障害福祉の「指定」だけではダメ?総合支援法“以外”に必要な要注意な許可・届出5選

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こんにちは。「くまくま相談事務所」です。

障害福祉サービス(就労継続支援やグループホームなど)を立ち上げる際、事業主様の頭の中は「人員基準」や「設備基準」といった『障害者総合支援法』のルールでいっぱいになりがちです。

しかし、行政の窓口に申請へ行くと、こんなことを言われます。 「消防署の適合証明書はありますか?」「建築指導課で用途変更の確認はしましたか?」

障害福祉サービスは、総合支援法の基準を満たすだけでは指定(許可)が下りません。

建物の安全性や事業の内容に応じて、他法令(ほほうれい)のルールをクリアしていることが大前提となります。 これを見落として物件を契約してしまうと、「多額の改修費用がかかる」「最悪の場合、その物件では開業できない」という事態に陥ります。

今回は、障害福祉事業において特に関わりの深い「5つの他法令」について解説します。

✅ この記事を読んでわかること

  • 【建物の落とし穴】 物件契約前に絶対確認!開業延期の最大の原因になりやすい「消防法」と「建築基準法(用途変更)」の壁
  • 【作業に必要な許可】 カフェ運営や中古品販売など、B型の生産活動やサービス内容によって必須になる「食品衛生法」や「古物商許可」

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目次

障害者総合支援法以外の許可・届出

障害福祉サービスの指定(許可)さえ取れれば開業できると思っていませんか?実は、物件選びや事業内容によっては、消防法や建築基準法、食品衛生法など、他法令のクリアが必須です。

「障害者総合支援法以外の許可・届出」について解説します。

① 【消防法】

障害福祉施設には、自力での避難が困難な方が通所・入所する可能性があるため、一般のオフィスや店舗よりも厳しい消防設備が求められます。

  • 防火対象物使用開始届: 物件を使用する前に、管轄の消防署へ届出を行い、立ち入り検査を受ける必要があります。
  • 消防設備の設置: 自動火災報知設備(自火報)、消火器、誘導灯、防炎カーテンなどの設置が義務付けられます。物件によっては数百万円の工事費がかかるケースもあるため、物件契約前に必ず消防署への事前相談が必要です。

② 【建築基準法】

空き家や元事務所、店舗などを改装して障害福祉施設にする場合、建築基準法上の「用途変更」という手続きが必要になることがあります。

  • 用途変更の確認申請: 障害福祉施設は、建築基準法上「児童福祉施設等」という特殊建築物に該当します。使用する部分の床面積の合計が「200平方メートル」を超える場合、用途変更の確認申請という非常にハードルの高い(費用と時間がかかる)手続きが必要になります。
  • 200平米未満であっても、採光や換気、階段の幅など、建築基準法に適合している物件でなければ事業は行えません。

③ 食事提供やカフェ運営の場合【食品衛生法】

利用者への食事提供や、就労継続支援B型などでの生産活動(パン作り、カフェ運営など)を行う場合に立ちはだかるのが保健所のルールです。

  • 飲食店営業許可・各種製造業許可: 利用者が作ったお菓子を販売したり、施設内で調理した温かい食事を提供したりする場合、保健所で「食品衛生法」に基づく営業許可や届出が必要です。
  • 施設内の厨房には「手洗い専用のシンク(水栓付き)」や「扉付きの棚」など、厳しい設備要件が求められます。

④ フリマ・農業作業の場合:【古物営業法・農地法など】

就労継続支援B型などで、どのような作業(生産活動)を利用者に行ってもらうかによって、取得すべき許可が異なります。

  • 古物商許可: 中古品のパソコンを解体・修理して販売する、古着を仕入れてネットで販売する(フリマアプリ等の代行含む)といった作業を行う場合、警察署で「古物商許可」を取得しなければなりません。
  • 農地法: 農業を取り入れる(農福連携)場合、農地を借りるための農業委員会への許可や届出が必要です。

⑤ 【労働基準法など】

障害福祉施設も立派な「会社(事業所)」です。スタッフを雇用する以上、労働関係法令の遵守は必須です。

  • 36(サブロク)協定の締結・届出: 職員に法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超えて残業させる場合、労働基準監督署への届出が必要です。
  • 就業規則の作成: 常時10名以上の労働者を雇用する場合は、就業規則の作成と届出が義務付けられています。

よくある質問(Q&A)

就労継続支援B型で「内職(下請け作業)」だけを行う場合、何か別の許可は必要ですか?

内職作業のみであれば、特別な他法令の許可は不要なケースがほとんどです。 箱詰めやシール貼り、部品の組み立てといった企業からの委託作業(下請け)だけであれば、古物商許可や食品衛生法などの許可は不要です。

就労支援B型は個人事業主でも運営できますか?

就労継続支援B型は個人事業主では運営することができないため、株式会社、合同会社、一般社団法人、NPO法人といった法人格を取得する必要があります

まとめ:役所の「縦割り」を攻略するには専門家が必要

いかがでしょうか? 障害福祉の事業を始めるためには、「市役所(障害福祉窓口)」「消防署」「保健所」「警察署」「労働基準監督署」など、あちこちの役所を駆け回らなければなりません。そして、日本の行政は完全な「縦割り」です。障害福祉の窓口の担当者は、消防法や建築基準法の詳しいことまでは教えてくれません。

「物件を契約したのに、消防の許可が下りず半年間家賃だけを払い続けている」 「B型の作業で中古品を販売していたら、警察から指導が入った」

このような失敗を防ぐためには、物件探しの段階から、他法令までトータルで見通せる専門家の目線が不可欠です。

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くまくまさん
この記事を書いた人

大阪の福祉系地方公務員が障害福祉に関連する知識を収集し、情報提供するブロガー
【資格】
・福祉系の資格あり
・行政書士試験合格
【略歴】
・大阪在住
・福祉専門の行政書士として開業準備中!!
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