就労継続支援B型の「総量規制」【開業の罠】物件契約はちょっと待って!

こんにちは。「くまくま相談事務所」です。
就労継続支援A型やB型の開業を目指し、日々物件探しに奔走されている皆様、本当にお疲れ様です。
「駅近で指定基準を満たす最高の物件を契約したのに、役所に行ったら『今は新規の申請を受け付けていません』と言われてしまった…!」
実はこれ、障害福祉事業における最大のトラップ「総量規制」によるものです。今回は、数百万円の初期費用をドブに捨てないために開業前に絶対に知っておくべき「総量規制」について解説します。
1. 突然の開業ストップ!「総量規制」とは何か?

総量規制とは、各都道府県や市町村が定める「障害福祉計画等」に基づき、その地域のサービスの供給量が過剰にならないよう、新規開業を制限する制度のことです。 就労支援系のサービスにおいて、就労継続支援A型・B型は総量規制の実施が認められています。
せっかく基準を満たす物件を見つけ、人員の目処が立っても、この総量規制が実施されている期間は、原則として対象サービスを新たに開業することができません。
2. なぜ役所は新規開業を制限するのか?(業界の背景)

「障害を持つ方は増えているのだから、施設も多い方がいいのでは?」と思うかもしれません。しかし、行政側は明確に「量から質」へと方針を転換しています。
- 質の確保に向けた方針転換: A型・B型の事業所数は近年大きく増加していますが、それに伴い、単なる「居場所」の提供にとどまり、実効性のある支援ができていない事業所が増加したことが問題視されています。国や自治体は、事業所数よりも一般就労への移行実績や工賃向上といった「支援の質」を重視するようになりました。
- 第7期障害福祉計画の影響: 2024年度から運用されている「第7期障害福祉計画」では、自治体が地域の実情に応じた「見込み利用量」を設定し、供給が過剰になっている特定地域のみに柔軟に総量規制を実施できるようになりました。
- 数より機能の重視: 行政は「A型・B型の枠はこれ以上増やさず、その分を一般就労への移行促進や、より重度の方への直接支援に振り分けたい」という考えのもと、総量規制を運用しています。
3. 最悪の失敗:役所に聞く前に「物件の本契約」をしてしまう

総量規制の有無を知らずに、不動産屋の「福祉でもOKな物件ですよ」という言葉だけを信じて物件を本契約してしまうのは、絶対に避けてください。
指定権者(自治体)との最初の接点となる「事前協議(事前相談)」の手前でストップがかかってしまうと、多額の違約金を払って契約を解除し、新たに開業可能なエリアで一から物件探しや手続きをやり直すことになります。 総量規制の有無の確認は、必ず「物件の本契約の前」に行うことが鉄則です。
よくある質問(Q&A)

まとめ:物件契約の前に、まずは「専門家と役所」へ相談を

就労継続支援の開業において、「物件選び」は最大の難関です。建築基準法や消防法だけでなく、今回解説した「障害福祉計画に基づく総量規制」という行政の壁をクリアしなければ、指定(許可)は絶対に下りません。せっかくの開業資金を無駄にしないために、物件の仮契約をする前に、行政の内部事情と交渉術を知り尽くした福祉専門の行政書士にぜひ一度ご相談ください。




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