ピアサポートとは、同じような立場や課題に直面する人がお互いに支え合うことです。
支援する・されるという関係では一方的に専門家・支援者が支援するために、本音を出せなかったり対等な人間関係が築きにくいという課題があるため、ピアサポーターの支援が求められています。
また、ピアサポーターを雇用することは障害者の就労の機会を増やすことに繋がり障害者の社会参加になります。
今回は、ピアサポーターの役割とぴあサポート実施加算についてご紹介します。
この記事を読んで分かること
・ピアサポーターの意義
・ピアサポート実施加算について
・ピアサポーター研修について


ピアサポーターとは

ピアサポートとは、同じような立場や課題に直面する人がお互いに支え合うことです。英語では「peer support」。peerは「仲間」、supportは「支える」という意味です。
当事者には周囲の人には理解してもらえない悩みというものがあります。支援する・されるという関係では一方的に専門家・支援者が支援するために、本音を出せなかったり対等な人間関係が築きにくいという課題もありました。
ピアサポート活動では「支援する・される」から「支える・支えられる」という関係性をつくることができ、当事者同士で本音を出して体験を語り合う機会になります。
ピアサポート実施加算とは

ピアサポートとは、自分の障害や病気の経験を生かして障害や病気のある他の人を支援することです。ピアサポート実施加算は、指定のピアサポート研修を修了した障害や難病のある・または過去にあった職員(以下、障害のある職員)などを配置し、ピアサポートとしての支援を実施した場合に算定できる加算です。
ピアサポート実施加算は、以下の1~5のすべてを満たす場合に算定できます。
- 就労継続支援B型サービス費ⅢまたはⅣを算定している
- ピアサポート研修を修了した職員を2人以上配置している
- 上記2の職員が他の職員に、年1回以上の研修を実施している
- 上記2の職員のうち障害のある職員が、ピアサポーターとして利用者を支援している
- 個別支援計画に基づいた支援を実施する
要件

ピアサポート実施加算は、以下の1~5の要件を詳しく解説します。
就労継続支援B型サービス費ⅢまたはⅣを算定している
ピアサポート実施加算は「利用者の就労や生産活動等への参加等をもって一律に評価する報酬体系」、つまり就労継続支援B型サービス費ⅢまたはⅣを算定する事業所が対象です。
ピアサポート研修を修了した職員を2人以上配置している
都道府県または指定都市が実施する障害者ピアサポート研修の「基礎研修」および「専門研修」を修了した職員を2人以上配置します。
研修終了した職員が他の職員に、年1回以上の研修を実施している
指定のピアサポーター研修を受け配置された職員が事業所の他の職員に対して、障害のある人への配慮などに関する研修を年1回以上実施しなければいけません。
研修終了した職員のうち障害のある職員が、ピアサポーターとして利用者を支援している
実際にピアサポートを受けた利用者1人につき月100単位が加算されますが、障害のある職員がピアサポーターとして実施した支援のみです。
個別支援計画に基づいた支援を実施する
ピアサポート実施加算の対象は「個別支援計画に基づいた」支援と定められています。ピアサポートを受ける利用者の個別支援計画に目的と内容を記載しておきましょう。
必要な書類

- ピアサポート研修の修了証の写し・障害のある人に対する配慮などに関する研修の実施記録
- 個別支援計画書
・ピアサポートの実施目的と内容が記載されたもの - ピアサポートを実施した記録・相談援助や生産活動での助言の記録など
- 届出書類・「ピアサポート実施加算 届出書」などで指定権者のWebサイトを検索し、それぞれのルールに従って提出してください
障がい者ピアサポート研修

障がいや疾病等の経験を持ち、その経験を活かしながら、他の障がいや疾病のある障がい者の支援を行うピアサポーター及びピアサポーターの活用方法等を理解した障がい福祉サービス事業所等の管理者等を養成し、障がい福祉サービス等における質の高いピアサポート活動の取組みを支援することを目的として実施しています。
受講対象者
- 現に雇用されているピアサポーター(雇用されている方の常勤、非常勤は問いません。)または、今後雇用が見込まれる方
- ①の方が所属する障がい福祉サービス事業所等の管理者、サービス管理責任者等(以下、「管理者等」という。)で、ピアサポーターと協働し支援を行う方
申込み方法
インターネット申請(※お申込みには申請ID取得が必要です。)
※お申し込みは事業所単位で、ピアサポーターと管理者等の2人1組でお申し込みが必要です。

まとめ
ピアサポートとは、同じような立場や課題に直面する人がお互いに支え合うことで「支援する・される」から「支える・支えられる」という関係性をつくることができ、当事者同士で本音を出して体験を語り合う機会になります。
また、ピアサポーターを雇用することは障害者の就労の機会を増やすことに繋がり障害者の社会参加になりますので、ピアサポーターの雇用を検討してみてはいかがでしょうか。
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