行政書士業務の中には会社設立を専門に行うこともできます。行政書士が会社設立に携わるメリットとしては、会社設立後の許認可申請につなぐことが出来たり、会社経営の支援を行うコンサルタントとして顧問契約を得れるなどメリットがあります。
今回は会社設立の流れと、会社設立後の必要な手続きについてまとめたいと思います。
行政書士が行える会社設立業務

- 会社設立前の事業計画⇒行政書士へ相談
- 会社設立定款の作成⇒行政書士作成
- 会社設立時規則・議事録作成⇒行政書士作成
- 会社設立後の許認可申請⇒行政書士代理申請
- 会社設立後の官公署に提出する書類⇒行政書士作成・代理申請
- 会社設立の際の各種契約書の作成⇒行政書士作成
- 会社会計記帳⇒行政書士作成
行政書士の業務は①官公署への許認可申請書の作成、②権利義務に関する書類の作成とその代理・相談、③事実証明に関する書類の作成とその代理・相談とありますが、行政書士が定款を作成し公証役場で認証手続きを行うことが多くあります。

会社設立の流れ(株式会社の場合)

会社設立と言っても、株式会社、合同会社、非営利団体法人(NPO法人)、一般社団法人、社会福祉法人、医療法人などさまざまな種類の会社があります。また、株式会社にも公開会社と非公開会社などの種類もあり、それぞれの特徴があります。


発起人の決定・基本事項の決定
株式会社は発起人(最初の株主)を募集する。会社の基本事項である、会社名・目的・本店住所・資本金額・発起人(株主)の数とその割当て・営業年度・役職・発行可能株式総数などを決めておく必要があります。
株式会社を設立する方法には、以下の2種類があります。
・発起設立 (25条1項1号):発起人が設立の際に発行する株式(設立時発行株式)のすべてを引き受け、会社成立後当初の株主となる設立方法
・募集設立 (25条1項2号):発起人が設立時発行株式の一部を引き受け、残りにつき株式を引き受ける者を募集する設立方法


法務局で類似商号の調査・目的確認
本店の所在地を管轄する法務局で、類似商号がないか、目的の言い回しが合っているか等を調査確認します。
類似商号調査することで紛らわしい商号でトラブルを避けることと、会社設立の際に登記拒否されないようにすることができます。
定款の作成
定款とは、会社を経営していくためのルールをまとめたもので、会社設立において重要な書類です。会社の憲法のようなものであり、会社を設立する際には定款を作ることが義務付けられています。
また、定款に記載する内容は法律であらかじめ決められており、商号(社名)や事業目的、本店所在地などの基本情報をはじめ、発行される株式総数、決算月といった事項を記載します。なお、定款には決まった書式フォーマットはありませんが、紙か電子(PDF)かどちらかで作成する必要があります。



公証役場において定款の認証
本店所在地がある都道府県内の公証役場で認証を受けます。
会社代表印の作成・関係者個人印鑑証明書の入手
登記に必要な会社代表印を作成します。
銀行預貯金口座に資本金の払込
代表発起人の個人口座へ、各発起人が資本金を振込み・振込み時、発起人の名が表示されるように振込み。発起人がひとりでも代表者も同じ場合は窓口又はATMでの資本金額入金で設立は可能です。
法務局に設立登記申請
商業登記・法人登記とは、商法、会社法などの法律により登記すべき事項を公示することによって、取引の安全性と円滑化を図るものです。設立する会社の本店所在地を管轄する法務局に、会社の名称や目的などの事項を登記することで会社が社会的に認められることになります。また、商業登記は設立した「会社」を登記するという意味で、慣習的に「会社登記」と呼ぶことがあります。
この申請日が会社の設立日となります。(登記申請に関しては、司法書士が行います)


登記が完了し、会社が設立される
法務局において、登記事項全部証明書(謄本)を入手、銀行に謄本を持参すると、会社名義の預金口座が出来ます。個人口座から会社口座へ資本金を移動させて事業開始です。
諸官庁への届出
税務署、都道府県税事務所、市役所、社会保険事務所、ハローワークなどに届出書を提出します。
会社の設立登記が終わった後にも、税務署などに提出が必要な書類はたくさん残っています。定められた期限内に行わなければ損をしたり、罰則があるものもあるのでご注意ください。

まとめ
会社設立の流れについてまとめてみました。詳しくは各記事を参考にしてもらえれば詳しく会社の種類についてや、定款作成の項目、手続き方法について参考にしてもらえると思います。
会社設立業務で行政書士は登記業務は出来ません。登記は司法書士の独占業務です。また、税関係についても税理士の業務になるため、業際問題に気をつけましょう。
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