【大阪 就労継続支援B型 食事提供加算のポイント】~行政書士試験合格者が解説~

就労継続支援B型の事業所での報酬には基本報酬と加算があります。事業所の収益を上げるためには、加算をどのようにとっていくのかが重要となります。

加算はさまざまありますが、3年に1度の報酬改定や毎年の改正が行われる為情報を逐一確認しないと加算の要件などが変わってしまったり、新たな加算を取り損ねたりしてしまいます。

障害福祉サービス事業所の中には、加算について知らないために加算を取れる支援を行っていたいにも関わらず、200万円もの加算を取り損ねていたと聞いたことがあります。

利用者の支援を行っている事業所は日々忙しい業務の中で、報酬改定の情報を調べていくことは至難の業とも言えます。しかし、加算を上手く活用することで事業の収益は増え事業の安定、従業員への給料アップ、利用者への支援の質の向上、事業拡大にプラスのサイクルを生み出すことに繋がります。

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今回は就労継続支援B型が取ることが可能な加算のうち、食事提供加算についてご紹介します。食事提供加算は令和6年に要件の改正が行われました。

改正点も含めてご紹介します。食事提供加算を取得することで、利用者の食事提供時の負担を軽減出来たり、事業所が負担していた食事提供費用を削減することが出来るなど、事業所の食事の提供の仕方によって違いますが、利用者の増員や事業所の経費の削減の効果があります。

この記事を読んで分かること
・食事提供加算の種類と算定要件
・算定するための具体的な提供方法
・加算算定のポイントを理解し売上アップに繋げ方

目次

食事提供加算とは

生活保護世帯・市町村民税非課税世帯・所得割16万円未満のサービス利用者に対して、次の条件をすべて満たした上で当該施設(事業所が原則)の調理室を使って食事の提供をおこなった場合、加算されます。

2024年3月31日までとされていた食事提供体制加算は、サービス利用者への食事提供による栄養面での配慮から経過措置として2027年3月31日まで延長されました。

食事提供加算の報酬

【食事提供体制加算(就労継続支援B型を含む通所系:30単位/日)】

例えば、利用者が20人いる場合、その利用者が平均18日間通所したとしましょう、そうすると以下の計算になります。

20人×18人×30単位=10,800単位

1単位平均10円と計算すると、108,000円食事提供加算だけで事業所の収益がひと月10万円もアップすることになります。年間計算すると1,296,000円で約130万円のアップとなります。
非常勤職員一人を雇えそうですね。

利用者から徴収する食事の料金は?

食事提供の費用(材料費+人件費)-加算額 となります。

食事提供加算の対象となるための要件

事業所が食事提供加算を受けるには下の3つの要件をクリアする必要があります。

管理栄養士もしくは栄養士が献立つくりに関わる(献立の監修も含む)

管理栄養士、栄養士は常勤である必要はありません。また、調理を外部に委託している場合でも委託先で管理栄養士、栄養士が献立つくりに関わっていれば大丈夫です。ただし、出前や市販の弁当の提供は認められません。

利用者ごとの摂取量を記録している

摂取量の記録は目視や自己申告によるものでも大丈夫です。

・ 提供日を必ず記載します。
・量は「完食」「全体の○割」のように記載します。

利用者ごとの体重やBMI(身長、体重から算出される肥満度を表す体格指数)を概ね6か月に1回記録している

・おおむねの身長がわかる場合は、必ずBMIを記録します。
・身体障害で身長測定が難しいなどの事情で身長がわからない場合は、体重の記録だけで算定できます。
・利用者が体重を知られたくない場合は、3の要件を満たさなくても算定できますが、その場合は支援記録などに、本人の意向を確認したことを記録する必要があります。

注意点

  • 調理員や委託業者が事業所内で調理し、提供している
  • 事業所外で調理された場合、衛生上の適切な対策がされた上で運搬している
  • 出前や市販の弁当、外食は加算対象外

調理員が必要である可能性や出前や市販の弁当では対象外となる部分には気をつけたいところです。事業所の支援員が調理する場合、その時間は支援業務への従事時間としてカウントできません。調理員として勤務した時間と支援員として勤務した時間を勤務表上で分けて管理するとともに、基準上必要な職員が不足しないか注意しましょう。

算定のための準備

算定するためには指定権者に届出が必要となります。届出を提出した時から算定可能になります。以下算定に必要なものをまとめました。

  • 食事提供の体制
    ※ 
    事業所の調理設備や業務委託契約など
  • 調理設備がわかる事業所の平面図※事業所で調理する場合
  • 調理外注業者などとの委託契約書
    ※ 
    委託の場合
  • 食事提供をおこなう旨を記載した個別支援計画書
  • 献立表
    ※ 管理栄養士などが作成または確認したことがわかるもの
  • 利用者への食事提供の記録
    ※ 利用者の摂食量、体重・BMIの記録を含む
  • 届出書類

引用:厚生労働省の様式

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まとめ

今回は就労継続支援B型の報酬をあげるために必要な加算の内、食事提供加算をピックアップしてみました。

食事提供体制加算を算定している就労継続支援B型は「約54.0%」と全体の半数といった情報もあり、算定済事業所で加算対象となる利用者数は約85.1%と言われています。

提供しているのに加算算定出来ていない事業所が多くあるかもしれませんので、今一度報酬の請求状況を見直してみてはいかがでしょうか。

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