会社経営で重要になるのが資金繰りですよね。資金繰りがしっかり出来ていないと、黒字倒産といった問題も出てきてしまいます。
会社の資金繰りについては、さまざまな業種がコンサルを行っています。主に会計整理を行い、貸借対照表、損益計算書、キャッシュフローを分析し経営改善を図ります。しかし、すぐに金銭が必要な時には融資を受けて、資金繰りを改善の後、経営改善を行う必要があります。
また、資金繰りを安定させるため、事業拡大のために補助金を活用する方法もあります。補助金で気をつけたいのは、会社の経営改善ではなく、会社の事業拡大として活用することです。ここのポイントを間違えると大変なことになりますので、注意が必要です。
今回は、会社支援のための融資と補助金についてまとめました。
行政書士の補助金業務

コロナ時期には様々な補助金があり各種士業が新たな業務として取り入れました。最近では、補助金申請を代行することに規制がかかり始めましたが、補助金申請コンサルは未だに可能です。
「補助金申請」と言ってしまえば単純ですが、厳密に表現すると「補助金を申請者に給付するという行政機関の行為を求める申請書類の作成」ということになります。
補助金申請の際の支援は、申請者に成り代わって申請書類を作成し、さらには申請手続を行うことに重要性があるわけではありません。むしろ、必要とされるのは、それぞれの申請者が抱える経営課題や始めようとする新事業・補助事業に対する助言や実務的な支援です。



補助金とは

補助金とは、国や地方公共団体が、特定の事業・産業や研究の育成・促進など国や地方公共団体の行政上の政策目標(目指す姿)を達成するために、公共団体、企業、個人などに給付する金銭を指します。
補助金は、必ずしも補助の対象となる事業に必要な経費すべてが支給されるわけではありません。目的や趣旨が異なる多くのさまざまな種類の補助金がありますので、補助対象となる経費、補助の割合、上限金額などを確認する必要があります。
また、補助金は金融機関等による融資などとは異なり返済する必要はありませんが、補助金を受給するためには審査が行われ、「申請したら必ずもらえる」というものではありません。
補助金が支給されるのか、支給されるとして金額がいくらになるのかは、「事前の審査」と「事後の検査」によって決まります。原則として補助金は後払い(精算払い)なので、補助事業を実施した後に必要書類を提出して検査を受けて初めて受け取ることができる仕組みになっています。補助金の申請は「行政手続」の一つです。






補助金のメリット
経費をカバーできる
補助金を活用することで事業に必要な経費を削減することができます。例として小規模事業者持続化補助金についてご紹介します。小規模事業者持続化補助金について、経費の対象となる全11区分です。
- 機械装置等費
- 広報費
- ウェブサイト関連費
- 展示会等出展費
- 旅費
- 開発費
- 資料購入費
- 雑役務費
- 借料
- 設備処分費
- 委託・外注費
このように広告費や設置費用など経費として必要な部分に補助金が支給されることになり、事業者としては安定した経営をすることが可能となります。



設備投資も可能
会社を大きく発展させていくためには、業種によって規模は違いますが、「設備投資」が必要に なります。工場であれば、最新の製造ライン設備や最新の作業用ロボットの導入。建設業であれば、ショベルカーなどの現場作業車などを導入。 このように設備投資をすることで、事業を拡大したいと考えることでしょう。そのときには多額 の投資が必要になります。投資をすると、会社は現金という「流動資産」が減ることになります。「流動資産が減る」というのは何を意味するのかというと、 「資金繰りの悪化」です。会社の経営にとって、とにかく大事なのは「手元にどれだけすぐに使えるお金があるか?」ということです。
会社の「資金繰り」を助けてくれるのが、「補助金」です。 補助金は、設備投資に通常多額のお金が必要なのに対して一部を補助してくれます。
そうすると、 その補助金を受け取った年の会社の決算は「資金繰り」が改善することになります。補助金のおかげで手元に残ったお金を、さらに別の投資に回して売上を伸ばすといったことも可能になります。 しかも、設備投資に補助金を活用することにより、融資を受けやすくなるという副次的な効果も 持っています。
融資が受けやすくなる
例えば、補助額が上限1000万円の「ものづくり補助金」。補助額が上限1000万円ということは、補助金の補助率は一般的に3分の2ですので、「1500万円」の現金(キャッシュ)が会社からなくなることを意味します。 補助金は、「後払い」の制度ですから、会社は一時的に1500万円という多額のお金を支払わなければならなくなります。会社内部にそれだけのお金があったとしても、その他会社経営には従業員のお給料の支払いや買掛金の支払いなど様々なお金の支払いが必要な場面があります。 そこで、補助金が採択(合格)した際に、金融機関に相談して融資を受けるということが現実的にあり得ます。そのようなときに「補助金採択」という免罪符的なものがあることが融資に通過しやすいポイントにもなり、メリットと言えるわけです。 つまり、会社の「資金繰り」とのバランスを取って補助金を申請していけば、大規模な投資によっ て会社経営を拡大できます。






