【夜勤職員加配加算と夜間支援等体制加算の違いを解説】

障害者の生活の場となっている共同生活援助・グループホームの加算についてご紹介します。

障害者サービスの報酬は基本報酬(サービス単価×地区単位)×人数×日数となります。このサービス単価は職員の配置人数と利用者の状態(支援の必要度)によって決まります。

障害サービスの売上を伸ばすには利用者の数や職員の配置を手厚くする必要があります。職員の配置や支援を手厚くすることで加算として基本報酬を上乗せすることが出来ます。

今回は共同生活援助・グループホームの夜間支援加算をご紹介します。

夜間支援の加算は2種類あり、夜間支援等体制加算と夜勤職員加配加算があります。

この2種類の違いは共同生活援助・グループホームの種類によって違います。共同生活援助の【包括介護型】は夜間支援等体制加算を加算の要件を整えることで算定できます。【日中支援型】の場合は夜勤職員加配加算を要件を整えることで算定できます。

夜勤職員加配加算と夜間支援等体制加算の算定要件と加算単位を確認しましょう。

この記事を読んで分かること

・夜勤職員加配加算と夜間支援等体制加算の違い
・それぞれの算定要件
・算定手続き方法

目次

夜勤職員加配加算と夜間支援等体制加算の違い

共同生活援助を運営する上で、夜間に支援が必要な利用者が入居している場合には夜間支援員を配置します。夜間支援等体制加算と夜勤職員加配加算の違いは共同生活援助・グループホームの種類によって違います。

共同生活援助の【包括介護型】は夜間支援等体制加算を加算の要件を整えることで算定できます。【日中支援型】の場合は夜勤職員加配加算を要件を整えることで算定できます。

介護サービス包括型グループホームとは主に夜間において、食事など日常生活の介護サポートを提供するグループホームです。そのため、夜間の支援を中心としているため、夜間支援等体制を充実することで算定できる加算となります。

一方、日中支援型グループホーム(日中サービス支援型グループホーム)は、24時間体制にて、常に介護支援が可能なグループホームですので、夜勤職員の配置を充実させることで加算を算定します。

夜勤職員加配加算の算定

夜勤職員加配加算を算定する要件はどのようになっているのでしょうか。これについて、以下のようになっています。

共同生活住居に2人以上の職員を配置

日中サービス支援型では、必ず1人の夜間支援従事者を配置しなければいけません。そのため、さらにもう一人の夜間支援従事者(合計2人以上)の職員を配置している場合、夜勤職員加配加算の対象になります。なお夜勤スタッフである必要があり、宿直では夜勤職員加配加算の要件を満たしませんので注意しましょう。

夜勤職員加配加算  149単位/日

これは地域単価を10円と仮定すると1人あたり1490円となります。例えばグループホームの入居者が10名だった場合は14,900円/日となります。ひと月14,900×30日=447,000円の売上がアップします。

しかし、夜勤者を雇う必要があるため、給料を計算すると売り上げが必ずしもあがるとは限りません。また、1つの住居に2人以上の職員を配置する必要がある点も注意が必要です。

算定手続き

「夜勤職員加配加算」は届出をして始めて加算の算定を開始することができます。

  • 共同住宅ごとに夜勤職員を加配しているかどうか記載する
  • 勤務形態一覧表で夜勤職員を加配していることを明確にする

以上の書類を準備しましょう。

夜間支援等体制加算

夜間及び深夜の時間帯を通じて、必要な支援体制が確保されている場合に加算されます。

夜間支援等体制加算Ⅰの算定要件

  • 夜勤を行う夜間支援従事者を配置すること
  • 深夜および夜間の時間帯(午後10時から午前5時の時間帯を最低限含む)を通じて必要な介護等の支援を行うこと
  • 複数の共同生活住居の支援を行う場合は、ひと晩1回以上の夜間巡回が必要
  • 夜間支援の内容は、個別支援計画に位置づけた上でのものであること

夜間支援等体制加算Ⅰの「夜勤」とは所定労働時間(原則1日8時間、1週40時間)内の勤務の中で夜間に勤務することを言います。

1つの住居において、1人の夜間支援従事者が、①支援を行う夜間支援対象利用者の数および②利用者の障害支援区分に応じ加算額を算定します。
夜間支援対象利用者数は、「利用定員」でも「現に入居している利用者の数」でもなく、「前年度の平均利用者数」で算定します。

