【ランチェスター戦略とは】~行政書士試験合格者が解説~

行政書士業務

今回の記事も行政書士の補助金業務についての記事を書いていきます。コロナ時期には様々な補助金があり各種士業が新たな業務として取り入れました。最近では、補助金申請を代行することに規制がかかり始めましたが、補助金申請コンサルは未だに可能です。
今回の記事を読んでいただくことで、行政書士を目指し受験されている方はもちろんのこと、行政書士の実務を学びたいと思っている方、開業準備をしている方、経営をしているの知識が増えてもらえればと思います。
今回の記事は補助金を申請する際の事業計画書の書き方の際に少しご紹介したランチェスター戦略についてを紹介します。是非補助金業務につていの知識を増やしてもらえたらと思います。

ランチェスター戦略とは

ランチェスター戦略とは、元々は戦争理論だったものを経営に置き換えた経営戦略の理論です。
第一の理論と第二の理論があり、それぞれに経営のエッセンスとなっています。

ランチェスター第一の法則

第一の法則は、伝統的な一騎打ち・局地戦・接近戦を想定しています。
このような戦闘の場合、戦闘力は 武器効率×兵力数 というシンプルな計算式になります。
それゆえ、同じ武器効率同士で戦えば、必ず数の多い方が勝ちます。

例えば、兵力2と兵力4で戦えば、兵力4の方が 1(武器効率) × 4(兵力数) – 1(武器効率)× 2(兵力数) = 2 の差で必ず勝ちます。

ランチェスター第二の法則

一方、第二の法則は近代的な広域戦の場合を想定しています。
このような場合、戦闘力は 武器効率×兵力数の二乗 という式で求められます。その場合、兵力2と兵力4の同じ武器効率のグループで戦えば兵力4の方が 4×4–2×2=12の差で勝つこととなります。

ポイント
このとき、第一の法則で勝った時よりも兵力の差が広がっていることに注意してください。
逆に考えると、第一の法則では単純な兵力の差のみが実力の差となっているので、武器効率さえあげれば古典的な方法では弱者も強者に勝つチャンスがあるということです。このことから、第一の法則は弱者の戦略と呼ばれることもあります。

マーケットシェア理論(7つの目標値)

マーケットシェア理論とは、市場における自社のシェア率を示す指標をあらわした理論です。シェア率の具体的な指標は、7つのシンボル目標値で示されています。各シェアの目標値は、競争の激しさや市場の特性によって異なり、上位目標値や影響目標値の達成は、業界や市場の成熟度に依存します。

上限目標値(シェア73.9%)

上限目標値シェア73.9%は市場を独占できているとされる数値です。2位以下の企業と大きな差があります。競合他社に対して非常に優位な立場であり、脅かされる心配はありません。

安定目標値(シェア41.7%)

安定目標値シェア41.7%は過半数は超えていませんが、安定目標値を達成した企業は独走状態といえます。ランチェスター戦略では4割以上のシェアを獲得できていれば地位は安定していると考えます。

下限目標値(シェア26.1%)

下限目標値シェア26.1%は業界をリードする企業として最低限確保したい水準といえます。万一、シェアが26.1%を割り込むようであれば、たとえ首位の座にあっても、地位は不安定になる可能性があります。

上位目標値(シェア19.3%)

上位目標値シェア19.3%は、中小企業など弱者が最初にねらう数値とされています。19.3%以内に入ると、トップ3位以内のシェアを獲得できている場合が多いです。首位を狙える範囲に入っているので、1位が見えてきたら、戦略を切り替える必要もあります。

影響目標値(シェア10.9%)

10%以内を確保できると、競合他社や顧客に認知されているといえるでしょう。影響目標値のシェア10.9%を獲得できて初めて市場争いに参加できると考えられています。

存在目標値(シェア6.8%)

存在目標値のシェア6.8%という数値は、市場に存在を認められていますが、影響力はほとんどありません。シェアが6.8%を下回ると市場から撤退する企業もあります。そのため、生き残るには最低限のシェアであるといえます。

拠点目標値(シェア2.8%)

拠点目標値シェア2.8%は、参入するきっかけができて、これから市場に加わるという状態です。新規参入する場合は、拠点目標値を目標に戦略を立てる必要があります。

ンチェスター戦略をとるうえで、押さえなければならない原則があります。グランドルールと呼ばれる、ランチェスター戦略の3大原則は以下の通りです。

ビジネスへの活用

ランチェスター戦略の3大原則を活用してビジネスの戦略をねりましょう。

一点集中主義

一点集中主義は目標を一つに絞って攻撃し続ける考え方です。勝ち目のある商品や地域、顧客などを設定して、競合相手に負けない状況をつくり出します。

足下(そっか)の敵攻撃の原則

市場シェアを今よりも伸ばしたい場合、自社より1ランク低い競合他社を攻撃する考え方です。強い敵と戦っても勝ち目はありません。ランクの低い相手と戦うことで少ないリソースで下位との差を広げられます。ただし、足下(そっか)の敵攻撃の原則をもとに戦略を実行する際は、具体的な競合分析と市場調査が必要です。

No.1主義

ランチェスター戦略は、圧倒的なナンバーワンになることを目指しています。具体的にはシェア41.7%です。2位以下はすべて弱者とみなしています。1位を獲得するためには、ブランド認知度や技術力の向上、領域や業界を絞った商品展開をすることが必要です。

まとめ

大手企業が多くのシェア率があるかもしれませんが、中小企業はランチェスター戦略を活かしてビジネス展開を検討していきましょう。

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