【グループホーム】世話人が「夜間支援」を兼務する際の常勤換算の罠

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こんにちは。「くまくま相談事務所」です。

グループホーム(共同生活援助)を運営する事業主の皆様、毎月の「シフト作成」と「常勤換算の計算」、本当に頭が痛い業務ですよね。 グループホームの運営指導において、担当者が真っ先に行うこと。それは「タイムカード(出勤簿)とシフト表を電卓で叩き直し、常勤換算が基準を満たしているかを確認すること」です。

もしここで「計算ミス(水増し)」が発覚し、人員基準を下回っていた場合、人員欠如減算(基本報酬の30%カット等)が過去に遡って適用され、数百万円規模の返還を命じられる可能性があります。

今回は、多くの事業所が無意識のうちにやってしまっている「世話人と夜間支援従事者の兼務による二重計算の罠」を徹底解説します。

✅ この記事を読んでわかること

  • 【常勤換算の基本】 グループホーム経営の命綱!世話人・生活支援員の配置ルールの基本
  • 【最大の罠】 世話人が「夜間支援」に入った日、その時間は常勤換算から除外しなければならない理由
  • 【実地指導対策】 監査官に「計算の二重取り」を疑われないための、正しいシフト表・出勤簿の作り方

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目次

夜間支援」の時間は「世話人」の常勤換算に入らない!

グループホームには、日中の家事や相談に乗る「世話人」「生活支援員」という配置基準があり、毎月「常勤換算で〇人以上」という厳しい要件が定められています。

一方で、入居者が寝静まった夜間に、見守りや緊急対応を行うために配置するのが「夜間支援従事者」です(これを配置することで「夜間支援体制加算」が算定できます)。

スタッフが潤沢な事業所であれば、「日中の世話人」と「夜間専従のスタッフ」を別々に雇えば問題ありません。しかし現実には、「日中からそのまま世話人が残り、夜間支援も兼務して、翌朝まで泊まり込みで勤務する(またはその逆)」というシフトを組んでいる事業所がほとんどだと思います。

行政のルールでは、「夜間支援従事者として勤務している時間帯は、世話人(または生活支援員)としての勤務時間には含められない(常勤換算から除外する)」と厳格に定められています。

具体例で解説:正しい計算と間違った計算の違い

夜間支援体制加算の対象となる時間帯(例:22時〜翌朝5時など、運営規程で定めた夜間帯)は、あくまで「夜間支援従事者」として働いている時間であり、「世話人」はお休みしている(配置されていない)状態として計算しなければなりません。

❌【間違った計算例】

  • 勤務時間: 15:00 〜 翌9:00(18時間勤務)
  • 夜間支援の時間帯(運営規程): 22:00 〜 翌5:00(7時間)
  • 誤った常勤換算の計上: 18時間すべてを「世話人」の勤務時間として計算。 ➡ 結果:常勤換算が水増しされ、運営指導で人員欠如減算が発覚!

⭕【正しい計算例】

  • 勤務時間: 15:00 〜 翌9:00(18時間勤務)
  • 夜間支援の時間帯(運営規程): 22:00 〜 翌5:00(7時間)
  • 正しい常勤換算の計上: 総勤務時間(18時間) − 夜間支援の時間(7時間) = 11時間 ➡ この「11時間」だけを、世話人の常勤換算の計算(分子)に含めることができます。

このように、タイムカードの「総労働時間」をそのまま常勤換算表に入力している事業所は、世話人の常勤換算を過大申告していることになります。

実地指導対策:運営指導担当はココを突き合わせる!

運営指導の当日、担当者は以下の書類をテーブルに並べて徹底的に突き合わせます。

  1. 夜間支援体制加算の算定記録(国保連への請求データ)
  2. シフト表とタイムカード(出勤簿)
  3. 常勤換算表

運営担当者は 「おっ、この事業所は〇月〇日に夜間支援体制加算を取っているな。ということは、この日の夜(22時〜5時)は、誰かが『夜間支援従事者』として配置されていたはずだ。シフト表を見ると、Aさんが夜勤に入っている。では、常勤換算表を見てみよう。
…あれ?Aさんのこの日の労働時間が、夜間も含めて『世話人』として丸々カウントされているぞ。これは時間の二重取りだ。常勤換算を再計算になるな」

そして再計算の結果、世話人の基準(例:6:1など)を0.1でも下回ってしまった場合、その月から人員欠如が解消されるまでの数ヶ月間、受給した基本報酬の30%減算がされます。

絶対に身を守るための「シフト表・出勤簿」の作り方

この恐ろしい事態を防ぐためには、「書類上で明確に時間を切り分ける」仕組みが必要です。

  • 対策:シフト表の行(役割)を分ける 
    Excel等でシフト表を作る際、Aさんの行を1つにするのではなく、「Aさん(世話人)」と「Aさん(夜間支援)」の2行に分け、どの時間帯にどちらの役割で勤務しているのかを可視化してください。
  • 対策:出勤簿や勤務実績表に「夜間支援の時間」の記入欄を作る
    月末に常勤換算表を作成する際、計算ミスを防ぐため、日々の出勤簿のフォーマット自体に「本日の総労働時間」と「うち、夜間支援の時間」を分けて記入する欄を設けます。
  • 対策:運営規程の「夜間帯」を正確に把握する
    自社の運営規程で「夜間」を何時から何時までと定めているか(22時〜5時なのか、21時〜6時なのか)を管理者が正確に把握し、その時間を機械的にマイナスして計算するルールを徹底してください。

よくある質問(Q&A)

世話人を「常勤」として雇用しています。この常勤スタッフが夜間支援に入った場合、常勤の要件(週40時間など)はどうなりますか?

これは非常に危険な落とし穴です。常勤要件から外れてしまう可能性があります。 夜間支援従事者として勤務した時間は「世話人」としての勤務時間から除外されます。そのため、夜勤に入った分だけ世話人としての労働時間が削られ、結果として「常勤の規定時間(例:週40時間)」を下回ってしまうケースが多発しています。

常勤換算の計算式は?

常勤換算(じょうきんかんさん)は、非常勤職員の勤務時間を合計し、常勤職員の所定労働時間で割って「何人分の労働力か」を算出する方法です。
基本の計算式は「常勤職員数 + (非常勤職員の総勤務時間 ÷ 常勤の所定労働時間)」です。

まとめ:グループホーム経営は「時間の切り分け」がすべて

グループホームの運営は、世話人、生活支援員、夜間支援従事者というパズルのような人員配置を、いかに矛盾なく書類上で組み立てるかの勝負です。

「現場には常にスタッフがいるから大丈夫だろう」 「タイムカードの時間をそのまま足せばいいだろう」

この油断が、事業所の存続を揺るがす致命的なダメージを引き起こします。

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くまくまさん
この記事を書いた人

大阪の福祉系地方公務員が障害福祉に関連する知識を収集し、情報提供するブロガー
【資格】
・福祉系の資格あり
・行政書士試験合格
【略歴】
・大阪在住
・福祉専門の行政書士として開業準備中!!
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