例えば、夜間支援等体制加算(Ⅳ)による夜間支援従事者として加配されている10人定員の共同生活住居において、前年度の全利用者数の延べ数が3,000人、前年度の開所日数が365日の場合

  • 3,000人÷365日=8.2人
  • 小数点以下を四捨五入
  • 夜間支援対象利用者が8人の加算額を算定
  • 区分に応じて4以上168単位、区分3 140単位、区分2以下112単位を算定できます。
夜間支援対象利用者数区分4以上区分3区分2以下
2人以下672580448
3人448373299
4人336280224
5人269224179
6人224187149
7人192160128
8人168140112

夜間支援等体制加算Ⅱの算定要件

  • 宿直を行う夜間支援従事者を配置すること
  • 深夜および夜間の時間帯(午後10時から午前5時の時間帯を最低限含む)に配置されていること
  • 利用者の状況に応じ、定期的な居室の巡回電話の収受のほか、必要に応じ緊急時の対応等を行うこと
  • 夜間支援の内容は、個別支援計画に位置づけた上でのものであること

宿直とは、所定労働時間外又は休日において、構内巡視、文書、電話の収受または非常事態に備えて待機する程度の労働密度の低い勤務を指します。夜間支援等体制加算ⅡもⅠと同様です。

夜間支援等体制加算Ⅲの算定要件

  • 夜間防災体制(警備会社と共同生活住居に係る警備業務の委託契約を締結していること)
  • 常時の連絡体制(携帯電話などにより、夜間および深夜の時間帯の連絡体制が確保されている場合または、事業所に従事する世話人または生活支援員以外の者であって、夜間における支援を委託されたものにより連絡体制を確保している場合

夜間支援等体制加算(Ⅲ) 10単位

夜間支援等体制加算Ⅳの算定要件

  • 夜間支援等体制加算(Ⅰ)を算定している利用者であること
  • 「夜勤」を行う夜間支援従事者を追加で配置(加配)していること

1人の夜間支援従事者が支援を行うことができる利用者の数の上限は30人です。

1人の夜間支援従事者が支援を行う「夜間支援対象利用者の数」に応じて加算額を算定します。

夜間支援対象利用者数
夜間支援対象利用者が15人以下60単位
夜間支援対象利用者が16人56単位
夜間支援対象利用者が17人53単位

夜間支援等体制加算Ⅴの算定要件(一部の時間帯)

  • 夜間支援等体制加算(Ⅰ)を算定している利用者であること
  • 「夜勤」を行う夜間支援従事者を追加で配置(加配)していること(一部の時間帯)

一部の時間帯とは、22時~5時までのうち、少なくとも2時間以上の勤務がある場合に算定できるものであることを指します。

夜間支援対象利用者数
夜間支援対象利用者が15人以下30単位
夜間支援対象利用者が16人28単位
夜間支援対象利用者が17人26単位

夜間支援等体制加算Ⅵの算定要件

  • 夜間支援等体制加算(Ⅰ)を算定している利用者であること
  • 「宿直」を行う夜間支援従事者を追加で配置(加配)していること
夜間支援対象利用者数
夜間支援対象利用者が15人以下30単位
夜間支援対象利用者が16人28単位
夜間支援対象利用者が17人26単位

夜間支援等体制加算はそれぞれ加算要件が異なるため、必要に応じた契約書類や勤務状況一覧などが必要になります。また、利用者の個別支援計画への記載も忘れずにしておきましょう。

まとめ

共同生活援助の【包括介護型】は夜間支援等体制加算を加算の要件を整えることで算定できます。【日中支援型】の場合は夜勤職員加配加算を要件を整えることで算定できます。

それぞれの共同生活援助の種類によって算定できる加算がことなるので、気を付けましょう。

くまくまさん
この記事を書いた人

泉州地域の現役福祉地方公務員が障害福祉に関連する知識を収集し、情報提供するブロガー
【資格】
・精神保健福祉士
・行政書士試験合格(R5年度)
【略歴】
・大阪泉州在住
・病院CWを経て、地方公務員に従事
・福祉専門の行政書士として開業準備中!!
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