今回の記事も行政書士のメイン業務である許認可についていくつかご紹介していきたいと思います。今回の記事を読んでいただくことで、行政書士を目指し受験されている方はもちろんのこと、行政書士の実務を学びたいと思っている方、開業準備をしている方、会社設立業務に興味がある方の知識が増えてもらえればと思います。
行政書士の行う許認可業務は多岐にわたり存在し、取り扱う書類の数も1万種類あると言われています。許認可業務の数が多いため、いくつか絞ってのご紹介となります。今回は風俗営業許可が必要な事業についての記事を書いていきたいと思います。
風俗営業許可とは
風営法とは「風俗営業等の規制及び業務の適正化に関する法律」が正式名称で、その名とおり、風俗営業にまつわるルールを定めた法律です。
この法律のもと、風俗店の営業時間や営業可能区域などが定められています。
また、青少年育成という観点から規制が設けられているのも、この法律の特徴です。
風俗営業には2種類ある
風俗営業には、許可制のものと届出制の2種類があります。
2種類のうち届出制の業種は、関係各所に営業を届け出るだけで手続きが済みます。一方、許可制のものは、業種ごとに許可を得る手続きが必要です。
この手続きでは、風俗営業許可申請書や営業所の平面図、身分証明書などを役所に提出します。
風俗営業法が必要な飲食店
ここから「風俗営業許可」について解説していきますが、ぜんぶで6種類あり、お店の業態によって取得すべき営業許可が違います。それぞれ具体例をあげて取り上げていくので、ぜひ参考にしてみてください。また平成28年6月23日より風営法が改正されており、この日以降に開業をする方は過去の法律を参照しないように注意です。
風俗営業1号営業:接待飲食等営業
接待飲食等営業とは、客に接待行為をともないつつ飲食物を提供する種類の営業形態です。
代表的なものでは、キャバクラやクラブ、ホストクラブが挙げられます。
ここで言う接待とは「歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすこと」と、法律に明記されていますが、客へのお酌、手を握る、ダンスなどの行為を指します。
また、設備面の基準が細かく定められているというのも特徴的です。
たとえば、客室の床面積や防音設備の設置などの基準が定められています。
風俗営業2号営業:低照度飲食店
低照度飲食店とは、客席の照度を10ルクス以下として定めている飲食店と指します。
喫茶店やバーなどが代表的な業態です。
当然のことながら、従業員による接待行為はすべて禁止です。
また、基本的には午前0時までの営業時間となります。
風俗営業3号営業:区画席飲食店
区画席飲食店とは、周囲から見通すことが困難で、かつ広さ5㎡以内の客席を持つ飲食店のことです。
カップル喫茶や個室居酒屋など、性質上客席を狭くする必要のある種類のものがこの営業形態に該当します。
建物がダンス用の設備を有していると許可が下りませんので、注意しましょう。
風俗営業4号営業:マージャン店・パチンコ店
風俗営業の4号営業には、マージャン店やパチンコ店などといった射幸心をあおる遊技を提供する店が含まれます。
射幸心とは「思いがけない利益を得たい」と期待する心理のことです。
4号営業のうちパチンコ店には、店舗構造の基準以外にも下記要件が課せられます。
・当該営業の用に供する遊技機以外の種類の遊技設備を設けないこと
・営業所内の客の見やすい場所に商品を提供する設備を設けること
こちらの要件を踏まえていないとペナルティーの対象となりますので、しっかり押さえておいてください。
風俗営業5号営業:ゲームセンター
ゲームセンターも、届出制の風俗営業となります。
こちらの業態は、テレビゲーム機やスロットマシン、ダーツバーなどを設置している店舗が該当します。
客に景品を提供しているかどうかが、4号営業との大きな違いです。
営業時間は、基本的に午前10時~午前0時までとなっています。
なお、遊技料金として紙幣を挿入できる装置や、客に現金や有価証券などを提供するための装置を設置した場合は、摘発の対象となりますので注意してください。
特定遊興飲食店営業
特定遊興飲食店営業とは、午前0時~6時までの間、客にダンスなどの遊興をさせる営業形態を言います。
こちらの種類の業態には、ライブハウスやカラオケ、スポーツバーなどが該当します。
深夜から早朝にかけての営業となるため、風営法の順守はもちろん、地域住民からの理解を得る種類の努力も非常に大切です。
まとめ
今回は風俗営業許可の種類について説明しました。風俗営業といっても種類が分かれています。営業に適した許可が必要となります。
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