毎月の医療費を軽減「自立支援医療制度」について分かりやすく解説

自立支援医療制度とは、障害の治療にかかる医療費の自己負担を軽減する制度です。自立支援医療制度は対象者によって「精神通院医療」「更生医療」「育成医療」の3つに分かれています。
- 精神通院医療
うつ病や統合失調症などの精神障害のある方で、通院による継続的な治療が必要な方 - 更生医療
18歳以上の身体障害者手帳を所持している方が対象で、その障害に伴う症状を軽減する手術などの治療により改善が見込まれる方 - 育成医療
18歳未満の身体障害のある児童が対象で、その障害に伴う症状を軽減する手術などの治療により改善が見込まれる児童
今回の記事ではこの自立支援医療制度について解説します。
この記事を読んで分かること
・自立支援医療制度の精神通院医療の対象や医療費の軽減が分かる
・自立支援医療制度の申請方法が分かる
自立支援医療制度の精神通院医療とは

自立支援医療制度の精神通院とは、うつ病や統合失調症などの精神疾患で、長く治療を続ける必要がある方のために、医療費の負担を軽くする公的な制度です。
精神通院医療の対象疾患は以下のようになります。
- 統合失調症
- うつ病、双極性障害(双極症/躁うつ病)などの気分障害
- 薬物などの精神作用物質による急性中毒またはその依存症
- PTSD(心的外傷後ストレス障害)などのストレス関連障害
- パニック障害などの不安障害
- 知的障害(知的発達症)、心理的発達の障害
- 発達障害
- アルツハイマー病型認知症、血管性認知症
- てんかん など
自立支援医療制度の精神通院が適用対象となる医療費
自立支援医療制度の精神通院医療では、基本的に通院に関わる医療費に適用されます。
主な適用対象となる医療は以下のものです。
- 通院での診察
- 薬の処方
- 精神科デイケアの利用
- 訪問看護 など
逆に対象とならない医療もあります。以下の医療に関しては、自立支援医療以外の保険がが適用されます。
- 入院医療の費用
- 公的医療保険が対象とならない治療費(例:病院や診療所以外でのカウンセリングなど)
- 精神障害と関係のない疾患の医療費 など
自立支援医療制度の精神通院を利用すると、上記の医療費が原則1割負担となります。また、世帯所得によって、月ごとの負担上限額が決まっています。
| 世帯所得状況 | 1月あたりの負担額 |
|---|---|
| 生活保護受給世帯 | 0円 |
| 市町村民税が非課税で、年収が80万円以下 | 2,500円 |
| 市町村民税が非課税で、年収が80万円以上 | 5,000円 |
| 市町村民税所得割 33,000円未満 | 医療保険の自己負担上限まで(高額療養費制度が適用)or 5,000円 |
| 市町村民税所得割 33,000円以上235,000円未満 | 医療保険の自己負担上限まで(高額療養費制度が適用)or10,000円 |
| 市町村民税所得割 235,000円以上 | 自立支援医療の対象外 or 20,000円 |
自立支援医療では、医療費の自己負担が原則1割まで軽くなります。ただし、実際の負担額には所得や病気の状態によって上限があり、その上限を超える分は公費でまかなわれます。
自立支援医療制度の精神通院を申請方法

自立支援医療の精神通院を利用するためには、住んでいる地域の市役所での申請が必要です。以下、申請の流れをわかりやすくご紹介します。
自立支援医療制度の通院医療は、どの病院でも使えるわけではありません。かかりつけの先生に「自立支援医療を使いたい」と伝えて、その病院で使えるかどうか確認しましょう。また、病状によっては対象外になることもあるため、まずは相談することが大切です。
申請には病院の医師が書いた診断書が必要になります。病院で診断書の用紙がある場合もありますが、用紙がないときは、自治体の障害福祉窓口などでもらうか、自治体によってはホームページから診断書の用紙をダウンロードすることができます。
診断書を含めた必要書類をそろえたら、市役所の障害福祉の窓口などに提出します。申請が終わるとだいたい1〜2か月後に自立支援医療受給者証が届きます。
申請に必要なものは以下のとおりです
- 申請書(自立支援医療費(精神通院医療)支給認定申請書)
- ・医師の診断書(自立支援医療費(精神通院医療)用診断書)
- ・健康保険証(国民健康保険・後期高齢者医療制度加入者の場合は世帯全員、その他の健康保険加入者の場合は受診者と被保険者本人の健康保険証が必要になります。ただしマイナンバーの確認により省略できる場合もあります。)
自立支援医療受給者証が届くまでの医療費

自立支援医療の申請をすると、1〜2か月ほどで「自立支援医療受給者証」が届きます。その間の医療費に関しては、申請時にもらえる「自立支援医療申請書の控え」を受給者証の代わりに見せることで、制度を利用できる病院もあります。
もし制度が使えなかった場合は、通常の3割負担で医療費を払うことになりますが、受給者証が届いたあとに「払い戻しの申請」ができます。払い戻しに必要になるものは以下のようなものです。
- 払い戻し申請書(自治体の窓口でもらえる)
- 医療機関や薬局でもらった領収書
- 上限額管理表(必要な場合のみ)
払い戻しの内容や手続きは自治体によって異なりますので、事前に確認しましょう。
自立支援医療受給者証の更新が必要

自立支援医療受給者証の有効期限は原則1年です。継続するためには都度更新手続きをする必要があります。また、手続きは自立支援医療受給者証の有効期限の3ヶ月前から申請できます。更新時に必要となる書類は以下のようなものがあります。
- 申請書(自立支援医療費(精神通院医療)支給認定申請書)
- 医師の診断書(自立支援医療(精神通院医療)費申請用)
診断書の提出については、治療方針に変化がない場合2年に1度の提出となる場合があります。 - 健康保険証(国民健康保険・後期高齢者医療制度加入者の場合は世帯全員、その他の健康保険加入者の場合は受診者と被保険者本人の健康保険証が必要になります。ただしマイナンバーの確認により省略できる場合もあります。)
よくある質問

自立支援医療制度に関してよくある質問についてまとめました。
まとめ

今回は通常3割負担の医療費が1割になる制度「自立支援医療」についてご紹介しました。この制度を利用することで、医療費の自己負担を軽減し、治療を続けやすくすることができます。治療に専念するためにも、自立支援医療制度を活用しましょう。




コメント