自然災害(地震・水害)BCP作成の5ステップ

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こんにちは。「くまくま相談事務所」です。 障害福祉事業所の経営者・管理者様、日々の支援業務に加え、義務化されたBCP(業務継続計画)の策定、本当にお疲れ様です。

行政は「立派な分厚い計画書」が欲しいわけではないということです。本当に求められているのは、いざ災害が起きた時に「スタッフが迷わず動け、利用者さんの命を守り抜ける生きた計画」です。

今回は、厚生労働省のガイドラインに基づき、自然災害(地震・水害等)に対応するためのBCP作成手順を5つのステップで分かりやすく解説します。

✅ この記事を読んでわかること

  • 【全体像】「分厚いだけの計画書」にしない、実効性のあるBCP作成の5ステップ
  • 【優先順位】スタッフが足りない災害時に、どの業務を優先・継続すべきかの判断基準
  • 【実践ルール】いざという時に職員が迷わず動ける「参集基準」と「初動対応」の仕組み
  • 【効率化】厚生労働省の「ひな形」を最大限に活用し、最短ルートで作成を進める方法

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目次

準備段階:BCP作成で意識すべき4つのポイント

計画を書き始める前に、前提として以下の4つの考え方を共有しておきましょう。

  1. 正確な情報集約と判断体制: 「誰がリーダーで、誰が何をするか」を明確にします。
  2. 「事前対策」と「被災時対策」: 備蓄などの「事前の備え」と、初動などの「起きた後の動き」をセットで考えます。
  3. 業務の優先順位: スタッフが足りない中、何より優先すべき業務(食事・排泄・安否確認など)を絞ります。
  4. 普段からの周知・研修: 計画は作って終わりではありません。練習して、直して、を繰り返します。

BCP作成の5つのステップ

それでは、具体的な作成手順を見ていきましょう。

ステップ1:総論(方針づくりとリスク把握)

まずは土台作りです。

  • 推進体制の構築: 責任者を決め、設備担当、給食担当などの役割を分担します。
  • リスクの把握: ハザードマップで「浸水のリスクはないか」「避難場所はどこか」を確認し、インフラ停止の影響を想定します。
  • 優先業務の選定: 「命を守るために最低限必要な業務」は何か、優先順位を決めます。

ステップ2:平常時の対応(事前準備)

災害が起きる前にできる物理的な備えです。

  • 安全対策: 家具の固定や、防水扉の点検などを行います。
  • 代替手段の確保: 電気・水が止まった場合に備え、カセットコンロや簡易トイレ、自家発電機などを検討します。
  • 備蓄: 最低3日間、自力で乗り切れる食料や衛生用品をリスト化し管理します。

ステップ3:緊急時の対応(被災時のルールづくり)

「その時」に誰がどう動くかを決めます。

  • BCP発動・参集基準: 「震度5強以上なら発動」などの基準を決めます。職員が自発的に集まる「自動参集」のルールも重要です。
  • 安否確認と避難: 利用者・職員の無事をどう確認し、どこへどう誘導するか。
  • 業務の継続: 出勤できる職員が少ない中(例:30%など)、重要業務をどう回すか手順を整理します。

ステップ4:他施設や地域との連携

自施設だけでは限界があります。

  • 協力体制の構築: 近隣施設と「物資や職員を助け合う」協定を結んでおきます。避難先に持参する「利用者カード(持病やアレルギー情報)」の準備も忘れずに。
  • 地域への貢献: 福祉避難所として地域住民を受け入れる準備も、可能な範囲で検討します。

ステップ5:研修・訓練の実施と見直し

計画を現場に馴染ませます。

  • 作成したBCPを全職員に共有し、定期的に研修やシミュレーション(実地訓練)を行います。
  • 訓練で出た課題をもとに、計画をブラッシュアップし続けます。

厚生労働省の「ひな形」を最大限に活用しよう

一から全てを作成するのは大変ですが、厚生労働省から非常に使いやすい「ひな形(テンプレート)」が提供されています。まずはこれに沿って、自施設の状況を書き込んでいくのが最短ルートです。

厚生労働省:障害福祉サービス事業所等におけるBCP策定支援(ひな型)
 ※「自然災害」と「新型コロナウイルス」の2種類がありますが、まずは自然災害版から進めるのがおすすめです。

よくある質問(Q&A)

消防法に基づく「消防計画」や「防災計画」を作って避難訓練もしていますが、それでもBCP(業務継続計画)は必要ですか?

はい、全く別の計画として作成が必須です。「防災計画」は、火災や地震が発生した直後に、利用者とスタッフの命を守り、安全な場所へ「避難する」ことを目的としています。一方「BCP」は、避難して命の安全を確保した「その後」に、限られた人員やストップしたライフラインの中で、食事や排泄といった重要業務をどうやって継続・復旧させるかを定めたものです。両方揃って初めて、災害に強い事業所となります。

厚生労働省のひな形をダウンロードしましたが、項目が多くて埋めきれません。とりあえず施設名と緊急連絡先だけ書いておけば実地指導は通りますか?

実地指導(運営指導)において、行政の担当者は「その計画がこの事業所で本当に機能するか」を厳しくチェックします。ハザードマップに基づいた自施設のリスク評価や、備蓄品のリスト、具体的な参集基準などが白紙のままでは「未策定(あるいは形だけの虚偽文書)」とみなされ、業務継続計画未策定減算の対象となるほか、厳しい指導を受けます。時間がないからといって無料のひな形を適当に埋めるのは避け、難しい部分は専門家にご相談ください。

近くに協力できそうな他の法人の施設がありません。ステップ4の「他施設との連携」は絶対に必要ですか?

必須ではありませんが、強く推奨されています。大規模災害時には自施設のスタッフだけでは間違いなく限界が来ます。もし近隣に協力できそうな施設がない場合は、同じ自治体内の少し離れた施設や、所属している職能団体(社会福祉協議会や各種協会など)を通じた連携ルートを事前に探っておくことが、いざという時の大きな命綱となります。

まとめ:BCPは「スタッフを守るための盾」です

「また難しい書類が増えた」と感じるかもしれませんが、BCPは有事の際、責任ある立場にいる皆様や、現場で戦うスタッフが「どうすればいいか分からない」とパニックになるのを防ぐための「盾」になります。

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くまくまさん
この記事を書いた人

大阪の福祉系地方公務員が障害福祉に関連する知識を収集し、情報提供するブロガー
【資格】
・福祉系の資格あり
・行政書士試験合格
【略歴】
・大阪在住
・福祉専門の行政書士として開業準備中!!
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