【建築業許可に関連する許可】~行政書士試験合格者が解説~

行政書士業務

今回の記事は行政書士のメイン業務である許認可についていくつかご紹介していきたいと思います。今回の記事を読んでいただくことで、行政書士を目指し受験されている方はもちろんのこと、行政書士の実務を学びたいと思っている方、開業準備をしている方、会社設立業務に興味がある方の知識が増えてもらえればと思います。
行政書士の行う許認可業務は多岐にわたり存在し、取り扱う書類の数も1万種類あると言われています。許認可業務の数が多くありますが、行政書士業務の花形業務と呼ばれている建築業許可についての記事を書いていきたいと思います。今回は建築許可に関連するその他の許可についてご紹介します。

建設業に関連する許認可

建設業許可以外にも、建設業に関連する許認可はいろいろ 表的なものを次の表でご紹介させていただきます。

・電気工事業者の登録:電気工事を行う事業を営もうとするとき

・解体工事業者の登録:建設業のうち建築物等を除却するための解 体工事を請け負う営業をするとき ※建設業許可を受けた者を除く

・(特別管理)産業廃棄物収集運搬業許可:(特別管理)産業廃棄物の収集又は運搬を業 として行おうとするとき

・宅地建物取引業免許:宅地若しくは建物の売買若しくは交換又は 宅地若しくは建物の売買、交換若しくは貸 借の代理若しくは媒介をする行為を業とし て行おうとするとき

・建築士事務所登録:他人の求めに応じ報酬を得て、設計、工事監 理、建築工事契約に関する事務、建築工事の 指導監督、建築物に関する調査若しくは鑑定又は建築物の建築に関する法令若しくは条例の規定に基づく手続の代理を業として 行おうとするとき

上記に該当する事業を行う場合には、建設業許可だけでは足りず、それぞれの許認可を取得しなければなりませんので注意が必要です。新規事業を始めるときは もちろん、現在の事業において適正な許認可を取得しているかどうか改めて確認 をしましょう。

電気工事業者の登録とは?

一般用電気工作物、一般用電気工作物、自家用電気工作物、これらに係る電気工事を自ら施工し電気工事業を営む場合には、「電気工事業の業務の適正化に関する法律」に基づき経済産業大臣又は都道府県知事の登録を受けなければなりません。 この登録をすることで「登録電気工事業者」となります。その中でも、建設業許可 (許可の業種は問いません)を受けた建設業者が電気工事業を営むため登録をした場合は、「みなし登録電気工事業者」となります。登録をせず電気工事業を営んだ場合には、罰則規定があるので注意が必要です。
電気工事業の登録が必要となるのは「自ら施工」する場合です。元請負人として 電気工事を受注したが、下請負人に発注し施工させる場合は、自ら施工している ことにはならないため、登録は必要ありません(ただし、建設業法で禁止されている一括下請負にならないよう注意してください)。

(特別管理)産業廃棄物収集運搬業許可とは?

建設工事現場では、工事に伴って建設廃棄物(ごみ)が大量に発生します。その 廃棄物を処理する責任(排出事業者責任)があるのは元請業者です。排出事業者である元請業者が自身で産業廃棄物の処理をすることについて許可は不要ですが、 元請業者が廃棄物の処理を他者に委託する場合、許可を持っている処理業者に委託しなければなりません。その処理業者に必要となる許可が「(特別管理) 産業廃棄物収集運搬業許可」です。
元請業者が下請業者に廃棄物の処理を委託する場合、産業廃棄物収集運搬業許可が必要です。ただし、例外的に等においては次の一定の条件のもとに下請が許可なく運搬することが可能です。

・500万円以下の維持修繕工事(新築、増築、解体を除く)、500万円以下相 当の瑕疵工事
・1回の運搬が1立法メートル以下
·特別管理産業廃棄物を除く
・運搬途中に保管を行わない
・運搬先は同一県内または隣接する県内で、元請業者の指定する場所
・必要事項を記載した書面と、請負契約書の写しの携行

宅地建物取引業免許

宅地建物取引業(以下「宅建業」)を営もうとする者は、宅地建物取引業法(以下「宅建業法」)の規定により、知事または国土交通大臣の免許を受ける事が必要になります。宅建業免許を受けずに営業を行なった場合、宅建業法違反として、3年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金、又はその両方が科せられます(法第79条第2号)。
宅地建物取引業とは不特定多数を相手に以下の行為を反復または継続して行い、社会通念上、事業の遂行と見ることができる行為

・宅地又は建物に関し、自ら売買又は交換する行為
・宅地又は建物に関し、他人が売買、交換又は貸借するにつき、その代理若しくは媒介する行為

上記以外の行為は宅建業免許は不要です(例えば、自らが所有する宅地建物を他人に貸す行為等)。

建築士事務所登録

報酬を得て設計業務を行う場合は、「建築士事務所登録」が必要となりますが、細かく言えば、建築士法により設計業務も含めて以下の業務を行う場合に建築士事務所登録が必要となります。

  • 建築物の設計
  • 建築物の工事監理
  • 建築工事契約に関する事務
  • 建築工事の指導監督
    工事監理や指導監督というのは、いわゆる建設業法上の現場監督・施工者というものではなく、あくまで建築士として工事が設計図のとおりに実施されているかどうか、第三者的立場から指導監督することをいいます。
  • 建築物に関する調査または鑑定
  • 建築に関する法令または条例に基づく手続きの代理

建築士事務所登録の要件

建築士事務所登録を行うには主に以下の要件をクリアする必要があります。

  1. 事務所が確保されていること
  2. 管理建築士を常勤で配置していること
  3. 欠格要件に該当していないこと
  4. 定款や登記簿謄本に「建築物の設計・工事監理」等の文言が含まれること
  5. 納税の証明が取れること

まとめ

今回は建築業許可に関わる許認可についてご紹介しました。事業運営するためにさまざまな許可が必要となります。

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