今回は就労継続支援B型の開設するための申請手続きについてご紹介します。
障害福祉サービスを開始するには行政の許可が必要となります。許可を取る手続きを指定申請と呼びます。指定申請が完了すると、事業所番号を得ることができ事業開始となります。
今回は申請の流れと必要な書類についてご紹介します。
就労継続支援B型がどういった施設なのか興味がある方、今後就労継続支援B型の事業を行っていきたいと考えている方に参考にしてもらえたらと思います。
新規申請の流れ
指定申請を行う前に、申請先の行政機関へ事前協議が必要になります。協議の上、確認を行い申請書や下記に必要な書類を揃え申請を行います。申請後は、現地確認を経て指定(許可)がされます。
1 事前協議
事業開始のおおむね3か月前を目安として協議を進める
↓
2 本申請 【要予約】
↓
3 申請書受理
↓
4 審査・必要に応じて書類の補正
↓
5 現地確認(事業開始予定月の前月15日頃)
※必ず現地確認当日までに備品の搬入、設備等を完了させる。
↓
6 指定書送付(事業開始予定月の前月下旬に順次発送)
↓
7 事業開始
指定申請で必要な書類

指定申請で必要な書類を自社で準備するものとそうでない物に分けてみます。
申請に必要な書類一覧
・申請書
・付表
・法人登記簿謄本
・誓約書
・組織体制図
職種 | 配置数 | 常勤要件 | 備考 |
管理者 | 1名以上 | なし | |
サービス管理責任者 | 1名以上 | あり | 60:1 |
生活支援員 | 1名以上 | どちらかが常勤 | 10:17.5:16:1(令和6年度報酬改定で新設)資格要件なし※ 例えば、7.5:1は利用者7.5人につき生活支援員等が1人の体制という意味です。 |
・管理者の経歴書
・サービス管理責任者の経歴書及び研修修了証
・従業者の勤務の体制及び勤務形態一覧表
・平面図
平面図は、建物内部の図面です。建物を建てたときに用意される平面 図を流用できます。各部屋や廊下などの寸法や面積、使用用途を記載 し、場合によっては使用用途ごとの色分けも必要です。
設 備 | 要 件 |
訓練作業室 | サービス提供に支障のない広さを備えること。大阪市は利用者一人当たりの面積が約3.0㎡。3.3㎡の指定権者もあり。最低定員が20名であることから一人当たりの面積が3㎡であれば、訓練指導室の最低面積は60㎡が必要。 |
相談室 | プライバシーに配慮できる空間にすること |
多目的室 | 相談室と兼務も可能 |
洗面所・トイレ | トイレ手洗いと洗面所の兼用は不可 |
事務室 | 鍵付き書庫 |
・設備・備品等一覧表
・運営規程

・指定障害福祉サービスの主たる対象者を特定する理由等
・利用者又はその家族からの苦情を解決するために講ずる措置の概要
・協力医療機関との契約の内容
就労継続支援B型のように、医師の常駐がない障害福祉サービスは協力医療機関などとの協定が必要です。協力歯科機関は任意のケースが多いです が、協力医療機関との協定内容の写しはほぼ提出必須です。ただし、実際に協力医療機関に何か協力してもらうことは、あまりありません。何 かあった場合はかかりつけ医か、救急外来に行くからです。
・資産(財産)の目録
・事業所の不動産登記簿謄本、賃貸借契約書の写し等
・事業計画書
・事業内容
・事業の目標
・事業主や事業所
・事業の対象者 など
・収支予算書
就労系サービスは厚生労働省が定めた就労会計に沿って、会計を行っていく必要があります。そのためには労支援事業の会計書類の作成が必要になってきます。
- 就労支援事業別事業活動明細書
- 就労支援事業製造原価明細書
- 就労支援事業販管費明細書
- 就労支援事業明細書
・生産活動計画書
・併設する施設の概要
・非常災害対策
・土砂災害特別警戒区域に該当しないことの確認
・損害賠償発生時の対応方法を明示する書類
・職員の秘密保持(運営規程又は就業規則)
・作業工賃の支払いに関する規程
・他法令に関すること
・介護給付費等算定に係る体制等に関する届出書
・加算に関係する届出書

まとめ
今回は就労継続支援B型を開設するための指定申請の流れと必要になる書類についてご紹介しました。指定申請をするために、人員基準と設備基準を揃えた上で申請書と添付資料を作成し行政機関へ申請を行うことになります。
申請が通れば、指定事業所となり事業者番号が附番されます。その附番された事業所番号で給付事務処理を行うことで、障害福祉サービス料が支払われることになります。指定申請の流れと必要書類を各自治体のホームページで確認しておきましょう。
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