【大阪 就労継続支援B型 施設外就労とは】~行政書士試験合格者が解説~

就労継続支援B型に来る利用者の能力はさまざまです。利用者の中には、就労継続支援事業所が提供する業務内容だけでは物足りなくなってきた利用者も出てくるかもしれません。

そんな利用者が増えた場合、利用先を変えられてしまうと事業所としては利用者が減ってしまい経営にダメージを負うことになりかねません。

利用者がもっと他の事業所での業務やレベルアップしていきたいと言われた時に、施設の規模を拡大させるのは経費も必要になりますし、新たな事業所を立ち上げるべきか等、悩みや課題が多くあります。

そんな時に、新たな事業所の立ち上げることなく、しかも事業所の指定を受けている定員以上に利用者を支援することが出来き、利用者のニーズに答えることも出来る「施設外就労」といった方法があります。今回は就労継続支援B型における、施設外就労についてご紹介します。

就労継続支援B型がどういった施設なのか興味がある方、今後就労継続支援B型の事業を行っていきたいと考えている方、現在就労継続支援B型を経営されている方に参考にしてもらえたらと思います。

目次

施設外就労とは

まず、施設外就労とは職員と利用者が業務請負契約を結んだ企業などに行き、請負作業を通じて支援します。メリットとしては以下のことが考えられます。

  • 一般企業の中での仕事を通じた就労支援が可能になる
  • 実習と違い工賃(賃金)が発生する
  • 定員とは別に、定員と同人数までサービス提供ができる など

施設外就労の要件

施設外就労を算定するには、施設外就労の要件を満たしていなければなりません。施設外就労には非常に多くのルールがありますが、その概要は以下のようになります。

  • 施設外就労を行う日の利用者数に対して人員配置基準上又は報酬算定上必要とされる人員(常勤換算)の職員を配置するとともに、事業所についても施設外就労を行う者を除いた前年度の平均利用者数に対して報酬算定上必要とされる人数(常勤換算)の職員を配置している。
  • 施設外就労先の企業と作業についての「請負契約」を締結していること。つまり、当該就労継続支援事業所を運営している法人と請負契約を締結できる関係でなければならず、同一法人内では請負契約の当事者となることはできないので、施設外就労先の企業は、当該就労継続支援事業所を運営している法人とは別法人でなければなりません。
  • 事業所は請け負った作業を施設外就労先の企業から独立して行い、利用者に対する指導等については事業所が自ら行っている。
  • 事業所が請け負った作業について、利用者と施設外就労先の企業の従業員が共同で処理していないこと。
  • 利用者と事業所との関係は、事業所の施設内で行われる作業の場合と同様である。
  • 施設外就労の提供が、運営規程に位置付けられていること。
  • 施設外就労を含めた個別支援計画が事前に作成されていること。
  • 施設外就労により就労している者と同数の者を主たる事業所の利用者として、新たに受け入れることが可能であること。
  • 施設外就労に関する実績報告書を施設外就労を行った翌月に市町村に対し提出していること。
  • 施設外就労の報酬の適用単価については、主たる事務所の利用定員に基づく報酬単価を適用すること。

施設外就労に参加できる利用者数

施設外就労では、利用定員とは別に、利用定員と同数までサービス提供できます。

定員20人以下の事業所の場合

  • 通常の利用者 … 最大20人/日 
  • 施設外就労での利用者 … 最大20人/日
    ⇒ 1日の利用可能人数 … 20人+20人=40人/日

施設外就労における職員の配置基準

施設外就労では、当日の施設外就労に参加する利用者数に対して、報酬算定上必要とされる人数(常勤換算)の生活支援員、職業指導員、就労支援員を配置します。

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算定のために準備するもの

運営規程や個別支援計画、請負の契約書などに加えて「要件を満たした」と客観的にわかる記録が必要です。

  • 施設外就労の実施を明記した運営規程
    ※ 記載していない場合は作成し直し、指定権者に変更届を提出します 
  • 施設外就労を位置づけた個別支援計画
    ※ 施設外就労の前に作成・交付されている必要があります
    ※ 記載されていない場合はフローに則って個別支援計画を更新・交付します
  • 施設外就労の日報
  • 施設外就労先との請負作業に関する契約書
  • 賃貸借契約書または使用賃借契約書 
    ※ 作業に必要な機械・設備などを施設外就労先から借りる場合のみ
  • 材料費などの代金の定めと取引の履歴がわかるもの
    ※ 作業に必要な材料などの供給を受ける場合のみ

注意点

利用者への指導は、必ず支援員が行います。施設外就労先の従業員が、利用者へ直接指導することのないようにしましょう。従業員→支援員→利用者の流れで指導しましょう。

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まとめ

今回は就労継続支援B型の作業所が行える利用者のスキルアップの方法として、施設外就労についてご紹介しました。施設外就労では、請負契約など契約はややこしいのですが、実施することで利用者の業務の選択肢が増えます。
そのことにより、利用者を逃すことなく、利用者を増やすことになり、事業所の利益も上がることに繋がります。
私が知っている施設外就労を行っている事業所では就労継続支援A型の事業所の一部を請け負っているところがありました。施設外就労先を検討することで就労継続支援B型の事業展開に繋がるかもしれませんね。

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