欠席時対応加算の算定要件を解説 放課後等デイサービス・児童発達支援

放課後等デイサービス・児童発達支援では通所される児童の数が運営を継続する上で非常に重要になってきます。しかし、放課後等デイサービス及び児童発達支援に通所される児童はさまざまな症状や個性を抱えているため、安定した通所が難しい児童もいます。

その際に放課後等デイサービス及び児童発達支援事業所が欠席した児童や保護者に対し支援を行うことで、報酬算定に加算を加えることができます。今回は放課後等デイサービス及び児童発達支援事業所が欠席した場合の欠席時対応加算について説明します。

この記事を読んで分かること

・欠席時対応加算の点数や要件がわかる
・欠席時対応加算の算定方法と注意点

目次

欠席時対応加算とは

欠席時対応加算は、障害福祉サービスで利用者が突然の病気や予期せぬ事情でサービスの利用ができなくなった場合、事業所がその状況に迅速かつ適切に対応した際の評価を目的とした報酬です。そのため、放課後等デイサービス及び児童発達支援事業所以外のサービスでも報酬加算対象となる場合があります。

欠席時対応加算の算定要件

  • 利用予定日の2営業日前、1営業日前、または当日(営業日基準)に、通所給付を受ける保護者からの欠席連絡を確実に受け取ること
  • 相談援助を、利用予定日の2営業日前から利用予定日までの間に実施すること
  • 後の確認や評価のために、実施された相談やサポートの内容を正確に記録すること

放課後等デイサービスにおいては当日に短時間利用となった場合に算定できる欠席時対応加算(Ⅱ)がありましたが、令和6年度報酬改定にて廃止されました。

欠席時対応加算の単位数

欠席時対応加算(Ⅰ):94単位/1日

欠席時対応加算の算定回数

1月に4回を限度として算定できます。
ただし、「重症心身障害児に対し指定放課後等デイサービスを行う場合」の基本報酬を算定する事業所において、1月に事業所を利用した就学児の数を、「利用定員当該月の営業日数」で除して算出した率が『80%未満』の場合は、1月に8回を限度として算定することができます。

欠席時対応加算の算定方法

算定要件の「連絡調整」「記録作成方法」を確認しておきましょう。

連絡調整、その他の相談援助

連絡調整、その他の相談援助とは、電話等により児童の体調や利用上支障になる事象は発生していないか等を確認し、次回利用にあたっての留意事項を伝え、引き続き利用を促すことなどを言います。

席時対応加算の記録方法として、下記の記録事項を記録しましょう。

記録事項

算定に必要な記録事項について、主な内容は下記のとおりです。

  • 欠席連絡日
  • 利用予定日
  • 連絡者氏名
  • 対応した職員氏名
  • 連絡手段(電話・メールなど)
  • 欠席理由
  • 当日の利用者状況
  • 相談援助の内容
  • 次回利用予定日

記録時の注意点

欠席時対応加算の記録をつける際は、下記の点に気をつけます。

  • 欠席の連絡のタイミング:欠席時対応加算は、利用日の前々日、前日、当日(営業日換算)までに欠席の連絡があった場合にのみ算定可能です。利用日の3営業日以上前や利用日の翌日以降の欠席連絡は、算定の対象外となります。
  • 対応方法:直接面会や訪問をする必要はありません。電話での対応でも算定が可能です。

欠席時対応加算の算定単位数と計算方法

欠席時対応加算の算定単位は、1回の対応につき「94単位」となります。

また、算定金額の求め方は下記のとおりです。

算定単位(94単位/回) × 1ヶ月の利用回数 × 地域単位

例:10月において、利用予定日の前日に欠席の連絡が計4回あり、その際、電話で相談援助を行い対応等についてしっかりと記録した。

  • 94単位 × 4回 × 10円(地域単位) = 3,760円/月

よって、欠席時対応加算の金額は3,760円となります。

よくある質問

欠席時対応加算についてよくある質問をまとめました。

天候・災害による欠席は事業所の状況によって算定が可能ですか?

台風が接近しているなど、天候・災害に起因して急遽欠席することもあるでしょう。このような場合に欠席時対応加算の算定できるかどうかは、事業所の状況によって異なります。

もし事業所のドアが開いており、職員が通常通りに出勤しているとしたら、施設が受け入れ態勢にありますから、欠席時対応加算が認められます。

しかし、施設側の受け入れ態勢が整っていないとしたら、欠席時対応加算は認められません。

「重症心身障害児に対し指定放課後等デイサービスを行う場合」の基本報酬を算定する事業所において、1月に事業所を利用した就学児の数を、「利用定員当該月の営業日数」で除して算出した率が『80%未満』の場合とは?

重症心身障害のお子さまが放課後等デイサービスや児童発達支援・児童発達支援センターを利用している場合は、一定の要件を満たすことで、ひと月に8回を限度として算定することができます。一定の要件とは、下記のとおりです。「ひと月の事業所の利用者数」を「利用定員と当該月の営業日数をかけた数」で割った数が『80/100未満』の場合

具体例でみていきましょう。

例:1ヶ月の利用者数:30人/利用定員:10名/当該月の営業日:20日
30人 ÷ (10名 × 20日) = 0.15
15/100 = 0.15

よって、この場合は、重症心身障害の児童に対して、ひと月に8回を限度として、算定が可能になります。

まとめ

放課後等デイサービス・児童発達支援では、利用している児童が急遽欠席することもあります。このような場合における事業所側の対応を評価するのが「欠席時対応加算」です。たとえ突然の欠席だとしても、児童側の家庭をしっかりサポートし、日ごろの支援につなげていくことが重要です。

くまくまさん
この記事を書いた人

泉州地域の現役福祉地方公務員が障害福祉に関連する知識を収集し、情報提供するブロガー
【資格】
・精神保健福祉士
・行政書士試験合格(R5年度)
【略歴】
・大阪泉州在住
・病院CWを経て、地方公務員に従事
・福祉専門の行政書士として開業準備中!!
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