今回の記事から現在業務で行っている福祉関係の知識と、行政書士としての知識を組み合わせ、福祉についての知識を記事にしていきたいと思います。福祉業務を専門としている行政書士は数がまだ少ないと聞いています。理由としては、福祉知識の難しさが挙げられています。今回からの記事を読んでいただくことで、福祉事業の手助けになればと思います。障害福祉事業の報酬改定により、共同生活援助の加算が増えていますのでチェックしておきましょう。
共同生活援助とは
共同生活援助は訓練給付となります。訓練等給付とは、障害者が自立に必要な訓練を受けたいときに支給される制度です。地域で自立した生活を行うために必要な知識、技能等を身につけるためのサービスdです。
その訓練給付の共同生活援助ですが、障害者の夜間において、共同生活を営むべき住居において行われる相談、入浴、排せつ又は食事の介護その他の必要な日常生活上の援助を行うサービスです。主に居住支援として利用されます。
共同生活援助の加算
重度障害者支援加算
重度障害者支援加算(Ⅰ)
・介護給付費等単位数表第8の1の注 1に規定する利用者の支援の度合にある者に対して指定共同生活援助又は日中サービス支援型指定共同生活援助を行った場合。
・事業所に配置すべき生活相談員に加え、介護給付費等単位数表第15の1の6の注1に規定する者に対する適切な支援を行うために必要な数の生活支援員が配置されているこ
・強度行動障害支援者要請研修の課程を修了し、研修の課程を修了した証明書の交付を受けた者を1名以上配置し、支援計画シートを作成すること。
・強度行動障害支援者要請研修の課程を修了し、研修の課程を修了した証明書の交付を受けた者の割合が20%以上であること。
重度障害者支援加算(Ⅱ)
・強度行動障害支援者要請研修の課程を修了し、研修の課程を修了した証明書の交付を受けた者を1名以上配置し、支援計画シートを作成すること。
・強度行動障害支援者要請研修の課程を修了し、研修の課程を修了した証明書の交付を受けた者の割合が20%以上であること。
重度障害者支援加算の単位数
重度障害者支援加算(Ⅰ) 360単位/日
注1 加算の算定を開始した日から起算して180日以内 +500単位(中核的人材を配置し行動関連項目18点以上の者の場合 +200単位)
注2 中核的人材を配置し行動関連項目18点以上の者を支援した場合 +150単位
重度障害者支援加算(Ⅱ) 180単位/日
注1 加算の算定を開始した日から起算して180日以内 +400単位(中核的人材を配置し行動関連項目18点以上の者の場合 +200単位)
注2 中核的人材を配置し行動関連項目18点以上の者を支援した場合 +150単位
視覚・聴覚言語障害者支援体制加算 の概要
視覚や聴覚に重度の障害のある利用者が30%以上で、視聴覚障害者との意思疎通の専門性を有する職員を配置している場合に算定できる加算です。
視覚・聴覚言語障害者支援体制加算(Ⅰ) の算定要件
・視覚又は聴覚若しくは言語機能に重度の障害のある者(※下記参照)が利用者数の100分の50以上であること。
・視覚障害者等との意思疎通に関し専門性を有する職員を利用者の数を40で除した数以上配置していること。
視覚・聴覚言語障害者支援体制加算(Ⅱ) の算定要件
・視覚又は聴覚若しくは言語機能に重度の障害のある者(※下記参照)が利用者数の100分の30以上であること。
視覚・聴覚言語障害者支援体制加算 の取得単位
視覚・聴覚言語障害者支援体制加算(Ⅰ) | 51単位/日 |
視覚・聴覚言語障害者支援体制加算(Ⅱ) | 41単位/日 |
集中的支援加算
状態が悪化した強度行動障害を有する児者への集中的支援を評価する加算です。
集中的支援加算(Ⅰ)の算定要件
・強度行動障害を有する児者の状態が悪化した場合に、広域的支援人材が指定障害者支援施設、共同生活援助事業所等を訪問し、集中的な支援を行った場合
集中的支援加算算(Ⅱ)の算定要件
・集中的な支援が必要な利用者を他の指定障害福祉サービス事業所又は指定障害者支援施設等から受け入れること。
・該利用者に対して集中的な支援を行った場合
集中的支援加算の取得単位
