【堺市 グループホーム 服薬・金銭管理について】~行政書士試験合格者が解説~

福祉業務

今回の記事から現在業務で行っている福祉関係の知識と、行政書士としての知識を組み合わせ、福祉についての知識を記事にしていきたいと思います。福祉業務を専門としている行政書士は数がまだ少ないと聞いています。理由としては、福祉知識の難しさが挙げられています。
私は過去、病院相談員時に障害者グループホームの管理業務も一部行っていた経験があります。その経験の中で、グループホームならでの必要な支援があります。今回は「金銭管理」「服薬管理」について説明したいと思います。

グループホームがどういった施設なのか興味がある方、今後グループホーム事業を行っていきたいと考えている方に参考にしてもらえたらと思います。

金銭管理

まずは金銭管理から説明します。利用者の金銭管理に関しては、通帳を預かる障害者グループホームが多いですが、本人に身寄りがない場合などは現金だけでなく、金融資産等を預かるところもあります。

法令
障害福祉サービス等における日常生活に要する費用の取扱いについて(平成18年12月6日 障発第1206002号)

法令に規定もされているため、確認しておきましょう。
金銭管理は「金銭管理規程」を定め、出納帳の作成を行いましょう。その他、以下の書類を準備しましょう。

① 委託契約書

利用者が事業者に預り金の管理を委託する際の、正式な合意を契約書に残します。後から管理内容やルールを巡ってトラブルが発生した場合にも必要になります。

②預かり証

預けた金額と目的を明確にし、利用者と事業者がお互いに確認できる記録を残すものです。事業者側は何を預かったのかひと目で分かります。

個人別出納台帳

利用者ごとに、預り金の入出金の動きを一目で確認するための台帳です。不正防止や会計監査の際にも役立ちます。またトラブルなどが起きた際に、利用者やその家族への説明責任を果たすためにも必要です。

金銭管理規定の記載事項

(預り金等の範囲)
現金、預金通帳、印鑑、印鑑登録カードなど
(預り金等の管理事務の範囲)
現金の出納及び保管、預貯金通帳の保管及び預貯金の預け入れ又は引き出し、印鑑等の保管など
(管理責任者、副管理責任者)
(保管方法)
現金、通帳、書類等の保管は施錠できる金庫等に、もっとも安全な方法で保管する場所を決めましょう。
(預り金等の受け入れ)・(預り金等の引き出し)について
(預り金等の返還)
利用者より預り金等の返還の依頼があった場合や利用者が退所した場合、利用者が死亡した場合など決めておきましょう。預かった金銭は速やかに返還する必要があります。

参考にさまざまな金銭管理規定を調べて参考にしてみましょう。

服薬管理

非常に軽度の精神障害者を対象とした障害者グループは別として、ほとん どの障害者グループホームでは、スタッフが服薬の管理をしていることが多くあります。
職員が服薬管理を行うことにより、入居者は問題なく確実な服薬が可能になります。当然ながら、このときは医療機関との連携が重要になります。服薬管理方法を2つご紹介します。

①お薬カレンダーの活用

このとき利用されるのがお薬カレンダーです。調剤薬局などでお薬カレンダーをもらい、そこへセットするのです。なお障害者グループホームのスタッフが服薬介助を行うのは問題ありませんが、医療行為(インスリン注射など)は禁止されています。ただ、医療行為でない場合は手助けできます。

②薬局で一包化

管理が非常に煩雑な場合、医師に相談することで一包化の処方せんを書いてもらいます。これにより、調剤薬局で一包化してもらえます。すべての薬が一回の服用ごとにまとめられるため、障害者は服用しやすくなります。

お薬手帳で管理

お薬手帳」とは、いつ、どこで、どのような薬を処方されたか、医薬品名とその用法・用量、投与日数などが、経時的に記載された手帳です。精神疾患がある場合、内科と精神科など複数の医療機関に通院することがあります。病院が患者さんのお薬手帳を見ることで、各医療機関の処方を一元的かつ経時的に管理することができ、薬の相互作用のチェックや重複投与の防止、残薬調整など、医薬品のより安全で有効な薬物療法につなげることができますので活用しましょう。

服薬拒否の利用者にご飯に混ぜて薬を飲ませるのは・・・

知的障害や精神障害によっては服薬拒否が起こり、「薬を飲んでくれない」「どうにかして薬を飲ませたい」と悩む支援者はいるでしょう。そんな時にご飯に薬を混ぜようと考える人もいるかもしれませんが、それは「身体的虐待」にあたります。正しい薬の飲み方としては、やはり「水」や「ぬるま湯」で飲むのが基本。その他の工夫として、服薬ゼリーや医師に情報を共有してOD錠に変更などを検討していく必要があります。

まとめ

今回は障害者グループホームならではの支援である金銭管理と服薬管理に焦点を当てて説明しました。支援する中での注意点も含めて記事を書いていますので、参考になれば幸いです。

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