【堺市 障害者グループホーム サービス管理者とは】~行政書士試験合格者が解説~

福祉業務

今回の記事から現在業務で行っている福祉関係の知識と、行政書士としての知識を組み合わせ、福祉についての知識を記事にしていきたいと思います。福祉業務を専門としている行政書士は数がまだ少ないと聞いています。理由としては、福祉知識の難しさが挙げられています。
グループホームを開設するためには人員基準が必要となります。今回は人員基準の要となるサービス管理者について説明したいと思います。

グループホームがどういった施設なのか興味がある方、今後グループホーム事業を行っていきたいと考えている方に参考にしてもらえたらと思います。

人員基準とは

障害者グループホームでは、職員の配置基準というものが定められています。支援に最低どのくらいの職員が必要なのか決められています。それを「人員配置基準」と言います。

障害者グループホームでは「管理者」「サービス管理者」「世話人」「生活支援員」が必要となります。

サービス管理者とは

サービス管理責任者とは、障害者総合支援法に基づき、「障害福祉サービス」を提供している事業所ごとに、配置を義務付けられた責任者のことです。
障害者グループホームでは30人に1人必要となります。サービス管理責任者は、常勤・専従でなくても可能。サービス管理責任者として届け出るためには、実務経験の要件を満たし、サービス管理責任者になるための研修を修了している必要があります。サービス管理者の役割は重要で以下の業務内容があります。

①支援に対してのアセスメントや調査

利用者に対しての支援内容の決定や調査を行います。サービス管理責任者は利用者の障害の状態を判断し、個別の支援計画の原案を作成した上で、職員で話し合い支援方法が適正かを会議しより密な計画書を作成します。また、個別支援計画が適切に提供出来ているか、モニタリングを行いより良い支援を行けるように計画内容を見直しや修正を行います。

②職員のスキルアップやサポート

サービス管理責任者は人材育成も重要な仕事です。障害者グループホームは人と関わる職種になりますので、障害に対しての正しい知識や介助方法といった技術面の指導や教育を行っていくことも求められます。職員のスキルアップの場を提供したり、内部研修を行ったりと利用者により良いサポートを行えるように職員の育成も行っていくことが求められます。

③関連機関との連携を図る

サービス管理責任者は、医療機関や自治体、障害者の就労移行支援事業所などとしっかりと連携を図りながら、障害を抱えている人の社会進出や地域交流が行えるように配慮していきます。他の機関と包括的な体制を構築していくことで、総合的なサポートを行えるようになり利用者の細かいニーズに応えることが出来るようになります。

サービス管理責任者になるための4つの条件

サービス管理責任者になるためには、次の4つの条件を全て満たす必要があります

  1. 実務経験
  2. 相談支援従事者初任者研修の受講
  3. サービス管理責任者等基礎研修の受講
  4. サービス管理責任者等実践研修

実務経験

障害者への保健、医療、福祉、就労、教育分野のいずれかにおける支援業務の「実務経験(の期間)」が必要になります。必要な実務経験の年数は、支援業務内容や所持している資格によって異なりますので、これからご紹介します。なお、各項の「必要期間」につき、「1年以上」とは、「業務に従事した期間が1年以上であり、かつ、実際に業務に従事した日数が1年あたり180日以上」という意味です(3年以上が必要な場合、3倍して従事期間3年以上・従事日数540日以上、と計算します)。
また、サービス管理責任者として働くためには、これから説明する実務経験の他に、それを証明する「実務経験証明書」を就業していた事業所・施設などに記載してもらい、各自治体へ届け出る必要があります。

相談支援業務(実務経験年数3年以上)
相談支援業務とは、障害を持った人の日常生活の自立に関する相談、助言、指導等の支援を行う業務のことです。必要な実務経験の年数は、「3年以上」となります。具体的には、以下のとおりです。