集中的支援加算(Ⅰ)1000単位/回
集中的支援加算(Ⅱ)500単位/日
障害者支援施設等感染対策向上加算
医科診療報酬点数表の感染対策向上加算の届出を行った医療機関から、施設内で感染者が発生した場合の感染制御等の実地指導を受けることについて評価する加算です。
障害者支援施設等感染対策向上加算(Ⅰ)の算定要件
以下のいずれにも適合すること。
・第二種協定指定医療機関との間で、新興感染症の発生時等の対応を行う体制を確保していること。
・協力医療機関等との間で、感染症の発生時の対応を取り決めるとともに、感染症の発生時に、協力医療機関等と連携し適切に対応することが可能であること。
・医科診療報酬点数表の感染対策向上加算又は外来感染対策向上加算に係る届出を行った医療機関が行う院内感染対策に関する研修又は訓練に1年に1回以上参加していること。
障害者支援施設等感染対策向上加算(Ⅱ)の算定要件
以下のいずれにも適合すること。
・医科診療報酬点数表の感染対策向上加算に係る届出を行った医療機関から3年に1回以上実地指導を受けていること。
・都道府県知事に届け出をしていること。
障害者支援施設等感染対策向上加算の取得単位
・障害者支援施設等感染対策向上加算(Ⅰ)・・・10単位/月
・障害者支援施設等感染対策向上加算(Ⅱ)・・・5単位/月
自立生活支援加算
居宅等で単身で生活が可能であると見込まれる利用者に対し、相談援助を行い、退去後には居宅等を訪問し相談援助等を行った場合に算定できる加算です。
自立生活支援加算(Ⅰ)の算定要件
・居宅における単身等での生活を本人が希望し、可能と見込まれる利用者であること。
・退居に向けて、個別支援計画を見直した上で、一人暮らし等に向けた支援を行うこと。
自立生活支援加算(Ⅱ)の算定要件
・居宅における単身等での生活が可能であると見込まれる利用者の退去に先立って、利用者に対して退去後の生活の相談援助を行うこと。
自立生活支援加算(Ⅲ)の算定要件
以下の要件を満たすこと。
・居宅における単身等での生活を本人が希望し、可能と見込まれる利用者であること。
・退居に向けて、個別支援計画を見直した上で、一人暮らし等に向けた支援を行うこと。
・利用者の希望を踏まえた上で、一定期間の支援の実施により、その退居後に一人暮らし等へ移行することを目的とした住居(移行支援住居)を1以上有すること。
・移行支援住居の定員が2人以上7人以下であること。
・事業所に置くべきサービス管理責任者に加え、専ら移行支援住居に入居する利用者に対する支援に従事するサービス管理責任者であって、かつ、社会福祉士又は精神保健福祉士の資格を有するものが7:1以上配置されていること。
・移行支援住居への入居を希望する利用者の入居に際して会議を開催した上で、利用者の意向を反映した個別支援計画を作成すること。
・移行支援住居の入居者に対し、住居の確保その他退居後の一人暮らし等に移行するための活動に関する相談、外出の際の同行、指定障害福祉サービス事業者等、医療機関等との連絡調整等の支援を実施すること。
・居住支援法人又は居住支援協議会に対して、定期的に、利用者の住宅の確保及び居住の支援に必要な情報を共有すること。
・居住支援法人と共同して、利用者に対して在宅での療養上必要な説明及び指導を行った上で、(自立支援)協議会や保健・医療・福祉等の関係者による協議の場に対し、住宅の確保及び居住支援に係る課題を定期的に報告すること。
自立生活支援加算(Ⅰ)の取得単位数
- 1,000単位/月
自立生活支援加算(Ⅱ)の取得単位数
- 500単位/回
自立生活支援加算(Ⅲ)の取得単位数
利用期間が3年以内の場合 | 80単位/日 |
利用期間が3年を超えて4年以内の場合 | 72単位/日 |
利用期間が4年を超えて5年以内の場合 | 56単位/日 |
利用期間が5年を超える場合 | 40単位/日 |
まとめ
今回は共同生活援助の加算の一部についてご紹介しました。共同生活援助は数多くの改正ポイントがありますので、適宜調べてみましょう。
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