【公民連携の手法】~行政書士試験合格者が解説~

官民連携

今回の記事から地方自治体で働いている私の視点から行政と事業者が連携しビジネス展開するための情報についての記事を書いていきます。
今回の記事を読んでいただくことで、行政書士を目指し受験されている方はもちろんのこと、行政書士の実務を学びたいと思っている方、開業準備をしている方、経営をしているの知識が増えてもらえればと思います。
今回の記事は、公民連携のさまざまな手法の種類について触れていきたいと思います。この記事を読むことで新たなビジネスチャンスに繋がればと思います。

公民連携とは

官民連携とは、国や地方自治体と民間企業や団体が協働して公共サービスを提供するための方法のことです。
業務委託、PFI、指定管理、民営化などのさまざまな事業手法とともに、包括連携協定や補助などの協働の取り組みを含めた総称をいいます。民間の持つ多様なノウハウや技術を活用して、限られた予算を効率よく使ったり、サービスを向上させたりすることが目的です。

①業務委託

官民連携の中で最もポピュラーといえる手法が業務委託です。
国や自治体が行う業務を契約に基づいて民間事業者に委託するもので、学校給食の調理、システム開発、観光プロモーション、清掃業務など幅広い分野で導入されています。業務委託は民間企業同士でもよくある取り組みですが、国や自治体との取引では、入札等の決められた手続きを経て発注先が選定される点が大きな違いです。公平公正に選定されるため、多くの民間事業者に活躍のチャンスがあるといえます。
一方で、業務委託では基本的に単年度契約であることが多く、継続的な受注が保証されない点が民間事業者側のデメリットです。

②指定管理者制度

自治体が設置する公の施設において、民間事業者に施設の管理権限や包括的な管理運営を委ねる制度が指定管理者制度です。
地方自治法に基づく制度で、契約による業務委託とは異なり、施設ごとに議会の議決を経て指定管理者が指定されます。
指定管理者制度の指定期間は5年程度とする施設が多く、業務委託と比べて安定した長期の取引ができます。

③PFI

公共施設等の整備、維持管理、運営等において、民間の資金、経営能力及び技術的能力を活用して行う手法です。
Private Finance Initiative(プライベート・ファイナンス・イニシアティブ)の略で、PFI法に基づきます。
他の方法と大きく違うのは、企画や提案を民間が行えること、単年度契約ではなく事業単位の長期契約が前提であること、事業資金は民間側が負担することです。(事業資金は民間負担ですが、事業への対価は行政から支払われます)

④コンセッション

利用者から料金を徴収する公共施設において、国や自治体が施設の所有権を保持したまま民間事業者が「運営権」を買い取って運営する制度です。
平成23年の改正PFI法で規定されたPFIの一形態で、公共施設等運営事業とも呼ばれます。
対象となるのは、水道、スポーツ施設、美術館、空港など様々な施設です。民間事業者による自由度の高い運営を可能とすることで、利用者ニーズを反映した柔軟で質の高いサービスが提供されることが期待されています。

⑤包括連携協定

地域が抱えている包括的な課題に対して自治体と民間事業者が協力し、解決を目指すための取り組みです。
地域の課題は福祉、環境、防災、まちづくりなど多岐にわたります。協定の締結により、民間事業者が持つノウハウや最新の技術が課題解決に取り入れられ、市民サービスの向上や地域の活性化に役立てられています。
しかし、民間事業者が無料か低予算でサポートをするケースも多くあり、収益性の確保が課題となります。包括連携協定では、自治体と民間事業者が意見交換し、考えをすり合わせながらプロジェクトを遂行する必要があります。

まとめ

今回はさまざまな官民連携の方法についてご紹介しました。一般的に多い、業務委託や施設管理を任せる指定管理者がありますが、近年はPFIなど民間企業主体となってノウハウを活用したサービス提供が増えてきています。自治体にとっては、民間の技術を活用することでより良い市民サービス向上につながります。企業にとっては信用を得ることが出来、また自治体から必ず収入が入るといったメリットがあります。しかし、自治体は利益を求めるのではなく、必要最小限のコストで成果を求める必要があるため、企業にとっては苦戦をしいられることもあるかもしれません。
しかし、自治体と企業がともに協力し合うことで相乗効果が生まれ、より良いサービス開発に繋がっていくと思います。
次回は、官民連携する際のポイントや他の自治体や企業がどのような連携をしているのか参考にしていただくためのサイト等をご紹介します。是非ご覧ください。

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