今回は障害福祉サービスの就労継続支援B型を開設するために必要な物件の探し方について解説します。
就労継続支援B型の物件を探す方法はたくさんあります。実際には不動産会社に依頼して探してもらうことになりますが、その前にどのエリアがどれだけの利用者がいるのかなど分析をする必要があります。
そういった地域の分析や職員の通勤環境などを含めて事業所の開設エリアを絞ることが就労継続支援B型の事業所開設の成功のポイントとなります。
就労継続支援B型がどういった施設なのか興味がある方、今後就労継続支援B型の事業を行っていきたいと考えている方に参考にしてもらえたらと思います。
物件選びで考慮したいポイント
就労継続支援B型の物件を探す際に気をつけたいポイントを3つご紹介します。就労継続支援B型は就労先になるため、利用者の利便性と、近隣住民やスタッフのことも考えた物件選びが成功の秘訣となります。
①近隣住民の理解を得ることが重要

事業者指定の要件ではありませんが、近隣住民の理解を得ることは重要です。
就労継続支援B型が近隣住民とトラブルになると事業運営に支障をきたすこともあります。
近隣住民のほとんどは「障害者の方も、慣れ親しんだ地域で生活することは大切」という理解しています。しかし、「家の近くで何かトラブルが発生するのではないか」との不安がある方もいます。
近隣住民の理解と協力を得て就労継続支援B型を円滑に運営する方法として近隣住民に挨拶にいくことをお勧めします。
挨拶まわりをする際は、服装はもちろん、チラシや名刺も整えておくと、「会社としてしっかりしている」という安心感を抱いてもらえます。
②利用者目線で嬉しい立地
就労継続支援B型の立地は利用者が快適に通勤・就労先であることも重要です。具体的には以下のような立地が考えられます。
- 通勤に便利な公共交通機関のアクセスが良好な立地
- スーパーやコンビニエンスストアなどの生活に必要な施設が近くにある立地
- 入居先などから通所先に通いやすい立地
- 駐車場が確保されている
基本的には通勤しやすく、就労に適した立地条件が必要と考えてよいでしょう。
③経営者・スタッフ目線で嬉しい立地
経営者・スタッフから見ても利用者と同じように通勤や就労しやすい環境が重要です。就労継続支B型の立地はスタッフの労働環境に大きく影響します。また、従業員を募集する際にもアピールポイントとなるため経営者やスタッフ目線でも立地を検討することが大切です。
以上のことを考慮した上で就労継続支援B型としての物件を探していきましょう。

就労継続支援B型の立地を探すポイント

就労継続支援B型の物件を探す際に既存の就労継続支援B型の事業所がどれだけあるのか、またどれだけの利用者がいるのかをマーケット調査する必要がありますので、その方法を紹介します。
まず、前提として就労継続支援B型を開業する場合、ビルのテナントや戸建を利用するのが一般的です。
マンションを利用することもできますが、開業用途での利用が厳しくなってきているため、避けた方が無難でしょう。
面積の規定は特に設けられていませんが、仮に1人当たり3.3㎡を基準に定員20名として計算すると「3.0㎡×20名=60㎡」を超える広さの訓練・作業室を確保できる物件を選ぶ必要があります。また、用途変更申請の確認手続きが不要となる、全体の床面積が200㎡以下の物件がおすすめです。
また、先ほど説明しました利用者の通所やスタッフの通勤などを考慮すると、利便性の高い駅の近くなどが候補となります。ただし利用者の送迎を行えば加算を算定できるので、送迎の実施を視野に入れて、駅から離れた物件を探すのも可能です。
マッピング
先程の就労継続支援B型の充足率の他にマーケット調査では立地選びも大切になってきます。利用者は日中どのような場所に通うのか、近くにコンビニやスーパー はあるのかといった利便性について十分考慮する必要があります。その際、役立つのが「マッピング」です。
既存就労継続支援B型のマッピング
次に、既存就労継続支援B型のマッピングです。事業所ごとの住所でマッピングしていきます。
居住先(グループホーム)のマッピング
さらに利用者の主な入居先は、グループホームなどの施設が多いです。一般住居の場合の勤務先は様々であり、マッピングするとわかりづらくなるため、グループホームのみでマッピングすると良いかもしれません。このようなマッピングはWAMNETを活用することで簡単に調べることが可能です。

まとめ
今回は就労継続支援B型を開設する際のマーケット調査を含めた物件の探し方についてご紹介しました。マーケット調査をすることが就労継続支援B型を成功させるうえで重要となりますので、この記事を参考に確認してみましょう。
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