【福祉医療貸付事業とは】~行政書士試験合格者が解説~

行政書士業務

今回の記事も行政書士の補助金業務についての記事を書いていきます。コロナ時期には様々な補助金があり各種士業が新たな業務として取り入れました。最近では、補助金申請を代行することに規制がかかり始めましたが、補助金申請コンサルは未だに可能です。
今回の記事を読んでいただくことで、行政書士を目指し受験されている方はもちろんのこと、行政書士の実務を学びたいと思っている方、開業準備をしている方、経営をしているの知識が増えてもらえればと思います。
今回の記事は補助金とは話が逸れますがが独立行政法人福祉医療機構が行っている福祉医療貸付事業について取り上げたいと思います。個人事業主として必要となる資金調達のための融資についてを紹介します。

福祉医療貸付事業とは

国の福祉医療政策における政策目標を着実に推進するため、社会福祉施設や医療関係施設を整備する際に必要となる建築資金等について、政策融資として、「長期・固定・低利」でご融資する「福祉医療貸付制度」を実施してます。

福祉貸付制度

〇 特別養護老人ホーム     〇 ケアハウス
〇 認知症高齢者グループホーム 〇 保育所 
〇 障害福祉サービス事業 等

貸付金の種類

建築資金、 設備備品整備資金 土地取得資金、 経営資金

融資額の限度

基準事業費より法的・制度的補助金等を控除した金額に融資率(施設・事業により80%、75%、70%の場合があります)を乗じた金額を限度としています。

融資期間

融資の対象や資金の種類等によって異なります(5年以内~30年以内)。
また、融資期間に応じた据置期間が設けられています(6カ月以内~3年以内)。

利率

貸付契約時の利率となります(金融情勢に応じて変わります)。

WAM融資は「融資相談」「借入申込」「借入申込受理」「融資審査」「貸付契約・資金交付」「完成報告」の順に手続きが進みます。以下、順を追ってポイントを説明します。

融資の流れ

融資相談

申込の前に下記窓口に対し、事業内容を基に融資相談を行います。

東日本での施設開設西日本での施設開設NPO法人
福祉医療貸付部 福祉審査課 融資相談係大阪支店 福祉審査課 融資相談係NPOリソースセンター NPO支援課

融資相談の際に必要な書類

書類備考
融資相談票整備計画、資金計画を記入 ※独立行政法人福祉医療機構ホームページからダウンロード可
決算書直近2ヶ年分
残高試算表前期決算日から半年以上経過した時点での融資相談の場合
収入支出償還計画表開設後の収支予想
計画敷地の公図住宅地図履歴事項全部事項証明書事業実施の確実性の検証
計画建物の配置図・平面図建築規模の妥当性・必要性の検証
役員一覧法人新設の場合。母体法人がある場合はその概要がわかる資料
並行別計画がある場合の関係資料事業実施の確実性や法人運営の健全性の検証
法人パンフレット等事業内容や、法人運営状況が分かるもの

借入申込

借入申込書(※独立行政法人福祉医療機構ホームページからダウンロード可)に管轄都道府県市等からの意見書など添付、借入申込みを行います。借入申込書提出の目安は「事業計画にかかる工事請負契約(入札が必要な場合は入札執行日)」および「土地・建物売買契約締結」の1カ月前です。

借入申込受理

申込の手続きが完了後「借入申込受理票」が郵送されます。「借入申込受理票」が届くまでは事業計画にかかる契約や着手を行ってはいけません(設計・監理にかかる業務委託契約についてはこの限りではありません)また、工事請負業者等への支払いは銀行振込で行います(現金支払いは原則融資対象外です)

融資審査

融資審査には1カ月前後の時間がかかります。審査の結果、融資条件が付される場合や、借入額の減額、融資審査を通過できない場合があります。また、承認された場合でも、取り消し要因に該当した場合は内定取り消しになる事があります。

貸付契約・資金交付

資金交付の希望時期に合わせて貸付契約の締結や抵当権設定の手続き等を行い、抵当権設定後に資金が交付されます。手続きには3カ月程度必要になりますので、状況に応じて他金融機関からのつなぎ融資の活用を行います。

完成報告

融資対象事業完成後3カ月以内に、融資対象物件の画像や検査済証、交付決定通知書を添付し「事業完成報告書」を作成、福祉医療機構に提出します。「建築工事費や設備備品費の減額による貸付金額への影響」「補助金等の増額による貸付金額への影響」「福祉医療機構以外の借入金の増額による償還計画への影響」「職員等の確保や入居者受け入れの状況(特に創設法人の場合)」などが確認事項です。

まとめ

今回は福祉事業が貸付出来る、福祉医療貸付事業についてご紹介しました。参考になれば幸いです。

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