今回の記事から現在業務で行っている福祉関係の知識と、行政書士としての知識を組み合わせ、福祉についての知識を記事にしていきたいと思います。福祉業務を専門としている行政書士は数がまだ少ないと聞いています。理由としては、福祉知識の難しさが挙げられています。
グループホームを開設するためには設備基準・人員基準・運営基準の3つが必要となります。3つの基準を満たした上で事業所の指定を受けることで初めてグループホームを運営することが出来ます。今回は指定申請に必要な書類を確認してみましょう。
グループホームがどういった施設なのか興味がある方、今後グループホーム事業を行っていきたいと考えている方に参考にしてもらえたらと思います。
新規申請の流れ
1 事前協議
事業開始のおおむね3か月前を目安として協議を進める
↓
2 本申請 【要予約】
↓
3 申請書受理
↓
4 審査・必要に応じて書類の補正
↓
5 現地確認(事業開始予定月の前月15日頃)
※必ず現地確認当日までに備品の搬入、設備等を完了させる。
↓
6 指定書送付(事業開始予定月の前月下旬に順次発送)
↓
7 事業開始
指定申請で必要な書類

指定申請で必要な書類を自社で準備するものとそうでない物に分けてみます。
自社で作成する書類の主なもの
●指定申請書
●付表
●事業開始届
●指定申請に係る添付書類一覧表
●経歴書(管理者・サビ管)
●組織体制図
●従業者等の勤務体制および勤務形態一覧表
世話人や生活支援員などの職種や氏名、各 日・各週の勤務時間などの記載が求められます。
●サービス管理責任者従事者研修修了証・相談支援従事者研修修了証
●運営規程
●事業所の写真
●案内図
●平面図
平面図は、建物内部の図面です。建物を建てたときに用意される平面 図を流用できます。各部屋や廊下などの寸法や面積、使用用途を記載 し、場合によっては使用用途ごとの色分けも必要です。
●居室面積等一覧表
●設備・備品等一覧表
●事業計画書
事業計画書には、主に次の内容を記載します。
・事業内容
・事業の目標
・事業主や事業所
・事業の対象者 など
障害者グループホームの事業計画書や予算書は、融資申請のために銀行へ提出するような細かいものでなくても構いません。
●収支予算計画
●利用者またはその家族からの苦情を処理するために講ずる措置の概要
参考様式や記入例があるので、それらを確認しながら必要事項を記載しておくとよいでしょう。利用者や家族から苦情が出た場合、どのよう な手順で解決していくのか、具体的に想像して作成することが大切です。
●障害者支援施設等との連携体制及び支援の体制の概要
●障害者総合支援法第36条第3項各号の規定に該当しない旨の誓約書(放 課後等デイサービスなどの児童系のサービスを行なう場合は「児童福 祉法第21条の5の15第2項各号の規定に該当しない旨の誓約書」)
●介護給付費の算定に係る届出書兼体制等状況一覧表
●加算の届出書
●社会保険及び労働保険への加入状況にかかる確認票
●情報公表システムにおける基本情報登録依頼書
自社以外で作成する書類
●実務経験証明書(従業員が実務経験を積んだ(働いていた)事業所が作成)
●損害保険加入を証明する書類(損害保険会社が作成)
●協力医療機関との契約書(実務的には事業所作成の契約書などに医療 機関が押印等を行なったもの)
障害者グループホームのように、医師の常駐がない障害福祉サービスは協力医療 機関などとの協定が必要です。協力歯科機関は任意のケースが多いです が、協力医療機関との協定内容の写しはほぼ提出必須です。ただし、実際に協力医療機関に何か協力してもらうことは、あまりありません。何 かあった場合はかかりつけ医か、救急外来に行くからです。
法務局や消防などの行政機関が作成する書類
●防火対象物使用開始届出書(届出書は事業所などが作成・提出し、現 地調査の後で消防が押印したものをもらう)
消防関係の設備は、建物の種類や広さによって必要なものが変わってきます。消防署に確認し、必要な手続きを済ませておく必要がありま す。主な流れとしては、次の通りです。
1.消防署で設置が必要な設備を確認する
2.物件契約後、消防設備業者へ設置を依頼する
3.消防署へ設置届を提出し、検査してもらう
4.検査済証を発行してもらい、指定申請時に行政に提出する
●確認済証、検査済証
●履歴事項全部証明書、法人印鑑証明書(法務局が発行)
●土地・建物の賃貸借契約書又は登記簿謄本(3ヶ月以内原本)
まとめ
今回は堺市の指定申請書類一覧を参考にご紹介しました。地域によって必要となる書類に違いがありますので、その都度ご確認ください。
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