【堺市 グループホーム 障害者虐待防止】~行政書士試験合格者が解説~

福祉業務

今回の記事から現在業務で行っている福祉関係の知識と、行政書士としての知識を組み合わせ、福祉についての知識を記事にしていきたいと思います。福祉業務を専門としている行政書士は数がまだ少ないと聞いています。理由としては、福祉知識の難しさが挙げられています。
今回の記事では障害者虐待について触れたいと思います。障害者グループホームでも障害者虐待の通報が増えています。この記事を参考に対策してもらえるとより良い支援に繋がるはずです。

グループホームがどういった施設なのか興味がある方、今後グループホーム事業を行っていきたいと考えている方に参考にしてもらえたらと思います。

障害者虐待防止法

第一条 この法律は、障害者に対する虐待が障害者の尊厳を害するものであり、障害者の自立及び社会参加にとって障害者に対する虐待を防止することが極めて重要であること等に鑑み、障害者に対する虐待の禁止、障害者虐待の予防及び早期発見その他の障害者虐待の防止等に関する国等の責務、障害者虐待を受けた障害者に対する保護及び自立の支援のための措置、養護者の負担の軽減を図ること等の養護者に対する養護者による障害者虐待の防止に資する支援(以下「養護者に対する支援」という。)のための措置等を定めることにより、障害者虐待の防止、養護者に対する支援等に関する施策を促進し、もって障害者の権利利益の擁護に資することを目的とする。

虐待防止措置未実施減算

障害福祉サービス事業所等には「虐待防止措置」の実施が義務付けられており、これが未実施の場合には、虐待防止措置未実施減算として基本報酬が減算されます。虐待防止措置未実施減算は2024(令和6)年度の報酬改定で新設されました。

  • 虐待防止委員会は1年に1回以上の開催
    1年度に1回以上ではなく、直近1年以内に1回以上実施しましょう。対応状況は適切に記録し、5年間保存する- 虐待防止委員会(身体拘束適正化委員会を含む)のメンバーには、利用者やその家族、専門的な知見のある外部の第三者なども加えるよう努めるとなおよいです。
  • 研修は1年に1回以上の実施が必要です
    1年度に1回以上ではなく、直近1年以内に1回以上実施する必要があります。

虐待防止措置未実施減算に該当する場合、利用者全員分の基本報酬が1%が減算されます。

障害者虐待の種類

虐待と聞くと暴力や暴言などが一番に思いつくのではないでしょうか。虐待の種類を知ることでどんなことが虐待とされているのかを理解することが出来ます。

① 身体的虐待

障害者の身体に外傷が生じ、若しくは生じるおそれのある暴行を加え、又は正当な理由なく障害者の身体を拘束すること。

身体拘束に関する義務
① 身体拘束等を行う場合には、その態様及び時間、その際の利用者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由その他必要な事項を記録すること。
② 身体拘束等の適正化のための対策を検討する委員会を定期的に開催するとともに、その結果について、従業者に周知徹底を図ること。
③ 身体拘束等の適正化のための指針を整備すること。
④ 従業者に対し、身体拘束等の適正化のための研修を定期的に実施すること。
※上記を満たしていない場合、基本報酬を減算(身体拘束廃止未実施減算5単位/日

② 性的虐待

障害者にわいせつな行為をすること又は障害者をしてわいせつな行為をさせること。(例:裸にする ・性器への接触 ・本人の前でわいせつな言葉を発する・わいせつな映像を見せる、など)

③ 心理的虐待

障害者に対する著しい暴言、著しく拒絶的な対応又は不当な差別的な言動その他の障害者に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと。(例:仲間に入れない ・こども扱いする ・意図的に無視する、など)

④ ネグレクト(放棄・放置)

障害者を衰弱させるような著しい減食又は長時間の放置、他の利用者による①から③までに掲げる行為と同様の行為の放置その他の障害者を養護すべき職務上の義務を著しく怠ること。(例:あまり入浴させない・汚れた服を着させ続ける ・排泄の介助をしない ・学校に行かせない・劣悪な住環境の中で生活させる ・病気や怪我をしても受診させない、など))

⑤ 経済的虐待

障害者の財産を不当に処分することその他障害者から不当に財産上の利益を得ること(例:本人の同意なしに財産や預貯金を処分、運用する・日常生活に必要な金銭を渡さない、使わせない・本人の同意なしに年金等を管理して渡さない)

虐待の起きる要因は

厚生労働省の調べでは主に4つの観点が指摘されています。

①教育・知識・介護技術等に関する問題
②職員のストレスや感情コントロールの問題
③倫理観や理念の欠如
④虐待を助長する組織風土や職員間の関係性の悪さ

この点を押さえ虐待防止マニュアルの作成をしていきましょう。

まとめ

今回は年々増加している障害者虐待についてご紹介しました。障害者虐待が起きないよう、より良い支援に繋がるように支援体制を組んでいきましょう。

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