融資とは

融資とは、「事業者が事業を営むために必要な資金を借りる」という行為や状況を指します。融資は事業者向けの資金調達の一手段であり融資を行うのは金融機関や公的機関となりますが、審査を通過し契約手続きを締結した上で融資を受けるのが通常の流れとなります。また融資はお金を借りる行為であり、返済の義務が発生するだけでなく契約条件に従って利息の支払いも行わなくてはなりません。
しかし、融資は事業を行う上ではなくてならない資金調達方法であるため、活用していくことで事業を安定化・拡大化することが出来ます。また、きっちりと返済することで金融機関の信用にも繋がっていきます。



① 日本政策金融公庫
日本政策金融公庫は政府が100%出資をする金融機関で、個人事業主や中小企業を対象に様々な融資制度を提供しています。政府系金融機関のため、金利が低めに設定されている点が最大の特徴です。借入期間も長く、返済期間は「5年以上」からの選択となります。長い期間借りられた方が1回あたりの返済額は少なくて済むため、借りる側からするとメリットがあると言えます。さらに、融資の種類によっては担保や保証人が不要のケースもあります。
ただし、こういったメリットがある反面、返済能力を説明するために多くの資料を用意しなければなりません。融資審査は厳しく、自己資金もチェックされます。民間のビジネスローンのように申し込んですぐに融資スタートということもなく、ある程度の時間が必要な点にも注意が必要です。
事業計画をしっかりと立て、計画的に融資の申し込みを検討しましょう。
②信用金庫
信用金庫とは、その地域の人々が利用者・会員になってお互いに地域の繁栄を図る協同組織の金融機関です。営業地域は一定の地域に限定されており、利用者から預かった資金は地域の発展に生かされます。主な取引先は中小企業や個人事業主で、日本政策金融公庫に比べると金利が高く設定されていますが、借入先の有力な候補の一つになるでしょう。融資の申し込みは銀行にも可能ですが、信用金庫の主な取引先は中小企業や個人のため、まずは信用金庫からの融資を検討してみましょう。
③銀行融資
個人事業主が融資制度を利用する際、選択肢としてまず思い浮かぶのが銀行融資かもしれません。銀行融資を受ける際は、普段から付き合いのある担当者を通じて申し込みをするか、銀行の融資窓口経由で相談をしましょう。申し込み後は、融資審査のために決算書をはじめとした様々な資料を用意する必要があり、それらの書類をもとに「格付け」がされ、融資可能か、金利、融資額などが決定します。
その他の融資
地方自治体の融資、補助金や助成金の活用
その他、各地方自治体で融資制度が設けられているケースも多いため、「お住いの都道府県・市区町村名+融資」といった検索ワードで調べてみましょう。業種や用途ごとに様々な融資制度が提供されています。
ビジネスカード(法人カード)の活用
機材購入や仕入れにクレジットカードが使える場合は、融資を申し込まずにカード決済して支払いを遅らせる方法もあります。個人事業主や経営者向けを対象としたクレジットカードはビジネスカードや法人カードと呼ばれ、事業経費の支払いに特化しています。
まとめ
会社経営支援に重要な資金繰りを安定、改善させるために重要なのはキャッシュです。そのキャッシュを増やすための方法として、補助金や融資を活用していきましょう。
補助金や融資の種類や手続き方法は各記事に詳細がありますので確認してくださいね。
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