【大坂 就労継続支援B型 つぶれる?現状把握と解決策】~行政書士試験合格者が解説~

障害福祉サービスである就労継続支援B型は近年数が増え、事業所の作業内容もさまざまな種類を取り扱うようになってきました。厚生労働省の調査によると、就労継続支援B型事業所の数は年々増加傾向にあり、平成27年(2015年)には9,698ヵ所だった事業所数が、令和4年(2022年)には15,748ヵ所と、約1.6倍に増加しました。

事業所運営をされている方の中には、近くに就労継続支援B型の事業所が何件かできたと話をきく機会も増えているかもしれません。そうなってくると、利用者をとられるのではないか?利益が落ちるのではないか?このままいくとつぶれてしまうのではないか?といった不安を抱えることになるかもしれません。

2021年の福祉医療機構の調査によると、就労継続支援B型の赤字事業所の割合は35%におよび、1/3以上の事業所は経営に苦しんでいます。

出典:2021 年度(令和 3 年度)日中活動系障害福祉サービスの経営状況について

福祉事業だから利益は考えてはいけないと思っている運営者様もいるかもしれませんが、就労継続支援B型事業所を取り巻く環境は厳しく、生き残っていくためには、様々な課題を克服していく必要があります。今回は就労継続支援B型の事業所がつぶれていくのか、自分の事業所の現状はどうなのかを見つめ直し、改善策を見つけてもらえたらと思います。

今回の記事を読むことで、就労継続支援B型を運営する方の現状把握と経営改善につながればと思います。

この記事を読んでわかること
・就労継続支援B型がつぶれる原因
・就労継続支援B型が抱える課題・問題点
・就労継続支援B型の生き残り戦略

目次

就労継続支援B型がつぶれる原因

就労継続支援B型が経営状況の低迷する主な原因を洗い出してみました。

1. 利用者が集まらない

就労継続支援B型事業所の収益低下の要因となるのは利用者が十分に集まらない場合です。

精神疾患を抱えている障害福祉サービス利用者が増えている傾向にありますが、支援を必要とする対象者は増えているにもかかわらず、施設のサービス内容やマーケティングが不十分であれば、利用者が集まらず、運営が難しくなります。

就労継続支援B型が多くできている現状の中で施設間の競争が激化しているため、他施設との差別化ができていないことも大きな要因となっています。

2. 人材確保の困難さと人件費の増加

就労継続支援B型事業所を運営する上での課題は、支援職員の確保が困難であることです。特に、サビ管の採用は必須であり、サビ管がいない期間が継続すると報酬が減算され、長期間にわたる場合は閉所に追い込まれることもあります。サビ管は取得までに長い期間と経験が必要になるため、人材が少なくなります。その他の支援員も福祉のイメージでしんどそうや給料が少ない、どう接していいか分からないなどから人材確保が難しいのが現状です。

また、人件費の増加が経営に大きな負担をかけています。人材の定着率を高めるためには、働きやすい環境を整備し、キャリアの向上や賃金の見直しを行うことが求められます。

キャリアが上がり、給料が増えることでスタッフのモチベーションを高め、業務の効率化を図ることに繋がります。

3. 物価の高騰

新型コロナウイルスやトランプ関税の影響、日本の米不足の影響により、物価の高騰が続いています。

様々な要因で物価が上昇していおり、施設運営に必要な物資やサービスのコストが増加し、経営を圧迫しています。

コストが増加する中で、収益の確保が難しい場合、赤字経営に陥りやすくなります。経費の見直しや運営効率化を図るとともに、補助金の活用や収益源の多角化を進めることが重要です。

4. 加算を算定できていない

就労継続支援B型事業所がつぶれる原因の一つとして、提供するサービスに対して適切な加算を算定できていないことが挙げられます。事業所の中には、加算を算定したら年間200万円の収益アップした事業所もあります。

加算の算定が適切に行われないと、提供するサービスに見合った収益を確保できず、経営が圧迫されます。

加算の算定方法や申請手続きを見直し、専門家のアドバイスを受けることで、正確に加算を算定し施設の経営を安定すうことが出来ます。

以上大まかな4点の課題を抽出しました。このような課題に対してどのように解決するのかを改善策を提案します。

就労継続支援B型がつぶれないための対策

つぶれる原因となる課題に対して改善策を考えてみました。

1. 利用者ニーズに合わせたサービス提供とマーケティング

施設の運営を安定させるためには、利用者のニーズを的確に把握し、それに応じたサービスを提供することが不可欠です。これにより、利用者の満足度を高め、施設の利用率を向上させることが可能になります。

利用車の満足度が上がり、事業所の特色を得た上で、効果的な広報・マーケティング戦略を展開していきましょう。

ターゲットとする利用者層に対して、適切な情報発信を行い、施設の魅力を伝えることで、利用者の確保につながります。例えば、インターネットやSNSを活用した広報活動も、集客力を高める手段となります。

2.人材確保と育成の強化

施設の安定運営には、質の高いスタッフの確保の定着率と育成が必要です。

人材の確保に向けた採用戦略の見直しや、職員のキャリアアップ、労働環境の改善を行うことで、スタッフのモチベーションを高め、新たな職員採用のアピールと離職率の改善を図ります。

例えば、処遇改善加算を取り入れることで給料の向上を事業所の負担を少なくし行うことが可能です。処遇改善加算を取り入れ、給料を上げスキルを高めてもらうことで職員のモチベーションを高めていきましょう。

また、定期的な研修プログラムを導入や必要な資格を取得できるように支援することで、スタッフのスキルを継続的に向上させることが可能です。スキルアップをすることが就労継続支援B型事業所全体の信頼性向上にもつながります。

3. 経費の見直しと効率化

物価の高騰などの影響で運営コストが増加する中、経費の見直しと効率化が不可欠です。

コスト管理を徹底し、効率的な運営を目指すことが重要です。エネルギーコストの削減や、無駄な支出の見直しを行い、経営の安定化を図る必要があります。

また、コストを見直すことで経営状況を定期的に評価し、問題点を早期に発見することが可能となります。経営の見える化を図り、継続的な改善を行うことで、施設の持続的な運営をしましょう。

4.報酬の見直し

障害福祉サービスの報酬は基本報酬と加算でなりたっています。

令和6年の法改正で報酬が見直されて、3年に1度大きな報酬の見直しがあり、毎年細かな報酬の改正があるのが障害福祉サービスの特徴です。

そのため、定期的に加算の算定方法や申請手続きを見直し、専門家のアドバイスを受けることで、正確に加算を算定し施設の経営を安定すうことが出来ます。

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まとめ

今回は就労継続支援B型が多く出来始めている中、事業所運営を安定させるためのヒントをいくつか考えてみました。

国の動向としては今後も就労継続支援B型の役割は大きく求められているのが現状です。それだけニーズがある障害福祉サービスといえます。国が考える就労卦族支援B型の課題はサービスの質の確保と工賃の低さにあると考えます。

支援の質をあげるために職員のスキルをアップさせ、利用者の工賃を上げることが今後の就労継続支援B型の生き残り戦略といえるのではないでしょうか。

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