【大坂 就労継続支援B型 精神障害の利用について】~行政書士試験合格者が解説~

障害福祉サービスの需要が増えていますが、中でも精神障害者が増えています。

2024年5月の厚生労働省の調査では2022年12月時点の障害児・者数は1164万6000人で、5年前の前回調査に比べて24・3%増えたとする推計を発表されています。

障害種別でみると過去身体障害者が最多でしたが、2024年の調査では精神障害者が56・6%増の614万8000人で最多となり、全体の5割強となっています。

就労継続支援B型の利用者も精神障害を持たれている方が増えている印象があり、今後も利用する障害種別の中心になっていくと予測されます。

そのため、精神障害を抱える利用者の受け入れ態勢を事業所側で整える必要性があります。事前に対応することで、利用者の確保に繋がり安定した事業所運営が行えます。

また、事業所の体制が整うことで利用者の支援の質が上がり、利用者の満足度を上げることが出来ます。

今回は就労継続支援B型における精神障害者の利用に焦点を当てたいと思います。

この記事を読んで分かること
・就労継続支援B型の利用に手帳は必要ない
・就労継続支援B型を精神障害者が利用するメリット
・就労継続支援B型を精神障害者が利用するデメリット

目次

就労継続支援B型 手帳は必要?

障害福祉サービスの申請に障害者手帳がないと受けつけてもらえないとイメージをもたれる方もいますが、結論をお伝えしますと障害者手帳がなくても就労継続支援B型は利用できます

障害者に行うサービスとなるため利用者が障害があることが必要になります。そのため、分かりやすいのが障害者手帳になります。

しかし、精神障害の場合は自立支援医療の適用を受けているなど、自治体により判断が大きくとらえていることがあります。障害福祉サービスを申請した場合、市区町村の認定調査員が訪問し、心身の状況やサービス利用についての意向などを総合的に判断されます。

では、まず就労継続支援B型の特徴についておさらいしておきましょう。

就労継続支援B型の特徴

就労継続支援B型は、障害を持つ方々が自分のペースで働きながら、社会とつながりを持つ機会を提供する福祉サービスです。

特に精神障害を抱える方にとって、生活リズムを整えたり、働く喜びを実感する場として大きな意義を持っています。この制度は、一般企業での就労が難しい場合でも、無理なく継続的に活動できる柔軟な仕組みが特徴です。

精神障害者の就労継続支援B型メリット

精神障害者が感じられるB型事業所のメリットを6つ紹介します。

体調に合わせて通いやすい

精神障害者にとっての、B型事業所の最大のメリットは「体調に合わせて通いやすい」ことです。

最大で1日4~6時間、週5日通える施設が多いですが「1日1時間」「週1日」から通うなど、相談すれば時間や日数を柔軟に対応してもらえます。施設ごとにも差はありますが、欠勤や遅刻・早退に対して厳しくないのが特徴です。

在宅ワークが可能な施設もある

在宅支援をしている就労継続支援B型も多くあります。

在宅訓練が可能であれば、家に居ながらチャットやビデオ通話を用いて作業に参加できます(原則月1回は通所または職員が訪問)。パソコンの貸し出しをしている施設や、通所と並行して利用できる施設もあります。

通所を減らすことで、交通機関に乗ることが精神症状から出来ない利用者の負担軽減に繋がります。

簡単な作業と働きがいがある

就労継続支援B型には、内職作業のイメージが強いですがイラストのデザイン、飲食店やパン作り、農作業、eスポーツ(ゲーム)、清掃など、非常に多様な種類の訓練があります。

現在も新たな業務が増えており、ペットのブリーダーや花の栽培などさまざまな作業が増えることで働きたい理想を叶えることに繋がります。

自己肯定感の向上


施設内での作業を通じて、少しずつ成功体験を積み重ねることで、自己肯定感が高まります。「自分にもできる」という実感が、心の支えとなり、新しいチャレンジに向けた意欲を引き出します。

また、新しいスキルを習得する機会が得られます。例えば、パソコン作業やデータ入力などの業務に取り組む中で、技術や知識が向上し、それが自信や達成感につながります。

症状に理解のあるコミュニケーション

精神障害者のなかには「人が怖い」「コミュニケーションが苦手」という人も多くいます。

就労継続支援B型の職員は障害の理解があるため、「一般社会でうまくいかなかった」という人も過ごしやすい雰囲気があります。

社会参加による孤立感の軽減

同じ目標を持つ仲間や支援者との交流が、社会参加の実感を得るきっかけになります。孤独感や閉塞感が軽減されることで、前向きな気持ちを持てるようになります。また、他者とのコミュニケーションを通じて、対人スキルの向上も期待できます。

就労継続支援B型のデメリット

就労継続支援B型には上記のメリットがありますが、デメリットもあります。

工賃が安い

就労継続支援B型の平均工賃は月額16,507円です。

就労継続支援B型の工賃は、雇用契約を結ばないため「最低賃金が保障されない」というデメリットがあります。労災保険や雇用保険などの社会保険も適用されません。

収入が生活上必要な場合は、一般就労の障害者雇用枠や就労継続支援A型の利用を検討しましょう。

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まとめ

今回は障害種別で増えている精神障害を持たれている方の支援について焦点をあててみました。

精神障害の方にも利用しやすい事業所運営をすることで利用者の確保に繋がり、質の良い支援を行うことになります。

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