今回の記事も行政書士の補助金業務についての記事を書いていきます。コロナ時期には様々な補助金があり各種士業が新たな業務として取り入れました。最近では、補助金申請を代行することに規制がかかり始めましたが、補助金申請コンサルは未だに可能です。
今回の記事を読んでいただくことで、行政書士を目指し受験されている方はもちろんのこと、行政書士の実務を学びたいと思っている方、開業準備をしている方、経営をしているの知識が増えてもらえればと思います。
今回の記事は補助金と似た国や自治体から支給される補助金・助成金・給付金の違いについて焦点を当てて記事を書きます。是非補助金業務につていの知識を増やしてもらえたらと思います。
補助金・助成金・給付金とは
補助金や助成金、給付金は「国・地方公共団体・民間団体など」から支出されるもので、原則は返済不要です。
・補助金は明確な目的のために予算が決まっているので、申請内容の審査があり、認定の受付順に予算額に達するまでなどの制限もあります。
・助成金は一定の要件も満たし申請すれば基本的に受けられます。
・給付金は病気になったり被災したりした場合など、定められた状態であれば申請で受けられます。
補助金とは
補助金とは、国や地方自治体の政策目標に合わせて行われる事業者向けの支援制度のことです。
新しく事業を始めたりサービスを始めたりといった事業者の取り組みをサポートするために、取り組みに必要な資金の一部を補助金という形で給付します。補助金の給付には予算の上限や要件、審査があり、誰もが必ず受け取れるとは限りません。
さらに、補助金は原則後払いなので、事業者は新規事業やサービス導入に伴う費用を立て替える必要があります。
・持続化補助金
小規模事業者が、経営計画に基づいて実施する販路開拓や生産性向上のための取り組みをサポートするための補助金。
対象
常時使用する従業員が20人(商業・サービス業の場合は5人※宿泊業・娯楽業を除く)以下の法人、個人事業主の方
支給額
50万円まで(補助率2/3)
・IT導入補助金
業務効率化などのためのITツール導入をサポートするための補助金。
対象
中小企業・小規模事業者等(飲食、宿泊、卸・小売、運輸、医療、介護、保育等のサービス業の他、製造業や建設業等も対象)
支給額
30万円~450万円(補助率1/2または2/3)
助成金とは
助成金とは、国や地方自治体による企業の取り組みに対する支援策です。
雇用関係の支援が多く事業者は、新規雇用や定年の延長、雇用維持、従業員の教育など、雇用に関する費用の一部について、要件を満たせば助成金のサポートを受けることができます。
・雇用調整助成金(新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例)
経済上の事由によって事業の縮小を余儀なくされた場合において、事業主が一時的な休業や教育訓練、出向などを行い、労働者の雇用維持を図った場合に支給される助成金。事業主が支払った休業手当などの一部が助成される。なお、社会労務士の独占業務です。
対象
新型コロナウイルス感染症の影響を受ける事業主
支給額
①休業手当等に対する助成率→中小企業4/5、大企業2/3(解雇等を行わない場合→中小企業9/10、大企業3/4)上限あり
②教育訓練を実施した場合、中小企業2,400円、大企業1,800円を加算
給付金とは
給付金とは国や地方自治体が事業主や個人に支給するものです。補助金や助成金は企業を対象としていますが、給付金は個人が申請できるものが多数あります。個人を対象とした給付金は雇用保険関係のものが大半です。一定期間、雇用保険に加入していれば申請できるものをいくつかご紹介します。
・失業等給付
失業手当や技能習得手当などが該当します。ハローワークで失業中に申請して受給できるものと考えるとイメージしやすいでしょう。
・育児休業給付金
育児休業中に休業前の賃金をもとに算出した日額を受給できるものです。給付は個人の口座に振込まれますが、休業日の証明などが必要となりますので会社が代行して申請します。
・介護休業給付金
介護休業中に休業前の賃金をもとに算出した日額を受給できるものです。給付は育児休業と同様に個人の口座に振込まれます。介護休業は分割取得が可能なため休業日を会社が証明して申請します。
・高年齢雇用継続給付金
60歳以降に賃金が下がった場合に65歳まで受けられるものです。60歳到達時賃金月額を会社がハローワークに届出して、減額率により給付額が算出されます。2カ月に一度会社が申請し、個人の口座に直接振込まれます。
受けやすいのは??
一般的には、給付金が最も支給を受けやすく、次に助成金、もっとも大変なのが補助金です。
給付金は有事の際に実施されるので、正確性よりスピードが重視されます。ですから、給付金は条件が整っていれば誰でも申請することができ、他の二つに比べて受けやすいのが特徴です。
次に、助成金と補助金で比較すると、受けやすいのは助成金です。補助金が国民の税金で賄われているのに対して、助成金は社会保険料で賄われています。助成金は日々社会保険料を支払っている企業が、条件に合えばリターンを受けられるということです。助成金の方が審査は厳しくなく、条件を満たして申請すれば原則受給ができます。
最後補助金は厳しいです。予算や交付件数があらかじめ決まっているので、申請しても交付されないことも珍しくなく、またその使途も狭いです。また、審査中だけでなく、交付が決定した後も計画通りに行われているかどうか等、報告をしなくてはいけません。
まとめ
今回はさまざまな国や自治体から支給される補助金の種類を説明しました。補助金との境が曖昧なものもありますが、補助金は経済産業省が主で、助成金は厚生労働省となっています。これは事業の発展をするための目的である補助金と、人事に関する整備を目的とする助成金の違いにあります。なお、助成金は社労士の独占業務になる場合が多いため注意してください。
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