【令和6年報酬改定】就労継続支援B型の「短時間利用減算」とは?30%減算を防ぐ3つの対策

こんにちは。「くまくま相談事務所」です。 就労継続支援B型の経営者・管理者様、日々の運営や利用者さんの工賃向上に向けた取り組み、本当にお疲れ様です。
令和6年度の報酬改定でB型事業所に最も大きな「罠」として立ちはだかっているのが、新設された「短時間利用減算」です。
「うちの利用者さんは疲れやすいから、午前中だけの利用が多いんだよね」 もしそんな事業所がこの減算に該当してしまうと、なんと「基本報酬が30%カット」という経営を揺るがす恐ろしいペナルティが待っています。
今回は、就労継続支援B型における「短時間利用減算」の要件と、事業所の首を絞めないための「具体的な防衛策(除外要件)」について解説します。
✅ この記事を読んでわかること
- 【B型の落とし穴】短時間利用減算の対象となる事業所と条件
- 【対策】減算対象から「除外」するための3つの重要ポイント
- 万が一、誤って請求してしまった場合の正しい対処法
1. 恐怖の「短時間利用減算」とは?基本報酬30%カットの衝撃

令和6年度の報酬改定では、B型の報酬体系が大きく見直されました。その中で、「利用者の就労や生産活動への参加をもって一律に評価する報酬体系(旧・基本報酬)」を選択している事業所に対し、利用時間が短すぎる場合のペナルティとして新設されたのが「短時間利用減算」です。
- 対象となる事業所 就労継続支援B型サービス費(Ⅳ)~(Ⅵ)を算定している事業所。
- 減算の条件 前月までの「直近3か月」の平均利用時間が「4時間未満」の利用者が、全体の50%以上を占める場合。
- 減算される単位数 なんと、所定単位数の30%が減算されます。
例えば、基本報酬が約600単位の事業所なら、約180単位(約1,800円/日・人)も一気に減らされてしまいます。これが月間を通じて適用されると、事業所の売上は数十万円単位で吹き飛んでしまいます。
利用時間の計算方法
以下の手順で利用時間を計算します。
- 各利用者について、直近3ヶ月における利用時間の合計時間を、同期間の利用日数で割り、利用日1日当たりの平均利用時間を算出。
- 1から算出された平均利用時間が4時間未満の利用者の当月の延べ人数を、事業所の当月の全利用者数で割る。
※障害特性等でやむを得ず短時間利用になる人は算定から除く。
2. 減算を防ぐための「3つの防衛策(除外ルール)」

「精神障害や重度の知的障害があって、どうしても4時間以上通うのが難しい利用者さんが多いのに、どうすればいいの?」と焦る必要はありません。 行政のルールにも逃げ道はあります。正当な理由があれば、平均利用時間の計算から「除外」できる特例が用意されています。ここが経営を守る最大のポイントです。
① 「サービス提供記録や個別支援計画」にやむを得ない理由を明記する(超重要!)
障害特性や体調の問題で、どうしても4時間未満の利用になってしまう場合は、「サービス提供記録や個別支援計画」のその他留意事項欄等に、その理由を明記する必要があります。 「疲れやすいため午前のみの利用とする」といった記載があれば算定から除外できます。
② 送迎に長時間を要する場合は算定外
遠方にお住まいで、送迎にどうしても時間がかかってしまい、結果として施設での滞在時間が短くなる利用者さんも除外の対象になり得ます。 ただし、「どの程度の時間が長時間とみなされるか」は、市町村や大阪府など、指定権者(自治体)によって見解が異なる場合があります。自己判断せず、必ず事前に管轄の役所へ確認しましょう。
③ 土曜日やイベントの「特例的な短時間開所」は算定外
「平日は5時間開所しているが、土曜日やイベントの日は半日(3時間)で閉めている」という事業所も多いはずです。この場合、「運営規程」に土曜日等の営業時間を明確に定めていれば、その日は平均利用時間の算定から外すことが可能です。運営規程の記載が漏れているとアウトになるため、今すぐ見直してください。
3. もし誤って請求してしまったら?「過誤手続き」の鉄則

「除外できると思っていたら、計画書に理由が書かれていなかった…」 「毎月の計算を怠っていて、実は50%を超えていた…」
もし、要件を満たさないまま通常の報酬を受け取ってしまった場合は、絶対に放置してはいけません。 速やかに国保連へ「過誤(かご)申立」の手続きを行い、請求を取り下げて正しい金額で再請求してください。
役所の「運営指導(実地指導)」でこの誤りが発覚し、悪質だと判断されると、単なる返還だけでなく、監査や行政処分、最悪の場合は指定取り消しに繋がるリスクすらあります。「バレないだろう」という甘い考えは、福祉事業においては命取りになります。
よくある質問(Q&A)

まとめ:制度の落とし穴から事業所を守るために

令和6年度の報酬改定は、就労継続支援B型にとって「工賃向上」か「多様な利用者の受け入れ」かの二極化を迫る厳しい内容となりました。特にサービス費(Ⅳ)~(Ⅵ)を選択する事業所にとって、今回の「短時間利用減算」はまさに死活問題です。
「うちの事業所は大丈夫だろうか?」 「サービス等利用計画の記載や、運営規程の変更はどうすればいい?」
このような不安がある場合は、実地指導の通知が来る前に、一度事業所の書類や請求状況を見直すことを強くお勧めします。




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