議事録だけではアウト!「虐待防止・身体拘束適正化」未実施減算の実地指導ポイント

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こんにちは。 大阪で障害福祉サービス専門の行政書士事務所開業に向けて準備中の「くまくま相談事務所」です。

令和6年度(2024年度)の報酬改定により、すべての障害福祉サービス事業所において「虐待防止」および「身体拘束等の適正化」への取り組みが完全義務化(未実施の場合は基本報酬を減算)されました。

「とりあえず年に1回、スタッフを集めて委員会を開いて、議事録を作ってファイルに綴じてあるから大丈夫」と安心されていませんか?

しかし、運営指導の現場において、「議事録だけ」を提出しても絶対にクリアできません。 運営指導担当者は、事業所が形だけの会議をしているのか、それとも本当に利用者の尊厳を守る仕組みを稼働させているのかを、複数の書類を「セット」で突き合わせて厳格にチェックします。

要件を1つでも満たしていなければ、その月(または過去に遡って)の基本報酬から「虐待防止未実施減算(1%)」「身体拘束廃止未実施減算(1%)」として売上が削り取られてしまいます。「たかが1%」と侮ってはいけません。全利用者の基本報酬から毎月引かれ続ければ、年間で数十万円〜数百万円の損失になります。

今回は、運営指導で指摘される「未実施扱いになるNGパターン」と、その対策を徹底解説します。

✅ この記事を読んでわかること

  • 【基本ルール】 令和6年度から全事業所で義務化!未実施減算の恐ろしい仕組み
  • 【虐待防止の罠】 「議事録はあるのに減算」になる、4つの必須要件の抜け穴
  • 【身体拘束の罠】 「うちは拘束していないから関係ない」という勘違いが招く悲劇

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目次

「虐待防止」未実施減算の4つの壁

虐待防止措置未実施減算を回避するためには、以下の【4つの要件すべて】を継続的に満たさなければなりません。

① 虐待防止委員会の定期的な開催(議事録は周知する)

虐待防止委員会は「定期的に(年に1回以上)」開催し、その結果を全従業員に周知する必要があります。 

【NG例】 「議事録はありますが、参加者が管理者とサビ管の2名だけですね。他の現場スタッフはどうやって内容を知るのですか?」 議事録があるだけでは不十分です。「回覧してサインをもらう」「スタッフルームに掲示する」など、全従業員に周知したという客観的な証拠(サインや写真)が求められます。

② 虐待の防止等のための指針の整備(コピペは×)

事業所としてのルールブック(指針)を作成し、備え付けておく必要があります。 

【NG例】「自治体のひな形をそのまま印刷しただけですね。事業所の名前すら入っていませんし、現場のスタッフは誰もこのファイルの存在を知りません。」 指針は作成して終わりではなく、スタッフがいつでも見られる場所に置き、入社時に必ず読み合わせを行うなどの運用実績が必要です。

③ 虐待の防止等のための定期的な研修の実施(実施記録を作成)

全従業員を対象とした虐待防止研修を「定期的に(年に1回以上)」実施しなければなりません。 

【NG例】 「委員会の議事録はありますが、研修の実施記録がありません。会議と研修は別物ですよ。」

委員会(一部のメンバーでの話し合い)と、研修(全スタッフへの教育)は法的に別の要件です。研修を行った際は、「いつ、誰が、何の資料を使って研修を行い、誰が参加したか(参加者名簿・サイン)」をセットで残す必要があります。

④ 虐待防止に関する責任者の選任

事業所内に「虐待防止責任者」を配置し、誰が責任者なのかを組織図や指針に明記しておく必要があります。(※管理者が兼務することが一般的です)。

「身体拘束適正化」未実施減算の罠

身体拘束適正化についても、虐待防止とほぼ同じ「委員会」「指針」「研修」の3点セットが義務付けられています。 ここで事業所が陥りやすい最大の勘違いがあります。

「うちは身体拘束なんて一切やっていないから、委員会も研修も不要ですよね?」

これは決定的な間違いであり、最も多い減算の理由です。 

行政のルールは、「現在、身体拘束を行っているかどうか」に関わらず、「万が一、身体拘束を行わざるを得ない事態が発生した時のために、事前のルール作りと研修を全事業所で行いなさい」というものです。 したがって、就労継続支援(A型・B型)や、比較的軽度な方が多いグループホームであっても、「身体拘束適正化」の委員会と研修は【必須】です。これを怠ると、減算の対象となります。

