【飲食店営業許可について】~行政書士試験合格者が解説~

行政書士業務

今回の記事も行政書士のメイン業務である許認可についていくつかご紹介していきたいと思います。今回の記事を読んでいただくことで、行政書士を目指し受験されている方はもちろんのこと、行政書士の実務を学びたいと思っている方、開業準備をしている方、会社設立業務に興味がある方の知識が増えてもらえればと思います。
行政書士の行う許認可業務は多岐にわたり存在し、取り扱う書類の数も1万種類あると言われています。許認可業務の数が多いため、いくつか絞ってのご紹介となります。今回は飲食店を営業する際にひつようとなる飲食店営業許可についての記事を書いていきたいと思います。

飲食店営業許可とは

飲食店営業許可証は、飲食を提供するお店の開業時に必要となる許可証です。飲食店の営業許可は業務形態や提供する料理の内容によって申請内容が異なります。「飲食店営業」は、一般的な食堂や料理店、旅館や仕出し屋、弁当屋、カフェといったお店です。食品を調理して、または設備を設けてお客様に飲食させる形態を指します。
深夜0時から6時にお酒をメインにして営業するのであれば、「飲食店営業許可」だけでなく「深夜酒類提供飲食店営業開始届」の提出が求められます。開店予定日の10日前に警察署に届けなければいけないので、それより前に飲食店営業許可を取得が必要になります。
その他「喫茶店営業」は、酒類以外の飲物または茶菓を客に飲食させる営業で、すでに製造したものを提供するだけです。「喫茶店営業」ではアルコールや調理が必要な飲食品は提供できません。

無許可営業をしてしまうと

無許可で営業を行った場合、「2年以下の懲役または200万円以下の罰金」というペナルティが課されますので要注意。さらに罰則を受けた場合は、その後の2年間は営業許可の取得が出来なくなります。飲食店を営業するためには、飲食店の営業許可を取得しなければいけません。
また、営業許可を取得するためには、管轄の保健所に申請の手続きをして検査に合格する必要があります。
営業許可を取得するために求められる資格は以下の通りです。

飲食店営業許可に必要な資格

食品衛生責任者を置く

飲食店の営業許可を得るために、食品衛生責任者の設置が必須です。食品衛生責任者とは食品を扱う店舗で、食品の衛生管理を行う人のことを食品衛生責任者といいます。
1店舗につき1人の食品衛生責任者を置く必要があり、1人が複数店舗をかけ持つことはできません
食品衛生責任者になれるのは、調理師や製菓衛生士、栄養士などの資格保持者です。調理師などの資格を持っていなくても、食品衛生責任者要請講習会を受講すれば食品衛生責任者の資格は取得できます。
食品衛生責任者要請講習会を受講するには、各都道府県の食品衛生協会のホームページを確認してください。

防火管理者を置く(収容人数30名以上の飲食店の場合)

防火管理者は、多くの人が出入りする建物で火災による被害が起きないよう、設置が義務付けられています。防火管理者はすべての飲食店で設置する必要はありません。客席数が30人以上の場合に選任が求められます。事前に消防計画を作成し、消防署への提出が必要です。
防火管理者の資格は、防火管理講習を受講して取得できます。都道府県知事、市町村の消防署、日本防火防災協会のいずれかで実施しているのでスケジュールを確認してください。

深夜酒類提供飲食店営業開始届を申請する(該当する飲食店のみ)

深夜0時以降にアルコールを提供するのであれば、事前に深夜酒類提供飲食店営業開始届を提出します。
「住居地域」では営業できないので、店舗を選ぶ時には注意してください。
深夜酒類提供飲食店営業開始届は、飲食店営業許可を受けてから警察署に提出します。提出時には、住民票や店舗の図面、定款や登記事項証明書など書類が求められます。必ず管轄の警察署の生活安全課に必要な書類を事前確認してから申請してください。書類を提出して受理されてから、許可がおりるまでに10日程度がかかるので余裕をもって手続きしておきましょう。

飲食店営業許可の手続き

飲食店の営業許可は、以下の5ステップで取得します。

①事前相談

②営業許可申請

③施設検査

④営業許可書の交付

➄営業開始

更新手続きは有効期限の1カ月前までに行う

営業許可の有効期間は各都道府県によって違いますが、5年~8年で設定している自治体が大多数です。有効期間の査定は、立入検査の際に行われます。施設の設備の耐久性などが判断基準となっていて、耐久性が高い、食品衛生上好ましいと判断されれば、より長期の有効期間が付与されます。
各自治体が独自に規定した判断基準もあるので、有効期間が気になる時には事前相談で質問してください。
有効期間は、飲食店営業許可の下部に記載されています。有効期間の1ヵ月前までに手続きをしておくようにしてください。保健所の窓口に営業許可証と更新手数料を持参して、手続きをおこないます。施設の検査を受けて合格すると、新しい営業許可証が届きます。

まとめ

今回は飲食店営業許可の概要についてご紹介しました。次回は詳しい手続き方法についてご紹介します。

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