今回の記事から現在業務で行っている福祉関係の知識と、行政書士としての知識を組み合わせ、福祉についての知識を記事にしていきたいと思います。福祉業務を専門としている行政書士は数がまだ少ないと聞いています。理由としては、福祉知識の難しさが挙げられています。
今回は障害福祉サービスの就労継続支援B型の人員で重要な職業指導員について説明します。生活支援員と混同されがちなので、職業指導員の役割を確認しておきましょう。
就労継続支援B型がどういった施設なのか興味がある方、今後就労継続支援B型の事業を行っていきたいと考えている方に参考にしてもらえたらと思います。
職業指導員とは
職業指導員は、利用者が社会でしっかり働いていけるようになることを目指し、仕事に必要な知識や技術を向上させるための支援を行います。たとえば、パソコン・木工・園芸・印刷といったスキルを、利用者の適性や好みに応じて選び、訓練します。また、技術や知識だけでなく、働くための社会的なマナーも教えることが特徴です。
職業指導員の主な仕事は利用者の就労をサポートすることですが、就労した後のフォローや家族のサポートなども職業指導員の業務に含まれています。

職業指導員の業務
勤務する事業所により職業指導員の仕事内容は異なりますが、おおまかに下記の5つに分類できます。
1.職業訓練
2.利用者の就職サポート
3.就職後のフォロー
4.利用者やその家族の相談対応
5.利用者の生活支援
ここでは、それぞれの業務についてどんなことをしているのか細かく説明していきます。
職業訓練
まず、利用者が抱える症状、適性、好みを把握して職業訓練を行います。職業訓練の内容はパソコン作業・工場のライン作業・調理補助・清掃・清掃など様々あり、利用者のどんな個性が就労に生かせそうか、しっかり見極めることが重要です。また、職業訓練は複数人の利用者に対して職業指導員1人が付き添い、チームとなって作業に向かいます。
作業中は知識面・技術面で指導することはもちろんですが、利用者一人ひとりに目を配り体調面・メンタル面での不調はないか声をかけながら行います。
利用者が抱える障害は様々です。言葉選びやほんの些細な態度の違いが思わぬトラブルに繋がってしまうこともあるため、コミュニケーションを重ねて丁寧にフォローしていくことが求められます。
利用者の就職サポート
利用者の就職サポートは基本的に就労継続支援B型の事業所内で行います。履歴書など応募書類の作成サポートや面接指導のほか、企業の面接へ同行することもあります。
また、就職先企業とのやりとりや調整の他、障害がある方の職業実習を受け入れてくれる企業を探すことも職業指導員の大事な業務です。
障害者雇用の経験が少ない企業とやりとりをすることもあるため、職業指導員が間に入って説明を行いうことも必要です。
就職後のフォロー
就労継続支援B型では少ないでしょうが、利用者の就労が決まった後も職業指導員の業務は続きます。定期的に就労先を訪問し、利用者がしっかり業務に取り組めているか、就労先とのコミュニケーションが上手くいっているかなどを確認します。
うまく就労継続に進むこともあれば、利用者が不安や不満を抱えている場合もあります。こまめに面談を行ってフォローしつつ、利用者と一緒に問題に向き合っていくことが必要になります。
利用者やその家族の相談対応
職業指導員は必要に応じて利用者の家族のケアも行う場合があります。とくに、利用者が家族以外に心を開かない場合や家族の方が就労に対して不安を抱えている場合は、家族や保護者と密にコミュニケーションを取ることが大切です。
利用者の生活支援
就労継続支援B型の事業所によっては、利用者の生活支援も職業指導員が行うことがあります。生活支援とは、食事や排泄、入浴の介助に始まり、健康管理や生活全般において困っていることがあれば相談に乗るなども業務の範囲に含まれます。
職業指導員になるには?
職業指導員になるために必要な資格や経験、技能はありません。職業指導員を募集している求人に応募し、選考に合格して採用となれば職業指導員として働くことができます。無資格・未経験関係なく、どなたでもチャレンジできる職業です。
職業指導員に役立つ研修

職業指導員として働く場合、介護職員初任者研修を修了しておけば生活支援員と一緒に利用者のケアができ、仕事の幅が広がる可能性があります。介護職員初任者研修とは、介護職員として働くために必要な基本的な知識・技術を学ぶ研修です。
介護福祉サービスのあらゆる場面で求められる、食事や排せつ・体位の変換や車椅子への移乗といった身体に関する介護技術は実技講習で身につけられます。調理や洗濯・清掃などの生活支援の技術も、事業所の運営に役立つでしょう。

まとめ
今回は就労継続支援B型で利用者の支援に必要な職業訓練指導員についてご紹介しました。就労継続支援には就労の支援が重要な役割となっています。そのため、職業訓練指導員の重要となります。就労継続支援B型には生活支援員もいますが、同じ施設内で業務するため福祉の知識も含めて支援をしていきましょう。

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