今回は生活介護の事業所についてご紹介します。生活介護とは、障害者の方が通える通所施設です。
介護保険でいうところのデイサービスがありますが、生活介護は障害者版のデイサービスといったイメージとなります。生活介護では介助を受け、運動や創作活動を行うこともあります。
就労継続支援B型も通所し就労の機会を提供されますが、生活介護では創作活動があり工賃をもらうこともありますが、大きな違いは介助がメインとなります。
今回の記事で、生活介護の概要をまとめたいと思います。
この記事を読むことでわかること
・障害福祉の生活介護について
・生活介護の活動を事例で理解できる
・生活介護のメリットを知ることができる
生活介護事業所とは

障害者支援施設などで、常に介護を必要とする方に対して、主に昼間において、入浴・排せつ・食事等の介護、調理・洗濯・掃除等の家事、生活等に関する相談・助言その他の必要な日常生活上の支援、創作的活動・生産活動の機会の提供のほか、身体機能や生活能力の向上のために必要な援助を行います。
このサービスでは、自立の促進、生活の改善、身体機能の維持向上を目的として通所により様々なサービスを提供し、障害のある方の社会参加と福祉の増進を支援します。
利用条件
生活介護サービスを利用できるのは、
- 身体障害、知的障害、精神障害にかかわらず常に介護が必要な障害支援区分3以上の方
- 施設入所の場合は、障害支援区分4以上の方
(4以下の場合でも、市町村から利用の組み合わせが必要とされた場合は対象) - 年齢が50歳以上の場合は、障害支援区分2以上の方
生活介護サービスは、18歳未満の障害児の利用はできません。また、65歳以上の方は介護保険に移行される為デイサービスの利用に切り替わります。ただし、慣れ親しんだ事業所を引き続き利用できるよう、平成30年には共生型サービスをしている事業所も出てきました。
生活介護のサービス内容

障害者支援施設や通所の事業所などにおいて、常に介護を必要にする方に対して下記のようなサービスを提供しています。
- 入浴や排せつ、食事などの身体介助
- 調理や洗濯、掃除などの家事の援助
- 生活などに関する相談やアドバイス、そのほか日常生活における支援
- その他日常生活上の介助
- 創作的活動や生産活動の機会を提供
- 身体機能や生活能力向上のための必要な援助
- 就労の機会提供
- 社会貢献できることの提供
生活介護とは、自立の促進や生活改善、身体機能の維持や向上を目指して通所によるサービスを提供し、障害を持つ方の社会への参加と福祉の増進をサポートするものです。
また、就職とまではいきませんが、就労の機会を提供して仕事に応じた工賃を支払っている事業所もあります。
上記のようなサービスを提供することで利用者の生活の質を高める支援をします。
生活介護事業所の一日の流れ(例)
今回は生活介護の一日の流れをイメージでご紹介します。なんとなくのイメージがつかめればと思います。
9:00 送迎開始
送迎車でご自宅までお迎えがきます。
10:00 生活介護に到着
生活介護の事業所に到着し出欠や体調、その日の予定を確認します。
体調に変化が見られた際には事業所看護師と相談・連携し、適切に対応します。
10:30 運動・創作活動
午前中は運動や創作活動を行います。職員がサポートし少しずつできることが増えるように支援します。
12:00 昼食
施設内で調理された食事を提供します。
13:00 運動・創作活動
午後からも運動や創作活動を行います。職員がサポートし少しずつできることが増えるように支援します。
16:00 掃除
生活介護の事業所を利用者と分担して掃除します。日常生活で欠かせない家事のひとつでもある掃除のトレーニングにもなります。
17:00 送迎開始
送迎車に乗ってご自宅へ送迎します。
世帯所得別の負担上限額
利用者負担額には、世帯の所得状況に応じて月々の上限額が設けられています。たとえば、生活保護を受けている世帯や低所得世帯は無料で利用できるため、収入が少ない方でも安心してサービスを利用できます。一方で、所得が一定以上の世帯は上限額が9,300円または37,200円となります。
生活介護のメリット

生活介助を受けることができる
障害のため介護を必要とする利用者が、食事や入浴、排せつなどの介護を受けることができます。
創作活動で自信につながる
生活介護で行われる創作活動では、生産活動や運動などの支援も受けられます。生活意欲が向上し自立に向けた自信がつきます。生産活動を行うと、少ないですが工賃がもらえ、利用者のやる気もあがります。
家族の介護負担が軽減される
生活介護では、日中にサービスを受けることができるため家族の介護負担が軽減されます。何処も行かず、家の中で家族が介護すると家族負担が増え、家族関係に影響がでます。そのため、生活介護に通うことで家族負担が軽減され、家族関係も良好になります。
就労継続支援B型との違い
就労継続支援B型も通所し、ノルマが無く工賃をもらえますが、生活介護との違いは就労支援をメインにしているのか、介護と生活の質を向上させることをメインにしているのかの違いです。
- 就労継続支援B型は、主に就労に焦点を当てており、就労能力の向上や働く機会の提供がメインになります。
- 生活介護は、日常生活の支援を提供し、支援施設内での活動が中心です。創作活動は生活介護の支援の一部として位置づけられています。 生活介護では、工賃が発生する場合もありますが、就労継続支援B型のような収益を上げることを目的としていません。
まとめ
今回は生活介護の事業所のサービス概要について解説しました。生活介護は高齢でいうところのデイサービスです。
介護を受けることができ、レクリエーション活動として創作活動や運動などがあります。日中を家以外の場所で過ごせる環境があることで、家族負担の軽減と利用者自身の生活の質の向上が図れます。
就労継続支援B型との違いも考慮し、適切な通所先を選択しましょう。
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