今回の記事も行政書士のメイン業務である許認可についていくつかご紹介していきたいと思います。今回の記事を読んでいただくことで、行政書士を目指し受験されている方はもちろんのこと、行政書士の実務を学びたいと思っている方、開業準備をしている方、会社設立業務に興味がある方の知識が増えてもらえればと思います。
行政書士の行う許認可業務は多岐にわたり存在し、取り扱う書類の数も1万種類あると言われています。許認可業務の数が多いため、いくつか絞ってのご紹介となります。今回は産廃業許可についての記事を書いていきたいと思います。今回の記事では産廃廃棄処理といっても収集業務と処分業務の2種追があります。今回はその種類についてをご紹介します。
産業廃棄物処理業とは
産業廃棄物処理業は、他人から委託を受けて産業廃棄物を運搬、保管、処分(焼却、破砕、埋立など)を行う事業です。産業廃棄物処理業は「産業廃棄物収集運搬業」と「産業廃棄物処分業」に分かれています。収集運搬業の許可を持っている方も、処分業を行いたい場合は処分業の許可を取る必要があります。
また、「産業廃棄物処理業」と「特別管理産業廃棄物処理業」は別種類の許可になっています。
産業廃棄物処理業の許可の種類
産業廃棄物処理業の許可を受けるためには、管轄する都道府県・政令市に許可申請を出す必要があります。許可申請の種類は、それぞれ「新規許可申請」「更新許可申請」「変更許可申請」があります。
また、申請の際に所定の手数料が必要です。
新規許可:申請管轄自治体で初めて産業廃棄物処理を業として行おうとするとき管轄自治体で初めて産業廃棄物処理を業として行おうとするとき
更新許可:申請許可の有効期間(5年)ごとの許可更新を行うとき※「優良産廃処理業者認定制度」の適用を受けた場合は有効期間は7年
変更許可申請:許可取得後に、産業廃棄物の種類の追加など、事業の範囲を変更するとき
産業廃棄物処理の許可を受けるために
許認可を受けるためには講習会の受講や施設設備などが必要となります。以下は、特別管理産業廃棄物を除く産業廃棄物の産業廃棄物処分業の許可についてご紹介します。
講習会の受講
産業廃棄物処分業を行うにあたり、公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センターによる処理業講習会を受講する必要があります。法人の代表者や役員、事業主が講習会を受講し、テストの合格することで終了証を取得できます。この終了証が、許可申請の際に必要となります。
施設・設備の基準
申請に関わる施設が、取り扱う産業廃棄物の性質に適した処理が可能で安定的に維持管理が可能であること、申請者がその施設を継続して使用できる権限を有していることが基準となります。
経理的基礎
産業廃棄物処分業を事業として的確に継続管理できる経理的基礎を有していることが求められます。資金の調達元や納税証明書の提出など、必要に応じて運営資金に関わる書類の提出が求められます。
産業廃棄物処理業の許可申請で注意すべき欠格要件
産業廃棄物処理業の許可申請の際に、「欠格要件」といって、これに該当すると許可が認められない、もしくは取得後に取り消されてしまう項目が廃棄物処理法第7条第5項第4号に定められています。
欠格要件とは、産業廃棄物処理業を行う人(法人含む)が適正にその事業を行うことができるか、を判断するための条件です。
対象となるのは以下のとおりです。
・個人事業主
・法人(会社自体)
・法人役員(代表取締役、取締役、執行役員)
・5%以上の株主、相談役、顧問
・政令使用人
また、欠格要件については、以下のとおりです。
1、成年被後見人・被保佐人・破産者で復権を得ない者
2、禁固以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
3、次に掲げる法令等に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
・廃棄物処理法
・浄化槽法
・大気汚染防止法
・騒音規制法
・海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律
・水質汚濁防止法
・悪臭防止法
・振動規制法
・特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律
・ダイオキシン類対策特別措置法
・ポリ塩化ビニフェル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法
次に掲げる法律に違反した者
・暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(第31条第7項を除く。)
次に掲げる罪を犯し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
・刑法第204条(傷害)
・刑法第206条(現場助勢)
・刑法第208条(暴行)
・刑法第208条の2(凶器準備集合及び結集)
・刑法第222条(脅迫)
・刑法第247条(背任)
・暴力行為等処罰に関する法律
4、次に掲げる許可を取り消され、その取消しの日から5年を経過しない者
・一般廃棄物収集運搬・処分業の許可の取消し
・(特別管理)産業廃棄物収集運搬・処分業の許可の取消し
・浄化槽法第41条第2項による許可の取消し
5、法人で暴力団員などがその事業活動を支配するもの
6、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律に規定する暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者
7、その業務に関し不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者
まとめ
今回の記事では、産業廃棄物処理業の許可の種類に関する内容を取り上げました。収集運搬業と処分業、産業廃棄物と特別管理産業廃棄物、それぞれ許可が必要になります。また、産廃許可の種類を調べると様々な記事が出てきますので、今回の記事は参考程度にしてくださいね。
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