【大阪 就労継続支援B型の目標工賃達成指導員とは】~行政書士試験合格者が解説~

今回の記事から現在業務で行っている福祉関係の知識と、行政書士としての知識を組み合わせ、福祉についての知識を記事にしていきたいと思います。福祉業務を専門としている行政書士は数がまだ少ないと聞いています。理由としては、福祉知識の難しさが挙げられています。
今回は障害福祉サービスの就労継続支援B型の工賃向上するための目標工賃達成指導員について説明します。令和6年度に報酬改定もされていますので確認していきましょう。

就労継続支援B型がどういった施設なのか興味がある方、今後就労継続支援B型の事業を行っていきたいと考えている方に参考にしてもらえたらと思います。

目次

目標工賃達成指導員とは

就労継続支援B型の平均工賃月額は、年々増加しています。とはいえ、工賃が1万円未満の事業所は全体の約4割と、まだまだ多い状況です。そこで注目されているのが、工賃アップを目指して配置される「目標工賃達成指導員」です。

各都道府県で作成される工賃向上計画に基づき、工賃向上計画を作成し、計画に掲げた工賃目標の達成に向けて積極的に取り組む指導員のことです。

「目標工賃達成指導員」の仕事内容例について

・「作業単価」を上げる交渉をする
・「新しい作業」取得の営業をかける
・作業能力アップの支援を行って「高単価の作業受注」を目指す
・「作業工程」を見直すなど作業効率が上がるように改善をはかる

目標工賃達成指導員に資格は必要ありません。しかし、上記のような役割を踏まえると、障がい福祉とビジネス双方の知識・スキルが大切になってきます。
なお、目標工賃達成指導員は加算が算定できる手前、他の職種との兼務は不可です。そのため、人員に余裕が出てきたとき、職業指導員などを目標工賃達成指導員へ配置換えするとよいでしょう。

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目標工賃達成指導員配置加算

以下のすべてを満たした場合に算定できます。

・就労継続支援サービス費ⅠまたはⅢを算定している
工賃向上計画を作成している
・目標工賃達成指導員を、通常の人員配置とは別に常勤換算方法で1.0人以上配置している
・目標工賃達成指導員・生活支援員・職業指導員の合計数が、平均利用者数(※)を6で割った数以上である
※目標工賃達成指導員+生活支援員+職業指導員 ≧ 前年度の平均利用者数÷6

<「工賃向上計画」の作成のポイント>
・新しい販売先を営業して探してくる
・改善の余地を委託事業者に伺い、どのような条件であれば、より買取価格が上がるかを聞く
・作業内容を効率化できるか再検討する
・他に収益が上がる活動ができるか検討する

目標工賃達成指導員配置加算

イ 利用定員が20人以下 45単位
ロ 利用定員が21人以上40人以下 40単位
ハ 利用定員が41人以上60人以下 38単位
ニ 利用定員が61人以上80人以下 37単位
ホ 利用定員が81人以上 36単位

目標工賃達成加算

目標工賃達成指導員配置加算の対象となる指定就労継続支援B型事業所等が各都道府県において作成される工賃向上計画に基づき、自らも工賃向上計画を作成するとともに、当該計画に掲げた工賃目標を達成した場合に、1日につき所定単位数を加算する。(10点加算)

令和6年報酬改定の影響

令和6年度の報酬改定により、就労継続支援B型事業所で「目標工賃達成指導員配置加算」を取得して、更に「目標工賃達成加算」と組み合わせても従来のように高い加算報酬を得ることができなくなりました。

例)平均利用者18名/開所日数21日

令和5年度以前:「目標工賃達成指導員配置加算」のみ
89単位×10円×21日×18名=336,420円増/月

令和6年度以降:「目標工賃達成指導員配置加算」+「目標工賃達成加算」
55単位×10円×21日×18名=207,900円増/月

1ゕ月で128,520円のマイナス収益となりますですが…

平均利用者18名/開所日数21日/平均工賃12,000円

令和5年度以前
基本報酬:590単位×10円×21日×18名=2,230,200円/月
加算:89単位×10円×21日×18名=336,420円/月
合計:2,566,620円/月

令和6年度以降
基本報酬:673単位×10円×21日×18名=2,543,940円/月
加算:55単位×10円×20日×15名=207,900円/月
合計:2,751,840/月

全体的に見れば1ゕ月で185,220円のプラス収益が出ます

加算による収益増と人件費負担の増額のバランスが重要です。小規模の事業者は収入減に加え人件費もかかるので、一層のこと人件費の節約と割り切って「目標工賃達成指導員配置加算」を止めることも検討した方が良いかもしれません。

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まとめ

今回は就労継続支援B型の工賃を向上させることを専門とした目標工賃達成指導員の役割と加算について焦点を当ててみました。令和6年の報酬改定で就労継続支援B型の報酬が全体的に上がってはいますが、目標工賃達成指導員の配置加算は厳しい見直しがされていますので注意しましょう。

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