行政書士とはどんな仕事??

行政書士業務

みなさん行政書士と聞いてどんな仕事をしている人か分かりますか??私は地方公務員として働き始め、公務員を長く続けているともらえる資格くらいの認識でした。
みなさんはもっと馴染みのない名前だと思います。士業としてすぐにイメージ出来るとすれば、法律であれば弁護士、会社経営であれば税理士といった業種ではないでしょうか??実際にはその他にもたくさんの士業があります。今回は行政書士ってどんな仕事をする人なのかということを中心に記事を書こうと思います。

行政書士とは??

行政書士の歴史

行政書士の前身は、1872(明治5)年の太政官「司法職務定制」による代書人制度です。この代書人制度のもとでは、市町村役場、警察署などに提出する書類の作成で生計を立てている人たちが行政代書人として活動を行っていました。
明治30年代後半には、「代書人取締規則」が警視庁令や各府県令で定められるようになり、1920(大正9)年11月にこれら監督規則の統一化を目的として、内務省によって「代書人規則」が制定されました。
戦後、「代書人規則」は「日本国憲法施行の際限に効力を有する命令の規定の効力等に関する法律」により、1947(昭和22)年12月に効力を失います。その後、住民にとって便利となるような法制化を求める社会の動きを受け、1951(昭和26)年2月10日に行政書士の制度が定められました。また、国民の便利さに貢献することを目的(行政書士法第1条)とした「行政書士法」が成立し、同年同月の22日に法律第4号として公布され、3月1日に実施されました。
行政書士の記念日は2月22日です。日本行政書士会連合会公式キャラクターはユキマサくんです。(猫)

行政書士の業務

業務の幅が広いのが行政書士と言われています。主に以下の内容になります。

①官公署への許認可申請書の作成
何かの営業を行うのに許可や認可が必要なことが多くあるが、そのために申請書も必然的に相当多数あることになる。(その種類は1万種類以上と言われている)行政書士は、これらの省庁、都道府県庁、市役所・区役所などいわゆる役所に提出する書類について相談、作成、提出の代理を業務として行います。(例)建設業、宅地建物取引業、廃棄物収集運搬業、一般貨物運送業、旅行運送事業、倉庫業、風俗営業、食品営業、旅館業、旅行業、古物営業、探偵業、貸金業、警備業、外国人在住許可・帰化など

②権利義務に関する書類の作成とその代理・相談
権利義務に関する書類とは、権利の発生、存続、変更、消滅の効果を生じさせることを目的とする意思表示を内容とする書類のこと。権利意識の高まりとともに、後のトラブルを避けるため、契約書など権利義務に関する書類の作成が重視されてきています。高度な専門的知識が必要であり、行政書士はこうした書類について相談・作成・提出の代理を業務として扱います。(例)遺産分割協議書、各種契約書(贈与、売買、交換、消費賃借、使用賃借、賃貸借、請負、委任、寄託・組合・終身定期金・和解など)、念書、示談書、協議書、内容証明、告訴状、告発状、嘆願書、請願書、上申書、始末書、定款など

③事実証明に関する書類の作成とその代理・相談
事実証明に関する書類とは、社会生活にかかわる交渉を有する事項を証明するにたる文書をいいます。(例)実地調査に基づく各種図面類(位置図、案内図、現況測量図など)、株式会社や一般社団法人などの各種議事録、会計帳簿、申述書など

法令(行政書士法抜粋)
第1条の2 行政書士は、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類(その作成に代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)を作成する場合における当該電磁的記録を含む。以下この条及び次条において同じ。)その他権利義務又は事実証明に関する書類(実地調査に基づく図面類を含む。)を作成することを業とする。
 行政書士は、前項の書類の作成であつても、その業務を行うことが他の法律において制限されているものについては、業務を行うことができない。
第1条の3 行政書士は、前条に規定する業務のほか、他人の依頼を受け報酬を得て、次に掲げる事務を業とすることができる。ただし、他の法律においてその業務を行うことが制限されている事項については、この限りでない。
 前条の規定により行政書士が作成することができる官公署に提出する書類を官公署に提出する手続及び当該官公署に提出する書類に係る許認可等(行政手続法(平成5年法律第88号)第2条第3号に規定する許認可等及び当該書類の受理をいう。次号において同じ。)に関して行われる聴聞又は弁明の機会の付与の手続その他の意見陳述のための手続において当該官公署に対してする行為(弁護士法(昭和24年法律第205号)第72条に規定する法律事件に関する法律事務に該当するものを除く。)について代理すること。
 前条の規定により行政書士が作成した官公署に提出する書類に係る許認可等に関する審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立ての手続について代理し、及びその手続について官公署に提出する書類を作成すること。
 前条の規定により行政書士が作成することができる契約その他に関する書類を代理人として作成すること。
 前条の規定により行政書士が作成することができる書類の作成について相談に応ずること。

行政書士ってこんな人

行政書士バッジに込められた意味

行政書士徽章にデザインされているマークは外側に秋桜(コスモス)、その中央に篆書体の「行」が書かれています。

行政書士は社会調和を図り、誠意をもって公正・誠実に職務を行うことを通じ、国民と行政との絆として、国民の生活向上と社会の繁栄進歩に貢献することを使命としており、法律専門国家資格者の中でも特に幅広い業務範囲を持っており、時代に応じて、国民の生活に密着した法務サービスを提供しており、高い倫理観を持って職務にあたる必要があります。このような行政書士にとって、「秩序」「調和」を花言葉として持つコスモスが用いられています。

倫理綱領

行政書士倫理綱領
行政書士は、国民と行政とのきずなとして、国民の生活向上と社会の繁栄進歩に貢献することを
使命とする。
一、行政書士は、使命に徹し、名誉を守り、国民の信頼に応える。
二、行政書士は、国民の権利を擁護するとともに義務の履行に寄与する。
三、行政書士は、法令会則を守り、業務に精通し、公正誠実に職務を行う。
四、行政書士は、人格を磨き、良識と教養の陶冶を心がける。
五、行政書士は、相互の融和をはかり、信義に反してはならない。

行政書士倫理綱領の監修をされたのは、国語学者の金田一春彦先生です。四、行政書士は、人格を磨き、良識と教養の陶冶を心がける。は行政書士の執務姿勢と行動指針を示す素敵な言葉ですね。

まとめ

今回は行政書士の概要と業務内容について説明いたしました。なんとなくどんな業務をしているのかイメージはついたでしょうか??次回は行政書士がどんなところで働いているのかや行政書士が出来ない仕事の範囲について説明したいと思います。主な仕事場や他士業の業務の違いを知ることで行政書士の仕事をよりイメージしやすくなってもらえたらと思います。

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