【事業継続力強化計画とは】~行政書士試験合格者が解説~

行政書士業務

今回の記事も行政書士の補助金業務についての記事を書いていきます。コロナ時期には様々な補助金があり各種士業が新たな業務として取り入れました。最近では、補助金申請を代行することに規制がかかり始めましたが、補助金申請コンサルは未だに可能です。
今回の記事を読んでいただくことで、行政書士を目指し受験されている方はもちろんのこと、行政書士の実務を学びたいと思っている方、開業準備をしている方、経営をしているの知識が増えてもらえればと思います。
今回の記事は補助金申請で優位に働く事業継続力強化計画についてご紹介したいと思います。事業の向上とともに補助金申請にも優位になるはずです。

事業継続力強化計画とは

中小企業強靭化法で実施される項目として挙げられている「経産大臣による防災・減災対策による計画の認定」が、事業継続力強化計画認定制度です。
中小企業が防災や減災に関する事前対策の計画を経済産業大臣に申請し、認定されることで、税制優遇や金融支援のほか、補助金などの支援を受けることが可能になります。

事業継続力強化計画認定制度の対象企業

事業継続力強化計画認定制度の認定対象事業者は、「防災・減災に取り組む中小企業・小規模事業者」です。認定を受けられる中小企業者の規模は、中小企業政策における政策対象範囲に則り、下記のとおりとなっています。

・製造業その他:資本金3億円以下または従業員数300人以下
・卸売業:資本金1億円以下または従業員数100人以下
・小売業:資本金5,000万円以下または従業員数50人以下
・サービス業:資本金5,000万円以下または従業員数100人以下
・ゴム製品製造業:資本金3億円以下または従業員数900人以下
・ソフトウェア・情報処理サービス業:資本金3億円以下または従業員数300人以下
・旅館業:資本金5,000万円以下または従業員数200人以下

事業継続力強化計画認定制度の申請書に記載する項目

実際に事業継続力強化計画制度の認定を受ける場合に、申請書に記載する項目の一部をご紹介します。

<事業継続力強化の目標>
・自社の事業活動の概要
・事業継続力強化に取り組む目的
・事業活動に影響を与える自然災害等の想定
・自然災害等の発生が事業活動に与える影響(人物、建物・設備、資金繰り、情報、その他)

<事業継続力強化の内容>
・自然災害等が発生した場合における対応手順
・事業継続力強化に資する対策および取り組み
・事業継続力強化設備等の種類
・事業継続力強化の実施に協力する者の名称および住所ならびにその代表者の氏名ならびにその協力の内容
・平時の推進体制の整備、訓練および教育の実施その他の事業継続力強化の実効性を確保するための取り組み

このほか、「実施時期」や「事業継続力強化を実施するために必要な資金の額およびその調達方法」などの記載が必要となります。

事業継続力強化計画認定により受けられる支援・優遇措置

それでは、実際にどのような支援や優遇措置が受けられるのか見ていきましょう。

税制優遇  

税制優遇措置としては、中小企業が災害への事前対策を強化するため、自家発電機、制震・免震装置など、先にご紹介した事業継続力強化計画認定制度の申請書に記載する一定規模の設備を導入した場合に、防災・減災設備に対して特別償却(20%)が適用されます。

金融支援

金融支援としては、「信用保険の保証枠の別枠追加」や「防災にかかる設備資金の貸付金利引き下げ」があります。特に、保証枠の別枠追加は資金面でのダイレクトな対策となるので、有効な手段といえるでしょう。

補助金

新しいものづくりやサービス開発に挑戦するための「ものづくり補助金」を受け取ることができます。また、災害時の停電に備えて自家用発電設備などを導入する際、費用の3分の2を補助金として受け取ることも可能です。

申請の流れ

事業継続力強化計画の申請は、以下のステップに従って進めてください。初めて利用される方でも迷わないように、各段階をわかりやすく説明します。

制度の利用検討・事前確認

制度の利用を検討する
自社のニーズに応じて、事業継続力強化計画を利用するかどうかを検討します。
事前の準備
関係機関(日本政策金融公庫、信用保証協会など)の要件や手続きについて事前に確認します。

計画の策定

計画の作成
「基本方針」、「作成指針」、「策定の手引き」を参考にしながら、自社の事業継続力強化計画を作成します。単独型(自社のみの場合)か連携型(複数事業者間での計画)を選択します。

計画の申請・認定

申請書類の準備
計画に必要な書類を以下の通り用意します。

申請書の作成
チェックシート
BCP等の参考書類(必要に応じて)
連携型の場合、大企業の同意書や協定書の写し(必要に応じて)

電子申請
事業継続力強化計画電子申請システムから申請を行います。新規申請用マニュアルや変更申請用マニュアルも用意されているので、必要に応じて確認してください。

審査の実施
申請後、審査が行われます。標準処理期間は約45日です。審査に通過すると、認定通知書が交付されます。

計画の実施

金融支援の申請
認定を受けた計画に基づき、低利融資などの金融支援を受けることができます。日本政策金融公庫などの関係機関にて追加審査が必要となります。
融資実行までの期間
融資の実行までの期間は、金融機関の審査によりますが、基本的に申請後数週間から数ヶ月を見込んでおくと良いでしょう。

まとめ

今回は防災・減災対策による計画の認定である、事業継続力強化計画認定制度についてご紹介しました。近年異常気象や震災被害などあり、認定を受けなくても防災対策は必要ですよね。認定を受け、金融支援なども受けれれば一石二鳥ですね。

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