【グループホーム】1つの建物に複数の共同生活住居を設置できる?原則と例外の条件を徹底解説

こんにちは。「くまくま相談事務所」です。 障害者グループホーム(共同生活援助)の開業や住居の増設に向けて、日々物件探しに奔走されている経営者・管理者様、本当にお疲れ様です。事業所様からこんなご相談が寄せられましたので、ご紹介します。
「大きめのアパートを一棟借りして、1階を『住居A』、2階を『住居B』として別々に指定を取りたいのですが、可能ですか?」
家賃効率や職員の配置を考えると非常に魅力的なアイデアですが、ここには行政のルールを知らずに物件を契約してしまうと指定が下りないという、恐ろしい「罠」が潜んでいます。
今回はグループホームにおいて「1つの建物に複数の共同生活住居を設置する条件」を分かりやすく解説します。
✅ この記事を読んでわかること
- 【大原則】1つの建物には「1住居」しか設置できない理由
- 【例外】1建物に複数住居の設置が認められる「2つの絶対条件」
1. 大原則!1つの建物に設置できる「共同生活住居」は原則1つ

グループホームにおける「共同生活住居」とは、複数の居室に加え、居間、食堂、便所、浴室などを共有する1つの建物のことを指します 。
事業所の経営効率を考えれば、大きな建物にたくさんの利用者を詰め込みたくなりますが、行政のルールでは「原則として、1つの建物の中に複数の共同生活住居を設置することはできない」と明確に定められています 。
なぜなら、グループホームはあくまで「地域生活」の場であり、大規模な施設のような「集団的処遇」になってしまうことを規制する必要があるからです 。そのため、例えば2階建ての戸建て住宅であっても、基本的には1階と2階を合わせて「1つの共同生活住居」として扱われます 。
2. 例外として「1建物複数住居」が認められる2つの絶対条件

原則は不可ですが、全く道がないわけではありません。以下の「2つの条件」を両方とも満たせば、例外として1つの建物の中に複数の共同生活住居を設置することが可能です 。
条件①:建物の「合計定員」が基準内に収まっていること
住居ごとではなく、「建物全体」での定員上限が厳しく決められています。建物の種類(新築か既存か)によって上限が異なります。
- 新規に建物を設置する場合(新築など): 建物全体の定員が「10人以内」であること 。 (※ただし、日中サービス支援型グループホームの場合は「20人以内」まで認められます )
- 既存建物を活用する場合(既存アパートの改修など): 建物全体の定員が「20人以内」の範囲であること 。
【具体的なシミュレーション(新築の介護サービス包括型の場合)】
⭕️ 設置可能: 1階の共同生活住居A(定員5名) + 2階の共同生活住居B(定員5名) 。 2住居の合計定員が10人以下のため、条件をクリアしています 。
❌ 設置不可: 共同生活住居A(定員10名) + 共同生活住居B(定員10名) 。 合計定員が20名となり、新築の建物の定員上限(10人以内)を超えるため認められません 。
条件②:住居ごとの「独立性」が完全に確保されていること
定員をクリアしていても、建物構造上、共同生活住居ごとの「独立性」が確保されていなければなりません 。
具体的には、「玄関が別々になっている」など、生活空間が物理的にしっかりと分かれている必要があります 。建物の中で廊下が繋がっていたり、共有スペースを無理やりパーテーションで区切っただけのような構造では、独立性が保たれているとはみなされません。
3. 物件契約前に必ず「指定権者(役所)」へ図面相談を!

これらの条件を満たせば1建物での複数住居運営は可能ですが、落とし穴はまだあります。指定申請にあたっては、障害福祉のルールだけでなく、事前に所在地の消防署や建築基準法に係る建築部門との協議も済ませておく必要があります 。
「不動産屋さんが大丈夫と言っていたから」と慌てて賃貸契約を結んだ後に、役所から「この図面・構造では複数住居としての独立性が認められません」と指摘され、数百万円の初期費用が無駄になってしまうケースは決して珍しくありません。
よくある質問(Q&A)

まとめ

グループホームの物件探しは、一般の不動産賃貸とは全く異なります。障害者総合支援法に基づく人員・設備基準、建築基準法(寄宿舎等への用途変更)、消防法という「3つの高い壁」を同時にクリアしなければなりません。




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