今回の記事から現在業務で行っている福祉関係の知識と、行政書士としての知識を組み合わせ、福祉についての知識を記事にしていきたいと思います。福祉業務を専門としている行政書士は数がまだ少ないと聞いています。理由としては、福祉知識の難しさが挙げられています。
今回の記事では障害者グループホーム3年に1回行われる運営指導についてご紹介します。運営指導のポイントをまとめていますので是非確認しておきましょう。
グループホームがどういった施設なのか興味がある方、今後グループホーム事業を行っていきたいと考えている方に参考にしてもらえたらと思います。
障害者グループホームの運営指導ポイント
指定権者は、主に以下の項目について確認を行います。ただし、あくまでも一般的な目安となります。
従業者の員数
●世話人の人員配置区分について、事業所全体で、必要数を満たしていない。
●夜間時間帯以外のサービス提供時間帯において世話人、生活支援員の員数が必要数を満たしていない
⇒必要数を満たせていない場合は、人員配置区分を見直し、必要員数を満たした配置区分による報酬算定、又は人員欠如減算を行う必要があります。
利用者負担額等の受領
利用者負担額の受領を適切に管理しているか。特に金銭管理をしている場合は、金銭管理規定に基づいた処理がされているか。また、食費や家賃は実費以上の請求をなされていないか帳簿を確認されます。
報酬について
個人単位の居宅介護等の利用の特例的取扱い(介護サービス包括型、日中サービス支援型)
令和6年3月 31 日までとされている重度障がい者に係る利用者ごとの個人単位での居宅介護等の利用について、当該経過措置が令和9年3月 31 日まで延長されました。ただし、所要時間が8時間以上である場合は、所定単位数の 100 分の 95 の算定となります。
夜間支援等体制加算
●1人の夜間支援員が複数の共同生活住居の夜間支援を行う場合は、少なくとも一晩につき1回以上は共同生活住居(サテライト型住居で巡回の必要がないとあらかじめ判断したものは除く。ただし、この場合であっても就寝前後に電話等により当該利用者の状況確認を行うことが必要。)を巡回しなければならないが、巡回を行っていない。(この場合は算定できません。)<Ⅰ型及びⅡ型の場合に限る>
●夜間支援についてのサービス提供記録(支援内容、利用者の状況、特記事項など)が整備されていない。
指定権者が確認する書類

運営指導時に確認される主な書類には以下のようなものがあります。
1.人員関連 | 勤務体制一覧表やタイムカード |
給与台帳、給与明細 | |
職員の雇用契約書 | |
秘密保持契約書 | |
雇用保険関連書類 | |
健康診断の記録 | |
研修計画とその記録 | |
2.サービス関連 | 重要事項説明書 |
利用契約書 | |
個人情報同意書 | |
アセスメント | |
個別支援計画 | |
モニタリング | |
契約内容報告書 | |
3.運営関連 | 運営規定 |
事故発生報告書 | |
各委員会の設置、報告書 | |
BCP関係 | |
虐待防止・身体拘束適正化関係書類 | |
加算の要件を満たすことを示す書類 | |
苦情・事故・感染症対応など各種マニュアル | |
4.請求関連 | 法定代理受領通知 |
利用者への請求書、領収書 | |
実績記録表 | |
5.その他 | 賠償責任保険の書類 |
会計書類 |
これらの書類は、適切に作成・保管されているだけでなく、その内容が実際のサービス提供と整合しているかも確認されます。
まとめ
障害福祉サービスでは3年に1回適切に運営されているか監査が行われます。ここで不適切と判断され、改善がされない場合は減算として報酬の返金が発生する可能性があるため、事前に確認しておきましょう。
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