法人設立総会の議事の経過と議決を証する書類のことをいいます。設立総会では、以下のことについて審議します。
●議長の選出
●設立趣旨
●NPO法2条2項2号および12条1項3号に該当することの確認
●定款
●設立当初の事業計画および収支予算(2年間分)
●設立代表者の選任と所轄庁に対する設立認証手続きにかかる一切 の権限委譲
●議事録署名人の選任
●定款で事務所の所在地を最小行政区画までとしている場合は地番 までの決定
⑩設立当初の事業年度及び翌事業年度の事業計画書
「事業計画書」には、そのNPO法人が定めた事業期間中に実施する事業の計画について記載します。事業計画書は、設立初年度と翌年の分を作成して提出します。
【事業実施の方針】
定款に定めた目的を達成するために、 年度別の方針を簡潔に記載します。 各事業を実施するうえでの年度別の方針。
【 事業の実施に関する事項】
●事業名・・・定款に記載されている事業名をそのまま記載。
●事業内容・・・すべての事業について内容を具体的に記載。
●実施予定日時……通年の場合は通年である旨、 期間を区切る場合はおおむねの時期を記載。
●実施予定場所…特定している場合はその場所、未定の場合はおおよその地域を記載。
●従事者の予定人数・・・従事者の予定人数または延べ人数を記載。
●受益対象者の範囲及び予定人数・・・具体的な受益対象者および予定人数を記載。
●事業費の予定額…活動予算書に記載されている支出金額と一致する金額を記載。
⑪設立当初の事業年度及び翌事業年度の活動予算書
活動にかかる費用の内訳と金額の予定を示した書面です。 設立時には当初年度及び翌事業年度分の活動予算書の提出が求められ、申請書が受理された日から2か月間縦覧されます。
まとめ
今回も前回に引き続き、NPO法人設立のための所轄庁へ手続きに必要となる書類をまとめました。法人化するためには理由をしっかりと伝えれるようにしておく必要があります。また、法人であるため会計についてもきっちりと出来るようにしておかなければなりません。
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