  • 施設等において相談支援業務に従事する者(包括支援センター含む)
  • 医療機関において相談支援業務に従事する者で、次のいずれかに該当する者
    1. 社会福祉主事任用資格を有する者(社会福祉士、精神保健福祉士、研修・講習受講者等)
    2. 訪問介護員(ホームヘルパー)2級以上(現:介護職員初任者研修)に相当する研修を修了した者
    3. 国家資格等を有する者
    4. 施設等における相談支援業務、就労支援における相談支援業務、特別支援教育における進路相談・教育相談の業務に従事した期間が1年以上である者
  • 就労支援に関する相談支援の業務に従事する者
  • 特別支援教育(盲学校・聾学校等)における進路相談・教育相談の業務に従事する者
  • その他上記の業務に準ずると都道府県知事が認めた業務に従事する者

3の「国家資格等」とは、次を指します。

医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士、視能訓練士、義肢装具士、歯科衛生士、言語聴覚士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復士、管理栄養士、栄養士、精神保健福祉士

直接支援業務(実務経験年数8年以上、研修受講者は6年以上)
直接支援業務には、以下の3つがあります。

  • 入浴、排せつ、食事その他の介護を行い、ならびに介護に関する指導を行う業務
  • その他職業訓練、職業教育に係る業務
  • 動作の指導、知識技能の付与、生活訓練、訓練等に係る指導業務

条件となる実務経験の年数は「8年以上」ですが、後述する基礎研修の受講者は「6年以上」となります。具体的な対象者は、以下のとおりです。

  • 施設及び医療機関等において介護業務に従事する者
  • 障害者雇用事業所において就業支援の業務に従事する者
  • 盲学校・聾学校・養護学校における職業教育の業務に従事する者

有資格者等(実務経験年数5年以上、条件次第では3年以上)
各種資格の所持と実務経験も、条件を満たします。ただし、これまでの業務内容と所有資格によって、必要な実務経験年数が異なります。まず、次のいずれかの有資格者は、上述した「直接支援業務」の実務経験年数が「5年以上」必要です(資格取得以前も年数に含めて可)。

  • 社会福祉主事任用資格を有する者(社会福祉士、精神保健福祉士、研修・講習受講者等)
  • 訪問介護員(ホームヘルパー)2級以上(現:介護職員初任者研修)に相当する研修を修了した者
  • 保育士
  • 児童指導員任用資格者
  • 精神障害者社会復帰施設指導員任用資格者

他に、次のいずれかの「国家資格等」を持ち、その業務に「3年以上」従事している方は、それに加えて上述した「相談支援業務」または「介護等業務」の実務経験年数が「3年以上」必要です(国家資格の期間と相談・介護業務の期間が同時期でも可)。

医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士、視能訓練士、義肢装具士、歯科衛生士、言語聴覚士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復士、管理栄養士、栄養士、精神保健福祉士

相談支援従事者初任者研修の受講

研修は、各都道府県が実施します。

研修の対象者は、「障害福祉サービス事業所に所属し、指定相談支援事業所において、相談支援専門員業務に従事する方」または「指定重度障害者等包括支援事業所において、サービス提供責任者業務に従事する方」となります。

基本的に、相談支援従事者初任者研修は「講義」と「演習」にわかれており、東京都などでは6日間にわけて行われます。ただ、サービス管理責任者になるために受講する場合は、講義の全てを受ける必要はなく、必要な部分である11.5時間を受けるだけで可能です。

サービス管理責任者等基礎研修の受講

この研修も、各都道府県が実施します。研修は、主に共通講義と演習を2日にわけて、計15時間にわたって実施されます。研修対象者は、条件①で説明した「必要な実務経験年数」から2年引いた実務経験年数を満たす方となります。

サービス管理責任者等実践研修の受講

この研修も、各都道府県が実施します。総研修時間は14.5時間となっています。研修対象者は、「基礎研修を修了後、5年間のうちに2年以上の相談支援又は直接支援業務経験(OJT)のある方」です。

なお、配置後も5年ごとに「サービス管理責任者等更新研修」を受講する必要がある点にはご注意ください。

サービス管理者の平均給料

2023年厚生労働省の調査によると、サービス管理責任者の平均月収は約39万円、12か月で計算すると約468万円となります。
もちろん、事業所や施設形態・都市部と地方によっても年収は変わります。さらに、勤続年数やスキルによっても収入は異なります。

まとめ

今回は障害者グループホームで重要な人材となるサービス管理者についてご紹介しました。サービス管理者になるためには多くの時間や経験が必要となります。また、障害者施設には配置しなければならないため、養成をしていく必要があります。

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