もし「例外的に」身体拘束を行う場合の厳格な記録

自傷や他害などがあり、どうしても一時的に行動を制限しなければならない場合(※車椅子のベルト固定なども拘束に該当します)、以下の「3要件」をすべて満たし、かつ緻密な記録を残さなければなりません。

  1. 切迫性: 利用者本人または他者の生命・身体に危険が及ぶ可能性が著しく高い。
  2. 非代替性: 身体拘束その他の行動制限を行う以外に、代わりになる方法が全くない。
  3. 一時性: 身体拘束その他の行動制限が一時的なものである。

この3要件について、組織的に(委員会等で)検討した記録、個別支援計画への記載、ご家族への説明と同意、そして「日々の実施状況の詳細な記録(何時何分〜何時何分まで、どのような状態で拘束したか)」が1つでも抜け落ちていれば、「不適切な身体拘束=虐待」とみなされ、厳しい指導の対象となります。

よくある質問(Q&A)

待防止委員会と身体拘束適正化委員会は、一緒に開催してもいいですか?

合同で開催して問題ありません。 厚生労働省も、関係する委員会を合同で開催することを認めています。「虐待防止・身体拘束適正化 合同委員会」といった名称で会議を開き、議事録の中でそれぞれの議題について話し合った記録が残っていれば、要件を満たすことができます。

研修の参加者が全員揃いませんでした。どうすればいいですか?

欠席者への「後日フォロー(伝達)」の記録を残してください。 シフトの都合上、全スタッフが一度に集まるのは困難です。欠席したスタッフには、後日、研修の録画を見てもらったり、資料を読み合わせたりする「補講」を行い、そのスタッフから後日日付でサインをもらうことで「全従業員に実施した」と認められます。

心理的虐待や経済的虐待など、目に見えにくい虐待の対策はどうすればいいですか?

「チェックリスト」を活用した自己点検が有効です。 「利用者様を子ども扱いするような言葉遣い(ちゃん付けなど)をしていないか」「利用者様のお金を立替払いさせていないか」など、無意識のうちに行いがちな不適切な対応について、定期的にスタッフ全員でチェックリストを用いて振り返りを行うこと自体が、立派な虐待防止の研修・委員会活動として認められます。

まとめ:運営指導をノーダメージで乗り切る「効率的な運用法」

「委員会を開いて、研修もやって、それぞれの記録を作って…現場が回らない!」と頭を抱える事業主様も多いでしょう。 書類仕事でスタッフが疲弊してしまっては本末転倒です。

実地指導をクリアしつつ、現場の負担を最小限に抑える効率的な運用方法は「委員会と研修の同日開催・セット化」です。

  1. 事前に「虐待防止」と「身体拘束適正化」の合同委員会の資料を作成する。
  2. スタッフミーティングの日に、最初の20分で「委員会(現状の報告や課題の話し合い)」を行う。
  3. そのまま続けて30分間、「研修(動画の視聴や事例検討)」を行う。
  4. 「合同委員会議事録」と「研修実施記録(参加者サイン付き)」の2枚の書類をまとめて作成する。

このように仕組み化してしまえば、年に1〜2回の実施で、運営指導で指摘されるリスクを完全にゼロにすることができます。

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くまくまさん
この記事を書いた人

大阪の福祉系地方公務員が障害福祉に関連する知識を収集し、情報提供するブロガー
【資格】
・福祉系の資格あり
・行政書士試験合格
【略歴】
・大阪在住
・福祉専門の行政書士として開業準備中!!
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